ヤマト (1967) 2026年3月期 Q4決算振り返り — 経常61億円で上振れ着地、来期は減益ガイダンスと配当77円(+28.3%)の両面開示

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IR気象台編集部個別株分析

ヤマト (1967) は 2026年5月7日に FY2026 本決算を開示しました。経常利益61.20億円 (+15.8%) で会社予想 57 億円から +7.4% 上振れ、2026年5月6日時点の情報で執筆した事前予想レポートで提示した IR気象台 上振れシナリオ (61億円) にピンポイント命中。一方、売上は 543.27 億円 (▲1.0% vs 会社予想549億円) で全シナリオを下回り、利益率改善で利益を上振れた構造。同時開示の FY2027 ガイダンスは経常▲15.0%・営業▲11.1%・純利益▲6.3% の減益スタートながら、年間配当は60円→77円 (+28.3%) の大幅増配で新中計の連結配当性向45%・DOE 4.0%目標と整合。種類別受注高は通期で▲7.0% (Q3累計▲20.9% から大幅改善) ですが、主力の空調・衛生は▲13.2%、冷凍・冷蔵は▲26.7% と分野で明暗が分かれた構造。決算翌営業日 5/8 はザラ場で +3.0%/▲2.4% のレンジを行き来し終値▲1.3%、5/15終値 2,196円は決算前 5/1終値 2,190円とほぼ同水準。事前予想で見落とした自己株取得 43.98億円 (消却 2,800,000株) で総還元性向は約 120% に達しています。

関連テーマ

決算サマリ

ヤマト (1967) が 2026年5月7日 15:00 に開示した 2026年3月期 通期決算短信 の結論を 4 点で整理します。

  • 経常利益 61.20億円 (+15.8%) で会社予想 57 億円から +4.2 億円 (+7.4%) 上振れ、2026年5月6日時点の情報で執筆した IR気象台 事前予想レポート 「ヤマト(1967)FY2026本決算予測 — 最高益の確度と受注減の影響」 で提示した上振れシナリオ (61億円) にピンポイント命中しました (決算短信 P.1)
  • 売上高 543.27億円 (+2.2%) は会社予想 549 億円から ▲1.0%、IR気象台 全シナリオ (下振れ549・中央555・上振れ560) のいずれも下回る着地。 売上未達ながら利益は上振れ で、営業利益率は 9.9% (FY2025 9.0% から +0.9pt) に切り上がりました (決算短信 P.1)
  • 純利益 45.89億円 (+16.7%)・EPS 197.52円で 2 期連続最高益を更新。期末配当は 60 円で、期初予想 45 円・修正後予想 56 円から +4 円増配 (決算短信 P.1)
  • 同時開示の 2027 年 3 月期 (FY2027) ガイダンスは売上 550 億 (+1.2%)・営業利益 48 億 (▲11.1%)・経常利益 52 億 (▲15.0%)・純利益 43 億 (▲6.3%) の減益スタートながら、年間配当は 60→77 円 (+28.3%)、新中期経営計画 (2026〜2028 年) で連結配当性向 45%・DOE (純資産配当率) 4.0% を目標として明示しました (決算短信 P.1 / P.6)

用語の補足

  • 設備サブコン: ゼネコンの下請として空調・衛生設備、電気・通信設備、水処理設備などの専門工事を担う準大手・中堅の建設業者。ヤマトは群馬県前橋市本社で空調・衛生が売上の約 64% を占めます (決算短信 P.26)
  • DOE (Dividend on Equity): 純資産配当率。配当総額を株主資本 (純資産) で割った比率。配当性向 (配当 ÷ 純利益) と異なり、業績変動の影響を受けにくく安定配当の指標として使われます
  • 配当性向: 純利益のうち配当に回した割合 (連結純利益ベース)
  • 総還元性向: 配当に加え自己株取得も含めた株主還元総額を純利益で割った比率
  • 年度呼称: 本レポートでは「FY2026」を「2026年3月期 (2025年3月21日〜2026年3月20日)」を指す呼称として用います。ヤマトの会計期間は 3 月 20 日締めで、通常の 3 月 31 日締めとは異なります

予実差異の確認 (FY2026)

2026年5月6日時点の情報で執筆した IR気象台 事前予想レポート 「ヤマト(1967)FY2026本決算予測 — 最高益の確度と受注減の影響」 で提示した 3 シナリオと、5/7 開示の本決算実績を並べます。

