開示要約
株式会社レントが第42期(2025年6月1日から2026年5月31日)のを提出した。連結売上高は529億45百万円(前期比7.9%増)、営業利益は43億82百万円(同12.2%増)、経常利益は39億46百万円(同14.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は29億1百万円(同16.1%増)となった。 当期は2025年6月30日に東京証券取引所スタンダード市場へ新規上場し、公募増資と第三者割当増資で24億96百万円を調達した。発行済株式総数は3,886,000株となり、1株当たり当期純利益は764円94銭(前期800円38銭)、1株当たり純資産額は5,185円38銭となった。設備投資は152億93百万円で、うち141億34百万円をレンタル資産の増強と延命化に充てた。 配当は第42期期末が220円で、配当予想を10円上回った。2027年5月期は中間117円50銭・期末117円50銭の年235円を予定し、年2回配当へ移行するとともに30%程度を目指す。 期中にはベトナムとインドネシアの合弁相手である丸紅グループの持分を取得して両社を100%子会社化し、神奈川石油販売を15億円で取得した。今後の焦点は年2回配当への移行と海外子会社の収益基盤確立にある。
影響評価スコア
🌤️+2i売上高529億45百万円(前期比7.9%増)に対し、営業利益は43億82百万円(同12.2%増)、経常利益39億46百万円(同14.6%増)、純利益29億1百万円(同16.1%増)と、利益の伸びが増収率を上回った。レンタル価格の見直しと高付加価値サービスの拡大が資材高などのコスト上昇を吸収した形で、第39期の売上406億50百万円から3期で30%超伸びた成長軌道が維持されている。
第42期期末配当は220円で予想を10円上回る増配となり、前期180円から大幅に積み増した。2027年5月期は中間117円50銭・期末117円50銭の年235円を予定し、年2回配当へ移行して配当性向30%程度を掲げる。あわせて取締役を6名、監査等委員である取締役を4名へそれぞれ1名増員する選任議案を提出しており、還元と監督体制を同時に厚くする内容である。
設備投資152億93百万円のうち141億34百万円をレンタル資産に投じ、成長の原動力である資産保有量を積み増した。ベトナムとインドネシアでは丸紅グループ持分を取得して両社を100%子会社化し、意思決定の迅速化を図る。神奈川石油販売の15億円取得は首都圏の車両整備体制強化が狙いで、2兆円超の総合レンタル市場でシェア2%強からの上積みを目指す布石といえる。
本開示は2025年6月30日の上場後初の通期確定値だが、配当は2026年7月15日の取締役会で決議済みと記載されており、新規情報の量は限られる。1株当たり当期純利益は増資に伴う株式数増加で764円94銭と前期800円38銭から低下しており、二桁増益と1株利益の方向が食い違う点は株価評価で意識されやすい。
定款変更により株主総会・取締役会の招集権者と会計監査人の報酬決定権者を社長執行役員から代表取締役へ改め、監査等委員を4名へ増員して会計・税務の専門家を加える。一方、長期借入金のうち11,909百万円には純資産維持と経常損失の非継続を求める財務制限条項が付き、関係会社長期貸付金には887百万円の貸倒引当金が計上されている。
総合考察
総合スコアを押し上げたのは業績と株主還元の2軸である。増収率7.9%に対し経常利益が14.6%伸びた点は、レンタル単価の適正化がコスト上昇を吸収し始めたことを示し、EDINET DBが示す前期ROE18.4%の水準を維持できるかを占う材料になる。上場初年度に期末220円へ10円上乗せし、2027年5月期から中間配当を導入して30%程度を掲げたことは、還元方針を早期に固定して株主基盤を広げる狙いと読める。 相反するのが市場反応の軸で、増資による株式数増加から1株当たり利益は764円94銭へ低下した。総資産682億1百万円に対し純資産は200億66百万円にとどまり、長期借入金とリース債務で343億円を抱えた資本構成のまま年152億円規模の設備投資を続ける以上、金利上昇は利益率の重石となり得る。 注視点は、2027年5月期の中間配当が予定どおり実施されるか、100%子会社化したベトナム・インドネシア事業が収益基盤を確立できるか、神奈川石油販売の460百万円に見合う整備シナジーが表れるかの3点である。