EDINET有価証券報告書-第37期(2025/06/01-2026/05/31)-1↓ 下落確信度78%
2026/08/26 15:31

IGポート第37期、経常益35%減で期末配当8.5円に減額

開示要約

IGポートの第37期(2025年6月~2026年5月)は、売上高が14,064,526千円で前期比3.7%減、経常利益は920,265千円で同35.2%減、親会社株主に帰属する当期純利益は669,640千円で同19.1%減となりました。営業利益は766,269千円、1株当たり当期純利益は33円29銭です。 セグメント別では、映像制作事業の売上高が8,105,517千円(前期比10.7%増)と伸びた一方、人件費やCG制作費、外注費の高騰と制作期間の長期化により、営業損失は1,341,582千円(前期は1,101,625千円の営業損失)へ拡大しました。版権事業は前期に寄与した劇場版ハイキュー!!等の反動で売上高2,235,625千円(同43.5%減)、商品販売事業は店舗開設許諾金が寄与し1,144,560千円(同31.5%増)です。 財務面では、サンリオとのに伴う929,100株などにより純資産が9,984,441千円へ増加し、1株当たり純資産額は493円76銭となりました。は769,747千円を計上しています。 2026年8月28日開催の定時株主総会には、期末配当を1株8円50銭(総額171,882千円)とする剰余金処分議案が付議されます。前期末の配当は11円00銭でした。連結自己資本利益率の実績は7.5%です。

影響評価スコア

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業績インパクトスコア -3

売上高は14,064,526千円で前期比3.7%減、経常利益は920,265千円で同35.2%減と減収減益に沈んだ。営業利益は766,269千円で、前期の1,426,186千円からほぼ半減しており、売上以上に採算が崩れている。主因は版権事業の売上高43.5%減という反動減と、映像制作事業の営業損失が1,341,582千円へ拡大したことで、受注損失引当金769,747千円の計上も利益を削った。

株主還元・ガバナンススコア -2

期末配当は1株8円50銭・総額171,882千円で、前期末の11円00銭・212,215千円から引き下げられる。連結配当性向25%程度という方針に沿った調整ではあるが、還元の実額は縮小する。業績連動報酬の指標である連結自己資本利益率は7.5%と8%の目標に届かず、会社はサンリオへの自己株式処分929,100株がなければ8.3%だったと説明している。

戦略的価値スコア +1

サンリオとの資本業務提携に基づく自己株式処分1,696,569千円により純資産は9,984,441千円へ厚みを増し、成長投資の原資が広がった。商品販売事業は店舗開設許諾金を軸に売上高31.5%増・営業利益64.5%増と伸び、収益源の分散が進む。紙の月刊誌コミックガーデンは2026年3月発売号で休刊し、ウェブ雑誌マグコミ・マグカンへ資源を振り向ける。残存履行義務は20,759,860千円を積み上げている。

市場反応スコア -2

減収減益と期末配当の引き下げが同時に示された点は、短期的な株価の重しになりやすい。2026年1月の半期報告書で確認された減益基調が通期でも解消しなかった形である。一方でアニメ産業市場は2024年に3兆8,407億円(前年比114.8%)と過去最高を更新しており、事業環境そのものは拡大が続く。映像制作事業の採算改善が確認できるかが反応の分岐点となる。

ガバナンス・リスクスコア -1

映像制作事業では見積総原価が受注金額を超える案件が続き、受注損失引当金769,747千円を計上した。会社は納品予定月と制作工数の見積りが業績を変動させ得ると注記しており、原価管理が中核のリスクである。契約資産は3,126,661千円へ増え、資金回収サイクルの長期化も伴う。会計監査人は連結計算書類が適正に表示していると認める意見を示し、監査役会も内部統制システムに指摘すべき事項はないとしている。

総合考察

総合スコアを最も押し下げたのは業績インパクトである。売上高の減少幅が3.7%にとどまる一方で、経常利益は35.2%減、営業利益は前期の1,426,186千円から766,269千円へほぼ半減しており、トップラインより採算の劣化が先行している点が重い。牽引役だった版権事業の反動減を映像制作事業の増収では補えず、むしろ同事業の営業損失は1,341,582千円へ広がった。 5視点は方向が割れている。戦略的価値だけがプラスで、サンリオとのに伴う自己株式処分は純資産を9,984,441千円へ押し上げ、財務基盤を厚くした。ただし同じ処分が自己資本の分母を増やし、連結自己資本利益率を目標8%に対し7.5%へ押し下げる副作用も生んでいる。株主還元も期末配当11円00銭から8円50銭へ後退し、還元と資本効率の両面で見劣りする。 2026年1月の半期報告書で示された減益基調は通期でも反転しなかった。次の焦点は2027年5月期に映像制作事業の営業損失が縮小へ向かうか、769,747千円が追加計上されずに済むかである。残存履行義務20,759,860千円のうち1年以内に消化する13,266,930千円が想定原価内に収まるかを、四半期ごとの進捗で見極めたい。

出典: EDINET(金融庁)(改変あり)
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