指標期初予想修正後 会社線IR気象台 下振れIR気象台 中央IR気象台 上振れ実績 (5/7開示)実績 − 会社線
売上 (億円)530549549555560543.27▲5.73 (▲1.0%)
営業利益 (億円)425353555754.01+1.01 (+1.9%)
経常利益 (億円)465757596161.20+4.20 (+7.4%)
純利益 (億円)384345.89+2.89 (+6.7%)
EPS (円)約185197.52+12.52 (+6.8%)
年間配当 (円)4756566060+4 (+7.1%)

(出典: 決算短信 P.1 および事前予想レポート シナリオ統合表)

ここから読み取れることを 5 点に整理します。

  • 経常利益は IR気象台 上振れシナリオ 61 億円にピンポイント命中、営業利益は IR気象台 中央シナリオ 55 億円近辺、純利益は会社線 43 億円から +6.7% 上振れ、年間配当 60 円は IR気象台 上振れシナリオ命中、と利益関連は事前予想の上半分に集まりました
  • 一方で売上は 543.27 億円と会社線 549 億円すら ▲1.0% 下回り、IR気象台 全シナリオ (549〜560 億) の下限すら割り込みました。 売上未達ながら利益は上振れ という構造で、営業利益率は FY2025 の 9.0% から +0.9pt の 9.9% に切り上がっています
  • 経常利益が営業利益 (+12.6%) よりも +3.2pt 大きく伸びた (+15.8%) のは営業外収益の押し上げ寄与で、営業外収益が前期 5.60 億円から当期 8.20 億円 (+2.60 億円) に増加しました。内訳は受取配当金 +1.10 億円 (3.08→4.18 億円)、為替差益 +1.05 億円 (0.44→1.49 億円)、有価証券償還益 +0.10 億円 (新規) などです (決算短信 P.9)
  • 特別利益として政策保有株式 (上場株式) の売却で投資有価証券売却益 7.32 億円を計上 (前期 5.38 億円から +1.94 億円)。短信「(1) 経営成績の概況」でも「特別利益として政策保有株式(上場株式)の売却により投資有価証券売却益を計上した」と明示されています (決算短信 P.2 / P.9)
  • Q3 累計の進捗率は会社予想 57 億円ベースで 76.2% でしたが、通期実績 61.20 億円ベースに引き直すと 43.42 ÷ 61.20 = 70.9% に下がる計算で、Q4 単独経常利益は 17.78 億円 (前期 Q4 単独 13.45 億円から +32.2%) と Q4 で利益を一気に積み上げた格好です

セグメント・種類別ドリルダウン

短信 P.26 生産、受注及び販売の状況 の数値をまず整理します。

(a) 種類別売上高 (FY2026 実績)

種類別FY2025 売上 (百万円)FY2026 売上 (百万円)YoY構成比
空調・衛生35,38934,805▲1.7%64.1%
電気・通信7,1557,868+10.0%14.5%
水処理プラント4,4185,524+25.0%10.2%
冷凍・冷蔵2,8722,842▲1.0%5.2%
建築・土木2,7912,690▲3.6%5.0%
リース (空調・衛生)1111+2.4%0.0%
建設工事業 計52,63853,741+2.1%98.9%
商業施設運営業531586+10.3%1.1%
合計 (連結売上)53,16954,327+2.2%100.0%

(b) 種類別受注高 (FY2026 実績)

種類別FY2025 受注高 (百万円)FY2026 受注高 (百万円)YoY
空調・衛生41,04135,637▲13.2%
電気・通信7,7488,521+10.0%
水処理プラント4,3875,167+17.8%
冷凍・冷蔵3,2872,410▲26.7%
建築・土木2,3352,871+23.0%
リース (空調・衛生)1111+2.4%
建設工事業 計58,80954,618▲7.1%
商業施設運営業531586+10.3%
合計 (連結受注高)59,34055,203▲7.0%

(出典: 決算短信 P.26)

