EDINET有価証券報告書-第33期(2025/04/01-2026/03/31)-1↓ 下落確信度60%
2026/06/26 13:07

日本一ソフト、33期は売上32%減・最終赤字2.5億円へ拡大

開示要約

株式会社日本一ソフトウェアが第33期(2025年4月~2026年3月)の連結業績を開示した。売上高は36億642万円で前年同期比31.9%減、営業損益は4億915万円の損失(前期は2億7,473万円の損失)と赤字が拡大した。一方、受取利息1億9,105万円や為替差益1億6,858万円を含む営業外収益3億7,362万円が下支えし、経常損益は5,541万円の損失と前期(7,502万円の損失)から縮小した。最終損益は、役員退職慰労引当金繰入額1億5,097万円や5,682万円などの2億1,977万円を計上した結果、2億5,558万円の純損失(前期は1億5,722万円の純損失)となり、2期連続の最終赤字となった。1株当たり当期純損失は50.51円。主力のエンターテインメント事業は売上高34億8,574万円(同33.0%減)、営業利益3,819万円(同81.6%減)と大きく減速した。期末配当は1株当たり5円を維持し、株主総会で承認可決された。総資産112億6,700万円、純資産79億4,517万円、自己資本比率は約69%で、現預金は64億2,288万円を保有する。

影響評価スコア

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業績インパクトスコア -3

売上高は前年同期比31.9%減の36億642万円と大きく落ち込み、営業損益は4億915万円の損失へ赤字が拡大した。主力のエンターテインメント事業の営業利益が前期比81.6%減の3,819万円に縮小したことが主因である。最終損益も2億5,558万円の純損失と2期連続の赤字となった。受取利息・為替差益による営業外収益が経常損失を5,541万円まで圧縮した点は下支え材料だが、本業の稼ぐ力の低下が業績を圧迫している。

株主還元・ガバナンススコア +1

最終赤字にもかかわらず期末配当は1株当たり5円を維持し、前期と同水準を確保した。配当総額は2,530万円で、株主総会で原案どおり承認可決された。自己資本比率約69%、現預金64億円と財務基盤に厚みがあり、安定配当を継続する余力がうかがえる。取締役5名・監査役2名の選任議案も可決され、十六銀行出身の社外監査役を新たに迎えた。株主還元の継続性は保たれた一方、赤字下での配当は内部留保の取り崩しを伴う。

戦略的価値スコア -1

当期は『風雨来記5』『連呪』『凶乱マカイズム』『Curse Warrior』の4タイトルを国内投入し、子会社NIS Americaは『Disgaea7 Complete』をNintendo Switch2版で北米・欧州に展開した。国内販売20万本超のIP創出を中期目標に掲げ、開発力・販売力・生産性の強化を打ち出す。もっとも売上高が前期比3割超減少するなど新作の収益寄与は限定的にとどまり、ヒットタイトル創出の巧拙が中長期の成長を左右する構図が続く。

市場反応スコア -1

本開示は定時株主総会の招集通知および決議通知を含む有価証券報告書であり、通期損益は既存の決算情報と重複する確認的な内容が中心となる。2期連続の最終赤字はすでに市場に相応に織り込まれているとみられる。総資産112億円に対し純資産79億円、自己資本比率約69%、現預金64億円という財務の厚みは下値の支えとなりうるが、本業の営業損益が改善に転じる具体的な兆しは乏しく、株価が上値を追う新たな材料には欠ける状況が続く。

ガバナンス・リスクスコア 0

継続企業の前提に関する注記はなく、監査法人東海会計社は連結・個別ともに無限定適正意見を表明した。自己資本比率約69%、現預金64億円と財務健全性は高く、リスク管理委員会や内部通報制度などの内部統制体制も整備されている。一方、筆頭株主の有限会社ローゼンクイーン商会が46.3%を保有する創業家系の株主構成で、当期は役員退職慰労引当金繰入額1億5,097万円を特別損失に計上した。2期連続赤字下での資本効率の維持が引き続き論点となる。

総合考察

総合スコアを最も押し下げたのは業績インパクトで、売上高31.9%減・4.09億円・2期連続の最終赤字という本業の失速が中心的な下押し要因となった。ただし方向感は一様ではない。受取利息や為替差益による営業外収益3.74億円が営業赤字の大半を吸収し、経常損失は前期から縮小しており、海外子会社を通じた外貨建て資産と円安環境が損益の下支えとして機能している点は見逃せない。株主還元は赤字下でも1株5円の配当を維持し、自己資本比率約69%・現預金64億円という潤沢な財務基盤がこれを支える構図で、財務の安定性と業績の低迷が併存する。今後は、営業損益の黒字回復に向けた新作タイトルの収益貢献度、特に国内販売20万本超IPの創出進捗と、為替に依存しない本業ベースでの利益改善が焦点となる。次期(2027年3月期)にエンターテインメント事業の採算が反転するか、の一巡で最終損益が改善するかが、株価の再評価を左右する最大の注視点である。

出典: EDINET(金融庁)(改変あり)
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