EDINET有価証券報告書-第122期(2025/04/01-2026/03/31)🌤️+2↑ 上昇確信度78%
2026/06/22 15:36

野村HD、純利益3,621億円で過去最高更新・ROE10.1%

開示要約

野村ホールディングス(8604)は第122期(2025年4月~2026年3月)の事業報告と連結計算書類を開示した。収益合計(金融費用控除後)は前期比14.5%増の2兆1,677億円、税引前利益は同14.4%増の5,398億円、当社株主帰属純利益は同6.3%増の3,621億円と増収増益で、純利益は過去最高を更新した。ROEは10.1%、希薄化後EPSは前期111.03円から118.99円となった。 セグメント別税引前利益は、ウェルス・マネジメント部門が2,040億円(前期比22.8%増)、ホールセール部門が2,006億円(同20.6%増)と牽引する一方、インベストメント・マネジメント部門は883億円(同1.4%減)、新設のバンキング部門は140億円(同14.3%減)。2025年12月にはMacquarieの米欧パブリック・アセットマネジメント事業の取得を完了し、運用資産残高は136.9兆円と過去最高となった。 配当は中間27円と期末24円で年間51円。連結配当性向40%以上、総還元性向50%以上を目処とし、当期は約1,014億円(99,361,149株)を取得し75,000,000株を消却、上限1億株・600億円の取得枠も進める。2030年度目標はROE10~12%+・税引前7,500億円超へ引き上げた。本総会の議案は取締役11名選任。

影響評価スコア

🌤️+2i
業績インパクトスコア +3

収益合計(金融費用控除後)は前期比14.5%増の2兆1,677億円、税前利益は同14.4%増の5,398億円、株主帰属純利益は同6.3%増の3,621億円で過去最高を更新。ROEは10.1%、EPSは118.99円。ウェルス・マネジメント部門税前+22.8%、ホールセール部門+20.6%が牽引役で、収益構造の多様化が利益成長に寄与した点はポジティブと判断できる。

株主還元・ガバナンススコア +3

年間配当は51円(中間27円+期末24円)。連結配当性向40%以上に加え総還元性向50%以上を目処とする方針を維持し、当期は約1,014億円・99,361,149株の自己株式を取得、75,000,000株を消却した。さらに上限1億株・600億円の取得枠を新設しており、利益成長と並行した還元強化姿勢が明確で株主価値に資する内容である。

戦略的価値スコア +3

2030年度目標をROE8~10%+・税前5,000億円超からROE10~12%+・税前7,500億円超へ引き上げた点が中長期の成長期待を高める。2025年12月にMacquarieの米欧パブリック・アセットマネジメント事業取得を完了し運用資産残高136.9兆円と過去最高に到達、プライベート領域とストック型ビジネス拡大の戦略が具体化している。

市場反応スコア +1

過去最高益・目標引き上げ・還元拡充は好材料だが、本開示は株主総会招集通知に伴う事業報告であり、決算数値の多くは4月の決算発表で既に市場へ織り込まれている可能性が高い。新規の自己株買い枠進捗や運用資産残高拡大は需給面で下支え要因となるものの、追加サプライズは限定的で市場反応は穏当にとどまると見込まれる。

ガバナンス・リスクスコア +1

指名委員会等設置会社として社外取締役7名(候補11名中)を擁し独立性基準を満たす体制を維持、EY新日本監査法人は連結計算書類に無限定適正意見を表明した。一方、IM部門・バンキング部門は減益となり、バンキングは勘定系システム更改で費用増。地政学リスクやプライベートクレジット・サイバーリスクへの対応も課題として明示され、注視が必要である。

総合考察

総合スコアを最も押し上げたのは業績・株主還元・戦略的価値の3視点である。純利益3,621億円・ROE10.1%と過去最高益を更新し、ウェルス・マネジメント(税前+22.8%)とホールセール(同+20.6%)が収益を牽引、Macquarie米欧事業取得で運用資産残高は136.9兆円へ拡大した。これに連動し2030年度目標がROE10~12%+・税前7,500億円超へ引き上げられ、年間51円配当・約1,014億円の自己株取得・上限600億円の新規取得枠と還元も強化された点が中長期の評価を高める。 一方で方向感に相反も残る。IM部門は税前883億円(△1.4%)、新設バンキング部門は140億円(△14.3%)と減益で、勘定系システム更改の費用負担が続く。本開示は招集通知に伴う事業報告のため決算の主要数値は4月時点で公表済みであり、市場反応は限定的にとどまりやすい。投資家は次回以降の四半期決算で、引き上げた7,500億円目標への進捗、自己株買い枠(2026年9月30日まで)の消化ペース、買収した米欧運用事業の資金フローと収益寄与、IM・バンキング両部門の収益回復を注視すべきである。地政学リスクやプライベートクレジットへの懸念も下振れ要因として留意したい。

出典: EDINET(金融庁)(改変あり)
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