種類別の論点を 4 点に整理します。

  • 主力の空調・衛生 (構成比 64%) は売上▲1.7%・受注▲13.2% で減速が顕在化しました。事前予想で論点だった「Q3 累計受注高▲20.9%」は通期で▲7.0% まで縮まりましたが、その内訳は「主力の空調・衛生で▲13.2% 残ったまま、建築・土木 (+23.0%)・電気・通信 (+10.0%)・水処理プラント (+17.8%) で相殺した」というかたちで、主力の減速自体は止まっていません
  • 電気・通信と水処理プラントは受注も売上も二桁成長 (受注+10.0%・+17.8%、売上+10.0%・+25.0%)。短信本文は具体的な需要先まで明記していませんが、設備サブコン業界で電気・通信・水処理が伸びる典型的な背景としてはデータセンター・半導体工場向け工事があり、事前予想で参照した 2026年4月12日公開の 「光電融合テーマの関連銘柄」レポート と 2026年5月4日公開の 「建設業の利益率改善関連銘柄」レポート で整理した需要環境と整合的な動きと読めます
  • 冷凍・冷蔵は受注▲26.7%・売上▲1.0% で、種類別では最大の受注減。売上はまだ受注残で持っていますが、来期以降の売上にマイナス影響が残る構造です
  • 建築・土木 (構成比 5%) は受注+23.0% で大きく伸びました 。2025 年 3 月 10 日に株式追加取得で連結子会社化した上毛建設 (土木工事業、群馬県の地域中堅) が当期 (FY2026) から損益計算書ベースで連結対象となり、建築・土木の受注高を底上げしている可能性があります (決算短信 P.16)。短信 P.17 によれば取得原価は 1.875 億円で、その内訳は (a) 取得前に取得済みの 40% 分の現金対価 0.80 億円 + (b) 企業結合日に追加取得した 60% 分の現金対価 1.075 億円。みなし取得日が 2025 年 3 月 20 日 (=FY2025 期末日) のため、FY2025 連結損益計算書には上毛建設の業績が含まれず、FY2026 から損益への連結寄与が始まる構造です。負ののれん発生益 0.29 億円は前期 (FY2025) の特別利益に計上されています (決算短信 P.17)

(c) セグメント情報 (報告セグメント)

短信のセグメント情報は 2 区分 (建設工事業 / 商業施設運営業) のみです (決算短信 P.22)。

セグメントFY2025 売上FY2026 売上YoYFY2025 セグメント利益FY2026 セグメント利益YoYFY2026 営利率
建設工事業52,65253,755+2.1%4,6525,287+13.7%9.8%
商業施設運営業531603+13.6%160133▲17.1%22.0%
調整額▲15▲31▲15▲19
連結53,16954,327+2.2%4,7975,401+12.6%9.9%

(セグメント間内部売上・利益含む、出典: 決算短信 P.22)

  • 建設工事業の営利率 9.8% は前期 8.8% から +1.0pt 改善し、利益額で +6.35 億円増加。事前予想で参照した 2026 年 5 月 4 日公開の 「建設業の利益率改善関連銘柄」レポート の論点「業界全体で利益率改善トレンド」が当期実績にも当てはまった形です
  • 商業施設運営業 (道の駅まえばし赤城の運営) は売上+13.6% で伸びましたが、セグメント利益は▲17.1% と減益。営利率は 30.2%→22.0% に低下しており、運営コスト増加の可能性があります (決算短信 P.2)

受注高▲7.0% の構造と翌期繰越高

短信「(1) 経営成績の概況」を引用します。

当連結会計年度の受注高は前連結会計年度比7.0%減の552億3百万円、売上高は前連結会計年度比2.2%増の543億2千7百万円、翌連結会計年度への繰越高は前連結会計年度末比1.9%増の464億5千5百万円となりました (決算短信 P.2)

ここから読み取れることを 3 点に整理します。

  • 翌期繰越高は前期末比 +1.9% の 464.55 億円 で、来期売上 550 億円 (会社予想) の約 84% を既存受注残でカバーできる計算です。繰越高の前期比増加が、FY2027 会社予想売上 +1.2% という穏当な成長を裏付けています
  • 受注高▲7.0% の絶対額は ▲41.37 億円 (FY2025 593.40 億 → FY2026 552.03 億)。一方で売上は +11.58 億円増加しているので、当期は受注残を取り崩しながら売上を出した状態と読めます
  • 残存履行義務に配分した取引価格 (1 年以内 + 1 年超の合計) は FY2025 末 386.85 億 → FY2026 末 391.73 億で +1.3% 微増。うち 1 年以内は 168.56 億 → 175.36 億で +4.0% 増加 (決算短信 P.20)。短期で消化される受注残が増えており、来期売上の見通しと整合します

