EDINET訂正四半期報告書-第29期第1四半期(2023/10/01-2023/12/31)-2↓ 下落確信度65%
2026/08/14 17:15

不適切会計で再訂正、純資産マイナス37.8億円

開示要約

アドバンスクリエイトは2026年8月14日、第29期第1四半期(2023年10月1日〜12月31日)の四半期報告書について、2025年2月28日提出分に続くを提出した。同社と完全子会社の株式会社保険市場における過年度の広告取引やソフトウェアの資産計上等で不適切な会計処理の疑義が発覚し、の調査報告書を2026年7月31日に受領したことに伴うもの。 訂正後の当第1四半期の売上高は22億4,014万円(前年同期比12.7%減)、営業利益は2,288万円(前年同期は4億8,148万円の営業損失)、経常利益は33万円、親会社株主に帰属する四半期純損失は1億9,115万円(前年同期は6億9,283万円の損失)となった。保険代理店事業では1億5,377万円のを特別損失に計上している。 財政状態は総資産86億7,619万円に対し負債合計124億5,143万円で、純資産は37億7,524万円のマイナス、自己資本比率は△43.5%(前連結会計年度末は△40.5%)。売上高の訂正に伴い、債権流動化に係る調整勘定(負債)50億6,314万円を固定負債に計上した。 訂正後の財務諸表はあおい監査法人のレビューを受けた。2023年12月の定時株主総会で決議した利益準備金の額の減少は会社法第449条の債権者保護手続の不備により中止され、臨時決算の実施検討が今後の焦点となる。

影響評価スコア

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業績インパクトスコア -1

訂正後の当第1四半期売上高は22億4,014万円で前年同期比12.7%減、営業利益2,288万円・経常利益33万円と損益は改善したが、保険代理店事業の減損損失1億5,377万円を特別損失に計上した結果、四半期純損失1億9,115万円が残った。減収の主因は保険代理店事業のアポイント配信数と協業販売の伸び悩み、メディア・メディアレップ両事業の広告出稿減速で、費用削減による損益改善の一方、売上の縮小基調が業績面の重しとなっている。

株主還元・ガバナンススコア -2

純資産は37億7,524万円のマイナスで、前連結会計年度末の32億3,238万円のマイナスから債務超過幅が拡大し、自己資本比率は△43.5%へ低下した。当期は1株17.50円・総額3億9,470万円の配当を資本剰余金と利益剰余金を原資に実施済みだが、2023年12月の定時株主総会で決議した利益準備金の額の減少は会社法第449条の債権者保護手続の不備により中止され、安定配当の代替手段として臨時決算の実施を検討する段階にとどまる。

戦略的価値スコア -1

事業の内容および経営方針・経営戦略に重要な変更はなく、保険業界の共通プラットフォーム「Advance Create Cloud Platform」やビデオ通話システム「Dynamic OMO」、アバターを活用したオンライン保険相談によるDX推進が引き続き掲げられている。ただしASP事業の売上高は6,556万円と連結売上高の3%未満にとどまり、第三者委員会の調査を経た過年度決算の訂正対応が続く状況で、成長投資の成果は数値に表れていない。

市場反応スコア -1

対象期間は2023年10〜12月と2年半以上前であり、2025年2月28日提出の訂正報告書に続く再訂正のため、新規情報としてのインパクトは限定的である。一方で債務超過の継続と自己資本比率△43.5%という財務状態が改めて確認され、短期借入金が9億円から22億1,200万円へ増加し当座貸越極度額32億円に対する借入未実行残高が9億8,800万円となった点は、資金繰りを注視する投資家の関心を集めやすい。

ガバナンス・リスクスコア -3

当社および完全子会社である株式会社保険市場の過年度の広告取引・ソフトウェアの資産計上等で不適切な会計処理の疑義が発覚し、第三者委員会の調査報告書を2026年7月31日に受領した。訂正後の四半期連結財務諸表のレビューは前任の桜橋監査法人からあおい監査法人へ引き継がれている。加えて利益準備金の額の減少では電子公告の漏れなど会社法上の債権者保護手続の不備が判明しており、会計・法務の両面で内部管理体制の課題が複数確認された。

総合考察

総合スコアを最も押し下げたのはガバナンス・リスクである。完全子会社を含む広告取引とソフトウェア資産計上での不適切な会計処理に加え、利益準備金の額の減少における会社法第449条の手続不備が同一開示内で併存し、監査法人も交代している。単発の誤りではなく内部管理体制の広範な脆弱性を示唆する構図といえる。 業績面は5視点の中で相反する材料となる。営業損益は前年同期の4億8,148万円の損失から2,288万円の利益へ転じたが、これはマーケティングコストの効率化と人件費減という費用側の要因が中心で、売上高は12.7%減と縮小が続く。も前年同期の1億4,872万円から1億5,377万円へ増え、保険代理店事業の収益性低下は解消していない。 財務面ではが5億円超拡大する一方、資本剰余金を含む原資で3億9,470万円の配当を実施しており、還元姿勢と財務健全性の整合が問われる。売上高訂正に伴う債権流動化に係る調整勘定50億6,314万円の固定負債計上も、実質的な返済負担の見極めを難しくしている。 投資家が次に確認すべきは、安定配当の代替として検討中とされる臨時決算の実施可否、一連の提出後に開示される直近期の決算内容、そしての解消策である。

出典: EDINET(金融庁)(改変あり)
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