EDINET有価証券報告書-第44期(2025/04/01-2026/03/31)-1↓ 下落確信度78%
2026/06/25 14:53

ルネサンス、38施設で減損30億円 最終赤字21億円

開示要約

ルネサンスは第44期(2025年4月1日〜2026年3月31日)の事業報告等を開示した。売上高は649億33百万円と前年同期比1.9%増となった一方、営業利益は15億65百万円(同19.6%減)、経常利益は7億95百万円(同35.1%減)、親会社株主に帰属する当期純損失は21億6百万円(前期は純利益7億66百万円)となった。 赤字の主因は特別損失35億97百万円である。売上高に占める賃料負担の割合が大きい都心立地の店舗など回復が見込みにくい6店舗と、賃貸借契約期間満了による1店舗の退店を決定し、退店施設を含む合計38施設で30億56百万円を計上した。うち18億11百万円はの見積り変更に伴う有形固定資産の増加分である。 事業別ではスポーツクラブ事業の売上高が551億45百万円(同2.8%増)、期末在籍会員数が442,085名(同1.7%増)。12月に完全子会社化した楓の風を含む介護・医療周辺事業は24億67百万円(同22.1%増)、ホームフィットネス事業は39億38百万円(同18.6%減)だった。 純資産は96億89百万円、1株当たり純資産は405円91銭。期末配当は普通株式1株当たり9円(年間13円)を予定する。2024-2027は目標達成が困難として2026-2030に切り替えた。2030年度の40%が今後の焦点となる。

影響評価スコア

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業績インパクトスコア -3

売上高は649億33百万円と1.9%増を確保したが、営業利益は15億65百万円で19.6%減、経常利益は7億95百万円で35.1%減と減益幅が大きい。光熱費や人件費の高止まりに加え、スポーツオアシス合併に伴う一時的な費用増が重荷となった。減損損失30億56百万円は非資金費用だが、38施設の将来キャッシュ・フローが見込めず回収可能価額を零としており、既存店の収益力劣化を映す。2024-2027中期経営計画の目標達成断念も稼ぐ力の回復遅れを裏づける。

株主還元・ガバナンススコア +1

最終赤字でも期末配当は普通株式1株当たり9円を据え置き、中間4円と合わせ年間13円を予定する。財務戦略では2030年度に配当性向40%の水準を目指すとし、株主優待制度の拡充と個人投資家向けIR強化も掲げた。ガバナンス面では取締役を9名から8名へ1名減員し社外取締役4名とする議案が可決、取締役会の招集権者を代表取締役に限定しない定款変更も承認され、監督体制の運営柔軟性が高まる。

戦略的価値スコア +1

2025年4月にスポーツオアシスを吸収合併し、12月には通所介護の楓の風を8億62百万円で完全子会社化してのれん7億62百万円を計上した。2026年4月にレーベンコミュニティのマイリハ5施設、7月1日付で東急スポーツシステムの8施設を譲り受けることも決定済みで、業界再編の受け皿に回る姿勢が鮮明である。介護リハビリは重度領域を楓の風のノウハウで補完し2027年度から出店を再開する計画で、事業構成の多角化が進む。

市場反応スコア -1

純損失21億6百万円への転落と純資産の96億89百万円への減少は、短期的な株価の重石になりやすい。ただし減損損失30億56百万円は現金流出を伴わず、営業利益は15億65百万円の黒字を確保している。会社は減損の兆候を有する施設のうち投資回収が見込めない施設への対応を完了したとしており、追加損失懸念の後退と年間13円への増配が下値を支える材料となり得る。

ガバナンス・リスクスコア -2

純資産は121億18百万円から96億89百万円へ2割減り、総資産570億43百万円に対する厚みが薄くなった。注記は事業環境の変化で仮定の見直しが必要になれば翌期に追加の減損損失や繰延税金資産の取り崩しが生じ得ると明示し、繰延税金資産25億68百万円のうち繰越欠損金分7億16百万円は評価性引当額9億38百万円控除後の残額である。監査意見は無限定適正で継続企業の前提に関する注記はない。

総合考察

総合スコアを最も押し下げたのは業績インパクトである。増収を保ちながら経常利益が35.1%減、最終損益が21億6百万円の赤字へ転じた構図は、光熱費や人件費の高止まりという外部要因と、都心の高賃料店舗を抱えた店舗ポートフォリオの構造問題が重なった結果と読める。38施設・30億56百万円の減損は現金流出を伴わない一過性費用だが、うち18億11百万円がの見積り変更に起因する点は、退店の実勢コストが従来想定より重かったことを意味し軽視できない。 一方で株主還元と戦略の2軸は逆方向に働く。赤字下でも年間13円へ増やし2030年度40%を掲げたことは資本配分方針の明確化であり、楓の風の子会社化や東急スポーツシステム8施設の譲受は再編の買い手側に回る意思表示である。 注視点は、2026-2030の初年度となる2027年3月期に退店効果とコスト削減が営業利益率へどれだけ跳ね返るか、そして自己資本比率17.0%(EDINET DB、前期21.8%)まで薄まった財務基盤の下で新リース会計の適用と出店投資を両立できるかである。

出典: EDINET(金融庁)(改変あり)
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