経常利益+15.8% の構造 — 営業外プラスの寄与分解

経常利益が営業利益 +12.6% を上回って +15.8% 伸びた要因を、連結損益計算書 (決算短信 P.9) から分解します。

項目FY2025 (百万円)FY2026 (百万円)増減
営業利益4,7965,401+605
営業外収益 計560819+259
うち 受取配当金307417+110
うち 為替差益43148+105
うち 受取利息7085+15
うち 有価証券償還益9+9
営業外費用 計73100▲27
うち 支払利息3051▲20
経常利益5,2836,120+836
  • 経常利益 +8.36 億円増加のうち、営業利益増加分が +6.05 億円、営業外ネット (収益 - 費用) 改善が +2.31 億円。営業外プラスの主な寄与は 受取配当金 +1.10 億円為替差益 +1.05 億円 で、合わせて +2.15 億円が経常利益を押し上げています
  • 受取配当金の増加は政策保有株式からの配当受領増、為替差益は外貨建債権・債務の評価差。いずれも本業 (建設工事の利益率) とは独立した要因で、来期は持続性が問われる項目になります
  • 当期特別利益として政策保有株式 (上場株式) の売却で投資有価証券売却益 7.32 億円 (前期 5.38 億円から +1.94 億円) を計上。特別損失の投資有価証券売却損 0.27 億円・評価損 0.43 億円を差し引いた特別損益ネットは +6.42 億円 (前期 +4.94 億円から +1.48 億円) で、純利益を押し上げる側に効きました (決算短信 P.9)

来期 (FY2027) 会社予想と IR気象台 3シナリオの突合

会社が 5/7 同時開示した来期会社予想 (決算短信 P.1) と、事前予想で IR気象台 が置いた 3 シナリオを並べます。

指標IR気象台 下振れIR気象台 中央IR気象台 上振れ会社予想 (5/7開示)YoY評価 (会社予想 vs IR気象台)
売上 (億円)540555565550+1.2%IR気象台 中央近辺
営業利益 (億円)48545748▲11.1%IR気象台 下振れ命中
経常利益 (億円)51576052▲15.0%IR気象台 下振れ近辺
純利益 (億円)43▲6.3%(シナリオ未提示)
EPS (円)192.08
年間配当 (円)56606077+28.3%IR気象台 上振れ +17円大幅超過
配当性向 (連結)約 40.1%新中計目標 45% に向けたスタート

来期会社予想は指標ごとに評価が大きく割れる内容です。営業利益・経常利益・売上の本業指標は IR気象台 下振れ〜中央シナリオに固まる一方、配当は IR気象台 上振れシナリオを +17 円大幅に超えてきました。この乖離を 3 段階で分解します。

  1. 本業指標の保守化: 営業利益 ▲11.1%、経常利益 ▲15.0%、純利益 ▲6.3% は会社が来期を保守的に見ていることを示します。事前予想で論点だった「Q3 累計受注高▲20.9%」「主力空調・衛生の減速」「ヤマトテクノパーク減価償却の影響」が、来期会社予想の数字に反映されている可能性があります
  2. 経常 ▲15% vs 純利益 ▲6.3% の乖離: 経常利益のマイナス幅 (▲9 億) に対し、純利益のマイナス幅 (▲3 億) は小さい。これは当期 (FY2026) に計上した特別利益 (投資有価証券売却益 7.32 億円) の剥落と、税負担減 (法人税等の調整) のネット効果で、特別損益ベースでは小さなマイナスにとどまる前提と読めます
  3. 配当方針の質的転換: 当期配当性向 30.4% から来期 40.1% への 9.7pt 引き上げは、新中計の配当方針変更を反映したものです。決算短信 P.6 で「2026 年度を初年度とする新中期経営計画においては、連結配当性向 45%、DOE(純資産配当率)4.0% を目標とします」と明示されました (決算短信 P.6)

用語の補足

  • 会社予想配当性向 40.1%: 当期 (FY2026) の期中平均株式数 23,234,243 株をそのまま据え置いて試算すると 77 円 × 23,234千株 ÷ 43 億円 ≒ 41.6% となります。会社開示の 40.1% はそれより低く、配当総額の逆算 (43 億 × 40.1% = 17.24 億 → 17.24 億 ÷ 77 円 ≒ 22,400 千株) から、 会社は来期に期中平均株式数を約 22,400 千株まで減少させる前提 (=自己株取得・消却の継続) を織り込んでいると読めます (決算短信 P.1)

新中期経営計画 (2026〜2028 年) — 配当性向 45%・DOE 4.0% 目標

短信 P.5 「(4) 今後の見通し」 と P.6 「(5) 利益配分に関する基本方針および当期・次期の配当」 を引用します。

このような状況のもと、当社グループは、「建設プロダクトで、未来を築く」を 2035 年の長期ビジョンに定め、建設工業化のリーディングカンパニーを目指す中期経営計画(2026 年〜 2028 年)を策定いたしました。

本中期経営計画期間中には、鉄骨加工と設備加工の自動化・ロボット化・搬送効率化を飛躍的に促進する「ヤマトテクノパーク」を稼働させ、施工の工業化を更に深化させてまいります (決算短信 P.5)

