EDINET訂正有価証券報告書-第26期(2020/10/01-2021/09/30)-2↓ 下落確信度75%
2026/08/14 17:13

不適切会計で第26期有報を再訂正、純利益1.03億円

開示要約

株式会社アドバンスクリエイトは2026年8月14日、第26期(2020年10月1日〜2021年9月30日)の有価証券報告書の訂正報告書を近畿財務局長に提出した。同社および広告代理店事業を行う完全子会社・株式会社保険市場において、過年度の一部の広告取引やソフトウェアの資産計上等で不適切な会計処理が行われていた疑義が発覚したことが理由で、2025年2月28日に提出済みの同期の訂正報告書を、さらに訂正する内容である。 同社は2026年5月8日に弁護士と公認会計士によるを設置し、2026年7月31日に調査報告書を受領した。訂正事項は主要な経営指標等の推移、関係会社の状況、事業等のリスク、経営者による分析、連結財務諸表等、財務諸表等および監査報告書に及ぶ。 訂正後の第26期連結業績は、売上高9,417百万円(前期比5.2%増)、営業利益885百万円(前期は383百万円の営業損失)、経常利益780百万円、親会社株主に帰属する当期純利益103百万円。総資産10,384百万円、純資産2,501百万円で、は24.1%(前期30.1%)となった。 訂正後の連結財務諸表・財務諸表はあおい監査法人の監査を受け、適正に表示しているとの意見が表明された。第25期以前の有価証券報告書に含まれる財務諸表は訂正されていない。今後の焦点は再発防止策の内容と対象範囲の確定である。

影響評価スコア

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業績インパクトスコア -1

訂正後の第26期連結は売上高9,417百万円(前期比5.2%増)、営業利益885百万円(前期は383百万円の損失)、親会社株主に帰属する当期純利益103百万円で黒字を確保している。ただし訂正前後の差額は本開示に示されておらず、不適切な会計処理が過年度損益をどの程度動かしていたかは特定できない。第25期以前は訂正対象外に据え置かれており、公表済み業績数値の連続性には読み替えが必要となる。

株主還元・ガバナンススコア -2

第26期の1株当たり配当額は45円(中間30円、期末15円)で、訂正後も配当実績自体の変更は示されていない。一方、訂正後の連結自己資本比率は24.1%と前期の30.1%から低下し、利益剰余金は948百万円のマイナスが残る。子会社を含む不適切な会計処理の是正という経緯は、株主が前提としてきた財務報告の信頼性に直接関わる論点になる。

戦略的価値スコア -1

事業面では、オンライン面談システム「Dynamic OMO」の外部販売開始や共通プラットフォーム「ACP」の機能拡充など、第26期に掲げた成長施策の記載自体は維持されている。訂正後も保険代理店事業の売上高は7,524百万円(前期比1.7%増)と主力事業の規模に変わりはなく、訂正は会計処理と開示の是正が中心で事業構造を変えるものではない。ただし調査対応と管理体制の立て直しに経営資源が割かれる局面は続く。

市場反応スコア -2

2025年2月28日に一度提出した訂正報告書を、さらに訂正する二段構えの経緯であり、訂正後の財務諸表は当初監査を担った桜橋監査法人ではなくあおい監査法人が監査している。適正意見は得られたものの、2026年5月8日の第三者委員会設置から7月31日の報告書受領に至る経過は、開示の信頼性を巡る市場の警戒を招きやすい材料となる。

ガバナンス・リスクスコア -4

不適切な会計処理は親会社単体にとどまらず、広告代理店事業を担う完全子会社・株式会社保険市場の広告取引やソフトウェアの資産計上にまで及ぶ。監査人は本件を監査上の主要な検討事項に指定し、第三者委員会報告書の適切性評価、デジタルフォレンジック調査の検証、不正リスクの再評価まで手続を広げた。グループ全体の内部統制の実効性が問われる局面である。

総合考察

総合スコアを最も押し下げたのはガバナンス・リスクである。不適切な会計処理が親会社単体ではなく、広告代理店事業を担う完全子会社・株式会社保険市場の広告取引とソフトウェア資産計上にまで及び、監査人がこれを監査上の主要な検討事項に据えてデジタルフォレンジック調査の検証や不正リスクの再評価まで踏み込んだ点は、単発の会計判断の誤りではなく統制の実効性の問題として読むべき材料だ。加えて2025年2月28日提出の訂正報告書を再び訂正する二重訂正であり、一度の是正で収束しなかった経緯が信頼回復の難度を示す。 一方、数値面の下押しは相対的に限られる。訂正後の第26期は営業利益885百万円と前期の383百万円の損失から浮上し、あおい監査法人から適正表示の意見を得ている。24.1%は前期の30.1%から低下したものの、現金及び現金同等物は3,206百万円を確保する。5視点では業績と戦略の下押しが小幅にとどまる一方、ガバナンスが突出して重く、方向感は相反する。 投資家が注視すべきは、第25期以前を訂正対象外に据え置いた範囲設定が今後も維持されるか、再発防止策がいつ具体的に示されるか、そして直近期の業績と配当方針に本件の影響がどう反映されるかである。

出典: EDINET(金融庁)(改変あり)
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