開示要約
株式会社メドレーは2026年8月13日、第18期中間期(2026年1月〜6月)の半期報告書を提出した。売上高は22,683百万円(前年同期比22.8%増)、営業利益2,446百万円(同67.4%増)、経常利益2,802百万円(同77.6%増)、中間純利益1,497百万円(同131.2%増)となった。経常利益と純利益は前連結会計年度通期の2,202百万円、975百万円を半期時点で上回った。 セグメント別では人材プラットフォーム事業の売上高が16,682百万円(同24.4%増)、セグメント利益6,217百万円(同29.2%増)。顧客事業所数は前期末比3.8%増の46.6万件。医療プラットフォーム事業は売上高5,488百万円(同22.8%増)ながら、組織体制強化と「MEDLEY AI CLOUD」のAI機能拡充で484百万円のセグメント損失(前年同期は51百万円の損失)。 財務面では総資産45,384百万円、自己資本比率33.0%(前期末35.9%)。2026年1月に5,000百万円を借り入れ、自己株式862,200株を1,709百万円で取得した。営業キャッシュ・フローは3,326百万円の収入。 後発事象として、8月3日に株式会社RMキャリアの全株式を1,000百万円で取得し完全子会社化、8月13日には自己株式930,000株の消却を決議した。当中間期の配当金支払額は該当がない。
影響評価スコア
🌤️+2i売上高22,683百万円(前年同期比22.8%増)に対し営業利益2,446百万円(同67.4%増)、中間純利益1,497百万円(同131.2%増)と、増収率を大幅に上回る利益成長を示した。経常利益2,802百万円と純利益1,497百万円は前期通期実績の2,202百万円・975百万円を半期で超過した。EBITDAも3,866百万円(同43.4%増)へ伸び、営業利益率は前年同期の7.9%から10.8%へ改善した。売上原価と販管費の伸びが増収ペースを下回り、先行投資の回収局面入りが数字に表れている。
当中間期に自己株式862,200株を1,709百万円で取得し、2026年8月13日の取締役会では将来の株式の希薄化懸念を払拭する目的で930,000株の消却を決議した(消却予定日8月31日)。期中平均株式数は前年同期の32,307,903株から30,282,197株へ減少し、1株当たり中間純利益は20円05銭から49円45銭へ拡大した。一方で当中間期の配当金支払額は該当がなく、還元は自己株式の取得と消却に集約されている。
2026年8月3日、リクルートメディカルキャリアの全事業を吸収分割で承継した株式会社RMキャリアの全株式を現金1,000百万円で取得し完全子会社化した。医師・薬剤師の採用支援で業界有数の実績を持つ同事業と自社の集客力を組み合わせ、採用代行のオンラインサポート強化や多職種展開、将来的な人事業務のBPO展開を狙う。医療領域では「MEDLEY AI CLOUD」のAI機能拡充、米国では人材採用システムの事業拡大投資を継続している。
経常利益77.6%増・中間純利益131.2%増という利益の伸びと、930,000株の自己株式消却決議は株式需給面の材料になりやすい。ただし人材プラットフォーム事業は入職日を基準に売上を計上するため4月に売上が偏重する季節性があり、下期の増益ペースが中間期と同水準になるとは限らない。医療プラットフォーム事業の損失が51百万円から484百万円へ拡大した点も、成長投資の受け止めが分かれる要因となる。
自己資本比率は前期末の35.9%から33.0%へ低下し、長期借入金14,049百万円と1年内返済予定の長期借入金4,782百万円を合わせた借入残高は18,831百万円となった。のれん12,494百万円と顧客関連資産9,061百万円は総資産45,384百万円の47.5%を占め、買収事業の計画未達時には減損リスクを内包する。当中間期に重要な減損損失の計上はなく、EY新日本有限責任監査法人の期中レビューでも否定的な結論は示されていない。
総合考察
総合スコアを最も押し上げたのは業績インパクトである。増収率22.8%に対し営業利益が67.4%増、中間純利益が131.2%増と利益の伸びが増収率を大きく上回り、経常利益2,802百万円・純利益1,497百万円が前期通期の2,202百万円・975百万円を半期で超えた。これは2025年12月期に売上36,786百万円に対し純利益が975百万円にとどまった収益構造からの転換を示す動きで、稼ぐ力の回復は営業キャッシュ・フロー3,326百万円(前年同期1,929百万円)にも表れている。 一方で5視点の方向は一様ではない。ガバナンス・リスクのみマイナスとしたのは、自己資本比率が33.0%へ低下し、と顧客関連資産が総資産の47.5%を占める構造が、RMキャリアを含む買収の成否に業績を強く連動させるためである。医療プラットフォーム事業の損失が484百万円へ拡大した点も、投資が売上成長に転化するまでの時間軸を見極める必要がある。 今後の焦点は、4月偏重の季節性を織り込んだ下期の利益率、8月3日に取得したRMキャリアで計上されるの金額と償却負担(現時点で未確定)、そして8月31日予定の930,000株消却後の資本政策である。