2026 年度を初年度とする新中期経営計画においては、連結配当性向 45%、DOE(純資産配当率)4.0% を目標とします (決算短信 P.6)

事実関係を 4 点に整理します。

  • 新中計の業績目標 (受注高・売上高・経常利益などの具体数値) は本決算短信本文には記載されておらず、決算補足説明資料 (短信 P.1 「決算補足説明資料作成の有無: 有」と記載) または 2026 年 3 月 25 日付で別途公表された中期経営計画書に記載されている性質のものです。事前予想レポートで参照した「最終年度の経常利益目標 58 億円」は 2026 年 3 月 25 日開示の中計から引いた数値で、本決算同時開示で更新されたかどうかは決算補足説明資料を読まないと判別できません
  • 配当方針の更新は明確: 旧方針 (当期適用) は「連結配当性向 30% 以上」、新方針 (来期から適用) は「連結配当性向 45%、DOE 4.0%」。これは前期比 +15pt の引き上げで、ヤマトの株主還元政策の質的な転換と読めます
  • ヤマトテクノパークの稼働時期は短信本文では「本中期経営計画期間中には...稼働させ」とのみ記載され、具体的な月までは明示されていません。事前予想レポートで「2027 年 4 月稼働予定」と書いたものが該当しますが、決算短信ではより幅を持たせた表現になっています (決算短信 P.5)
  • FY2026 実績の経常利益 61.20 億円は、事前予想時点で参照した中計目標 (FY2028 経常 58 億円) を 1 年目で既に +3.2 億円超過しています。一方、FY2027 会社予想 52 億円は中計目標 58 億円から▲6 億円下のスタートで、3 年計画の最終年度に向けて加速が必要な保守的な初年度ガイダンスという解釈になります

株主還元 — 自己株取得 43.98億円 + 消却 2,800,000 株

事前予想レポートで見落としていた当期の自己株取得を整理します。連結 CF 計算書および株主資本等変動計算書 (決算短信 P.13 / P.14) から拾います。

項目FY2025 (千円)FY2026 (千円)
配当金支払額680,9381,116,196
自己株式の取得450,0724,398,339
自己株式の消却3,512,340
期末発行済株式数 (株)26,927,65224,127,652
期末自己株式数 (株)2,123,2821,741,363
期中平均株式数 (株)24,851,12223,234,243
株主還元合計 (配当+自己株取得)1,131,0105,514,535
純利益 (親会社株主帰属)3,932,9524,589,297
総還元性向28.8%120.2%

(本レポート独自集計、出典: 決算短信 P.13 / P.14 / P.24)

論点を 4 点に整理します。

  • 当期の自己株取得 43.98 億円は前期 4.50 億円の約 10 倍の規模で、配当金支払 11.16 億円と合わせた株主還元総額は 55.15 億円。純利益 45.89 億円に対し 総還元性向は約 120% に達し、利益を超える株主還元を実施しました
  • 自己株消却 2,800,000 株により期末発行済株式数は 26,927,652 株 → 24,127,652 株に▲10.4% 減少。期中平均株式数も 24,851 千株 → 23,234 千株 (▲6.5%) で、EPS の押し上げ効果が機能しています (FY2026 EPS 197.52 円 = 純利益 4,589 百万円 ÷ 23,234 千株)
  • この自己株取得・消却は事前予想レポートでは触れられていません。短信本文には「自己株式の取得」の経緯説明はなく、株主資本等変動計算書および CF 計算書の数値のみで開示されています。来期の株主還元規模 (自己株取得を継続するか) も短信時点では未開示です
  • 来期 (FY2027) 会社予想ベースの想定還元: 配当総額 = 77 円 × 期中平均株式数 (約 22,300 千株と想定、自己株取得・消却継続前提) ≒ 17.2 億円。純利益 43 億円に対し配当性向 40% で、自己株取得を当期並みに継続するなら総還元性向は 100% 超になり得ます

株価反応 (発表前後のフル OHLCV)

決算発表前後の株価推移を Yahoo!ファイナンス から拾います。

日付始値高値安値終値前日比出来高
5/1 (木、事前予想公開時)2,1172,1912,1062,19075,200
5/7 (木、15:00 引け後発表)2,2772,2832,0412,283389,700
5/8 (金、翌営業日)2,2332,3202,2022,254▲1.3%173,900
5/11 (月)2,2742,2972,2492,284+1.3%70,100
5/12 (火)2,2882,2952,2362,259▲1.1%58,400
5/13 (水)2,2832,2832,2212,255▲0.2%61,500
5/14 (木)2,2772,2772,1902,207▲2.1%57,900
5/15 (金、直近)2,2072,2382,1662,196▲0.5%23,100

