開示要約
第53期(2025年4月1日から2026年3月31日まで)の連結売上高は17,314百万円で前期比6.9%増、営業利益は2,014百万円で同9.7%増、経常利益は2,043百万円で同7.6%増、親会社株主に帰属する当期純利益は1,511百万円で同14.8%増となり、売上高及び各利益は5期連続で過去最高を更新した。 分野別では、SI分野の売上高が14,852百万円(前期比6.2%増)。クレジット向けは前期の大型案件引渡の反動で24.4%減となった一方、金融向けが24.6%増、公営競技・スポーツ振興くじ向けが82.4%増と伸びた。DX分野は売上高2,461百万円(同11.6%増)ながら、クラウド関連サービスへの先行投資で原価率が上昇し、売上総利益は542百万円(同1.7%増)にとどまった。 財務面ではが61.4%、ROEが24.2%。1株当たり年間配当は前期の33円から37円へ引き上げ、期中に自己株式133,300株を取得した。は5銘柄225百万円から4銘柄182百万円へ縮減した。「Growing Value 2026」の財務目標とKPIは1年前倒しで達成している。 今後の焦点は、2026年4月1日付で連結子会社クロスユーアイエスから210百万円で譲り受けた東京ソリューション開発部事業の統合と、DX分野の原価率の動向にある。
影響評価スコア
🌤️+2i売上高17,314百万円(前期比6.9%増)、営業利益2,014百万円(同9.7%増)、当期純利益1,511百万円(同14.8%増)と増収増益で、5期連続の過去最高更新となった。主要事業の受注高増加で高い稼働率を維持し原価率が前期並みに収まった結果、売上総利益は4,077百万円(同6.0%増)。中期経営計画の財務目標とKPIを1年前倒しで達成しており、収益力の底上げが計画想定を上回るペースで進んだことを示す。
1株当たり配当を前期の33円から37円へ引き上げ、連結配当性向35%以上を目標とする方針を維持した。加えて取締役会決議に基づき自己株式133,300株(138百万円)を取得し、期末保有は3,009,574株となった。政策保有株式は5銘柄225百万円から4銘柄182百万円へ減らし、連結純資産比は3.9%から2.7%へ低下。還元強化と資産圧縮が同時に進んでいる。
中期経営計画「Growing Value 2026」の2年目として、公共・金融を中心とする社会インフラ領域が業績を牽引し、DX分野の売上高は2,461百万円(前期比11.6%増)へ拡大した。SBI Venture Fund 2023へ500百万円を出資してスタートアップとの協業基盤を整えたほか、2026年4月1日付で子会社クロスユーアイエスの東京ソリューション開発部事業を210百万円で譲り受け、グループのリソース集約を進めた。
本開示は定時株主総会招集通知と事業報告・連結計算書類を含む通期の確定情報であり、期末配当37円も2026年5月13日の取締役会で既に決議済みで、新規の業績修正や資本政策の発表は含まれない。EDINET DBの実績値では株価収益率8.7倍、配当利回り3.9%と株価指標は低位にあるが、開示単体での株価インパクトは限定的とみられる。
有限責任監査法人トーマツは連結計算書類・計算書類のいずれにも適正である旨の意見を表明し、監査等委員会も取締役の職務執行に不正の行為や法令・定款違反の重大な事実は認められないと報告した。独立社外取締役は監査等委員3名で比率33.3%、開示された各取締役の取締役会出席率はいずれも100%。一方で女性取締役は1名(11.1%)にとどまる。
総合考察
総合スコアを最も押し上げたのは業績と株主還元の2軸である。売上高6.9%増に対し営業利益は9.7%増、当期純利益は14.8%増と利益の伸びが売上を上回っており、積極的な賃上げや採用・教育への人的資本投資を吸収したうえで収益性が改善した点が重い。の財務目標とKPIを1年前倒しで達成したことで、2026年度を最終年度とする計画の目標水準そのものが見直し対象になり得る局面に入った。 ただし5視点の方向感は一様ではない。DX分野は11.6%増収ながら売上総利益は1.7%増にとどまり、クラウド関連の先行投資が利益率を圧迫している。クレジット向けが24.4%減となったように、大型案件の有無で分野別売上が振れる構造も残るため、市場反応は既定情報の確認にとどまりやすい。 財務基盤は61.4%に加え、EDINET DBベースの営業キャッシュフローが23.44億円(前期6.92億円)へ厚みを増しており、増配と自己株式取得を継続する余力は大きい。注視すべきは2027年3月期におけるDX分野の原価率改善、2026年4月に譲り受けた東京ソリューション開発部事業の統合効果、そして中計最終年度の目標超過幅である。