値動きの事実関係を 5 点に整理します。

  • 5/7 は決算開示が大引け後 15:00 のため、ザラ場での値動き (始値 2,277・高値 2,283・安値 2,041 ・終値 2,283) は決算開示前の値動きで、決算反応ではありません。安値 2,041 円は事前予想公開時点の 5/1 終値 2,190 円から▲6.8% (5/2 はゴールデンウィーク期間中で参照可能な終値データが手元になく、直近確認可能な営業日終値との比較となります)、出来高 389,700 株は直近 1 週間平均約 5 万株前後の約 8 倍に急増しています。終値ベースでは 2,283 円まで戻して引けています
  • 発表翌営業日の 5/8 は寄付 2,233 円から日中高値 2,320 円・日中安値 2,202 円のレンジで上下し、終値 2,254 円・前日比▲1.3%。出来高 173,900 株は平時 (5 月中旬平均約 60,000 株前後) の約 3 倍に増加しました
  • 5/11〜5/13 は終値ベースで 2,255〜2,284 円の狭いレンジ内で揉み合いとなり、明確な方向感は出ませんでした
  • 5/14・5/15 は連日陰線で、5/15 終値 2,196 円は決算発表翌日 5/8 終値 2,254 円から▲2.6%、事前予想公開時点 5/1 終値 2,190 円とほぼ同水準 (+0.3%) です
  • 出来高は 5/7 の 389,700 株をピークに減少し、5/15 は 23,100 株まで縮小。発表前 (5/1 の 75,200 株) を下回る水準まで落ち着きました

PER 試算

5/15 終値 2,196 円ベースで PER を計算します。

  • 来期 (FY2027) 会社予想 EPS 192.08 円 → 会社予想ベース PER 11.43 倍
  • 当期 (FY2026) 実績 EPS 197.52 円 → 実績ベース PER 11.12 倍

事前予想時点 (2026/5/1 終値 2,190 円ベース) では、当時 IR気象台 が試算した来期 EPS 185 円ベースの PER は 11.84 倍でした (事前予想レポート を参照)。発表後に会社の EPS 予想が 192.08 円に切り上がり、株価も実質横ばいで推移したため、会社予想ベース PER は 11.84 倍 → 11.43 倍にわずかに低下しています。

事前予想レポート時点 (2026/5/6 取得) の同業 PER スナップショット (新日本空調 12.7 倍、ダイダン 13.3 倍、高砂熱学 19.6 倍) との比較では、ヤマトの PER 11.43 倍は依然として設備サブコン同業の中で最低水準にあります。なお同業の 5/15 時点の PER は本レポートでは再取得していません。

投資判断更新 — 前提が強まった点 / 弱まった点

前提が強まった点

  • 経常利益 IR気象台 上振れシナリオ 61 億円ピンポイント命中: 営業外プラスの寄与 (受取配当金 +1.10 億・為替差益 +1.05 億) が事前予想時点の上限ケース通りに乗りました (決算短信 P.9)
  • 配当方針の質的転換が明文化: 旧「連結配当性向 30% 以上」から新「連結配当性向 45%・DOE 4.0%」への切り上げは、事前予想レポートで触れた「配当 56 円ほぼ確定」「配当性向 30% 以上維持の本気度」を大きく上回る材料です。前期 (FY2025) 年間 45 円 → 当期 (FY2026) 60 円 → 来期 (FY2027) 予想 77 円 と 2 期連続の増配計画で、配当性向は 28.4% → 30.4% → 40.1% に切り上がる線が示されました (決算短信 P.6)
  • 建設工事業の営利率 9.8% で前期 8.8% から +1.0pt 改善: 事前予想時点の論点だった「設備サブコン業界全体の利益率改善トレンド」が、ヤマトの当期実績にも当てはまったかたちです (決算短信 P.22)
  • 電気・通信 +10%・水処理プラント +25% の伸び: 主力空調・衛生の減速を、データセンター・半導体工場関連需要と推定される電気・通信および水処理プラントが補う事業ミックスの改善傾向が確認できました (決算短信 P.26)

前提が弱まった点

  • 売上は会社予想・IR気象台 全シナリオ未達: 543.27 億円は会社予想 549 億円から▲1.0%、IR気象台 下振れシナリオ 549 億円すら下回りました。利益率改善で利益は上振れましたが、売上のスローダウンは事実として残ります (決算短信 P.1)
  • 主力空調・衛生の減速が継続: 売上▲1.7%・受注▲13.2% で、通期受注高▲7.0% の主因は依然として空調・衛生です。事前予想で「Q3 累計受注高▲20.9%」を懸念材料として書いた論点は、通期で▲13.2% まで縮まりましたが完全には解消していません (決算短信 P.26)
  • FY2027 営業利益・経常利益は IR気象台 下振れシナリオ命中: 営業利益 48 億 (▲11.1%) は IR気象台 下振れシナリオ 48 億にピンポイント、経常利益 52 億 (▲15.0%) は IR気象台 下振れシナリオ 51 億のすぐ上。事前予想で IR気象台 中央シナリオに置いた経常 57 億円から▲5 億円下の保守的なガイダンスです (決算短信 P.1)
  • 冷凍・冷蔵の受注▲26.7%: 種類別では最大の受注減で、当期売上は▲1.0% にとどまりましたが、受注残ベースでは来期以降の売上にマイナス影響が残る構造です (決算短信 P.26)

判断材料の整理という建付けで、特定の投資推奨は行いません。

本決算で見直した前提 (教訓)

事前予想レポート (2026/5/6 公開) で置いていた前提と、本決算で確認できた事実を対比します。各項目とも「旧前提」は IR気象台 事前予想時点の見立て、「新前提」は実績または会社予想です。

(a) FY2026 経常利益 IR気象台 上振れ 61 億円前提

  • 旧前提 (IR気象台 事前予想): 上振れシナリオで経常 61 億円、中央シナリオで 59 億円
  • 新前提 (実績): 経常 61.20 億円で IR気象台 上振れシナリオにピンポイント命中
  • 根拠: 営業外プラスの寄与 (受取配当金 +1.10 億・為替差益 +1.05 億) が想定通り効きました (決算短信 P.9)

(b) FY2026 売上 IR気象台 全シナリオ 549〜560 億前提

  • 旧前提 (IR気象台 事前予想): 売上 549〜560 億のレンジ
  • 新前提 (実績): 543.27 億で IR気象台 下振れ 549 億すら下回る
  • 根拠: 主力の空調・衛生が▲1.7%、建築・土木が▲3.6%、冷凍・冷蔵が▲1.0% でマイナス。電気・通信 +10.0%・水処理プラント +25.0% の伸びでは相殺しきれませんでした (決算短信 P.26)

(c) FY2026 期末配当 IR気象台 上振れ 60 円前提

  • 旧前提 (IR気象台 事前予想): 上振れシナリオで年間配当 60 円
  • 新前提 (実績): 期末配当 60 円 (年間 60 円) で IR気象台 上振れシナリオ命中
  • 根拠: 上方修正後の業績水準と新中計策定方針を踏まえた増配 (決算短信 P.6)

(d) FY2027 経常 IR気象台 中央 57 億円シナリオ

  • 旧前提 (IR気象台 事前予想): 中央シナリオで経常 57 億円
  • 新前提 (会社予想): 52 億円で IR気象台 下振れ 51 億円のすぐ上
  • 根拠: 受注高▲7.0% の中身が主力空調・衛生▲13.2% で残ったことと、当期計上の営業外プラス (受取配当金・為替差益) の持続性を会社が保守的に見ている可能性 (決算短信 P.1)

(e) FY2027 配当 IR気象台 上振れ 60 円前提 — 大幅な見落とし

  • 旧前提 (IR気象台 事前予想): 上振れシナリオで配当 60 円、配当性向 30% 以上維持
  • 新前提 (会社予想): 配当 77 円・配当性向 40.1%、新中計目標で「連結配当性向 45%・DOE 4.0%」を明示
  • 根拠: 短信 P.6 で「2026 年度を初年度とする新中期経営計画においては、連結配当性向 45%、DOE(純資産配当率)4.0% を目標とします」と新方針を打ち出しました。事前予想レポートでは旧方針「配当性向 30% 以上」を継続する前提で配当上限を 60 円に置いていましたが、新中計で配当性向目標が +15pt 引き上げられる質的転換を織り込めていませんでした (決算短信 P.6)

(f) 自己株取得 — 完全な見落とし

  • 旧前提 (IR気象台 事前予想): 自己株取得への言及なし
  • 新前提 (実績): 当期自己株取得 43.98 億円・消却 2,800,000 株 (発行済株式数▲10.4%)
  • 根拠: 株主資本等変動計算書および連結 CF 計算書に開示されている数値。自己株取得 43.98 億円 + 配当 11.16 億円 = 株主還元総額 55.15 億円で、総還元性向は 120.2% に達しました (決算短信 P.13 / P.14)。事前予想レポート編集時点での開示確認不足で、配当のみに焦点を絞った還元議論にとどまっていました

(g) 中計目標経常 58 億円 = 「保守的」評価

  • 旧前提 (IR気象台 事前予想): 中計最終年度 FY2028 経常 58 億円は保守的
  • 新前提 (実績・会社予想): FY2026 実績 61.20 億で中計目標を 1 年目で既に超過、ただし FY2027 会社予想 52 億で中計目標から▲6 億下のスタート
  • 根拠: 中計の業績目標数値の更新は本決算短信本文には記載されておらず、決算補足説明資料 (短信 P.1 「決算補足説明資料作成の有無: 有」) の参照が必要です (決算短信 P.1)。本決算同時開示で中計の業績目標が上方修正されている可能性は十分にあり、後日決算補足説明資料を確認次第追記が必要な論点です

見直し後の FY2027 シナリオと想定株価レンジ

(a) 再設計した IR気象台 FY2027 3 シナリオ

本決算と 5/7 開示の会社予想を踏まえ、IR気象台 中央シナリオを会社予想に揃えるかたちで FY2027 のシナリオを見直します。IR気象台 上振れは「主力空調・衛生の受注回復 + 電気・通信・水処理プラントの伸び継続 + 営業外プラスの持続」、IR気象台 下振れは「空調・衛生の受注減が売上に本格波及 + ヤマトテクノパーク稼働遅延」を前提に置きます。

指標FY2027 会社予想IR気象台 上振れIR気象台 中央IR気象台 下振れ
売上高 (億円)550575550525
営業利益 (億円)48564842
営業利益率8.7%9.7%8.7%8.0%
経常利益 (億円)52605245
純利益 (億円)43504337
EPS (円)192.08約 223192.08約 165
年間配当 (円)77807770
配当性向 (連結)40.1%約 36%40.1%約 42%

注: 期中平均株式数は当期実績 23,234 千株を据え置きで EPS 試算。会社の自己株取得・消却が継続すれば期中平均株式数は減少し、EPS は上振れ方向。

(b) 想定株価レンジ 9 パターン (3 EPS × 3 PER)

IR気象台 が再設計した来期 (FY2027) EPS の 3 シナリオに、PER 水準の 3 段階を掛け合わせて、機械的に株価レンジを試算します。これは目標株価ではなく、来期 EPS と PER の組み合わせで計算した参考値です。

IR気象台 上振れ EPS 223 円IR気象台 中央 EPS 192 円 (会社予想と同値)IR気象台 下振れ EPS 165 円
低位 PER 9 倍2,007 円1,728 円1,485 円
中位 PER 11 倍2,453 円2,112 円1,815 円
高位 PER 13 倍2,899 円2,496 円2,145 円

PER 水準の解釈を 3 行で添えます。

  • 低位 PER 9 倍: 設備サブコン中堅平均 (10〜13 倍) の下限近辺。空調・衛生の受注減が来期売上に本格波及し、業績モメンタムが弱まる展開で意識される水準
  • 中位 PER 11 倍: 5/15 終値 2,196 円ベースの会社予想 EPS PER 11.43 倍と整合する水準。今回の本決算と新中計開示を受けた現在の評価レンジに相当
  • 高位 PER 13 倍: 同業ダイダン (13.3 倍) 並みへの再評価。中計の業績目標達成パスが明確化し、自己株取得・配当性向 45% 目標などの株主還元が継続的に効いてくる局面で意識される水準

5/15 終値 2,196 円は、IR気象台 中央 EPS × 中位 PER の 2,112 円のすぐ上、IR気象台 中央 EPS × 中位〜高位 PER 中間の 2,304 円より下に位置しており、現在の株価は会社予想 EPS を設備サブコン中堅レンジの中位 (約 11.4 倍) で評価している水準と整理できます。

データソース・免責事項

参考情報

免責事項

本レポートは公開情報に基づく執筆者の整理であり、投資勧誘を目的とするものではありません。記載した数値は決算短信等の一次情報から引用していますが、解釈・評価部分は執筆者の見解です。投資判断は読者ご自身の責任で行ってください。記載内容に誤りがある場合は、後日訂正することがあります。新中期経営計画の業績目標数値については、決算補足説明資料 (短信 P.1 「決算補足説明資料作成の有無: 有」と記載) を別途確認することで更新情報が得られる可能性があります。

  • ヤマト(1967)
    スタンダード建設・資材

    2026年3月期本決算 (2026/5/7開示) の振り返り

本レポートは公開情報に基づく分析であり、特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。

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