EDINET有価証券報告書-第26期(2025/04/01-2026/03/31)-1→ 中立確信度60%
2026/06/22 15:31

ペルセウス、純損失7.18億円に縮小も希薄化懸念残る

開示要約

抗体医薬の創薬ベンチャーであるペルセウスプロテオミクスの第26期(2026年3月期)有価証券報告書。売上高は135,507千円(前期比12.6%増)で、抗体研究支援が40,270千円(同65.4%増)、抗体・試薬販売が95,237千円(同0.8%減)だった。研究開発費573,593千円を含む販管費が先行し、営業損失は744,955千円(前期は826,430千円)となった。 助成金収入53,311千円を含む営業外収益72,432千円により経常損失は678,921千円まで縮小し、固定資産の37,260千円を特別損失に計上した結果、当期純損失は718,108千円(前期は904,800千円)と2期連続で縮小した。1株当たり当期純損失は48.17円。総資産は1,623,541千円、純資産は1,217,770千円、は70.06%、現預金は1,515,346千円となった。 資金面では当期にの一部行使で500,500千円を調達し、2026年1月にマッコーリー・バンクを割当先とする第29回(下限行使価額139円、潜在株式数3,680,000株)を発行した。PPMX-T003はANKL対象の医師主導治験で登録5例(治験期間2027年3月末まで)、PPMX-T004は2026年9月までに薬効と毒性を見極める計画。今後の焦点は導出契約の獲得と資金調達の進捗。

影響評価スコア

-1i
業績インパクトスコア 0

売上高135,507千円(前期比12.6%増)と増収を続けるが規模は小さく、営業損失744,955千円・当期純損失718,108千円と赤字が続く創薬先行型のビジネスモデル。純損失は2期連続で縮小したものの、これは助成金収入53,311千円など営業外収益72,432千円の寄与が大きく、本業の損益改善は限定的と読める。減損損失37,260千円も計上され、収益構造の本格的な改善には導出契約による収益化が前提となる。

株主還元・ガバナンススコア -2

無配が続くなか、2026年1月にマッコーリー・バンクを割当先とする第29回新株予約権を発行。潜在株式数3,680,000株は発行済株式16,999,600株の約2割に相当し、下限行使価額139円での権利行使が進めば既存株主の持分希薄化が生じる。当期も新株予約権の一部行使で500,500千円を調達しており、研究開発資金を資本市場からの増資に依存する構造が株主価値の希薄化要因として意識される。

戦略的価値スコア +1

TfR1標的のPPMX-T003は超希少疾患ANKLの医師主導治験で登録5例まで進み、治験期間は2027年3月末まで。CDH3標的ADCのPPMX-T004は2026年9月までに薬効と毒性のバランスを見極める段階にある。あすか製薬、Eurus Therapeutics、UBEとの提携やAI創薬の活用も進展しており、複数パイプラインと外部連携が中長期の企業価値ドライバーとなる。価値実現は導出の成否に依存する。

市場反応スコア -1

純損失縮小は好材料だが、改善が営業外収益主導である点と、マッコーリー・バンクへの新株予約権による希薄化懸念が相殺要因となる。下限行使価額139円という条件は株価水準次第で需給悪化につながり得る。有価証券報告書は定時開示で新規材料に乏しく、株価は導出契約や治験の進捗といった個別イベントに反応しやすい局面が続くとみられる。

ガバナンス・リスクスコア -1

研究開発費が先行する赤字継続企業であり、現預金1,515,346千円に対し営業キャッシュ・フローは653,334千円の流出。資金繰りは増資頼みで、純資産は1,217,770千円へ減少、自己資本比率も70.06%へ低下した。固定資産の減損37,260千円も計上された。単一セグメントで導出収益が実現するまでは継続的な資金調達が不可欠で、調達環境次第では事業計画に影響が及ぶリスクがある。

総合考察

総合スコアを最も押し下げたのは株主還元・ガバナンス視点で、マッコーリー・バンク向け第29回(潜在株式3,680,000株、発行済株式の約2割)と下限行使価額139円という条件が希薄化懸念として重い。一方で当期純損失は718,108千円と前期の904,800千円から2期連続で縮小し業績は方向として改善しているが、その主因は助成金収入53,311千円を含む営業外収益72,432千円であり、営業損失744,955千円が示すとおり本業の赤字幅は依然大きい。戦略面ではPPMX-T003(ANKL医師主導治験、2027年3月末まで)やPPMX-T004(2026年9月までに薬効毒性を評価)が進展し外部提携も増えており、ここがプラス材料として損失縮小と方向感が一致する。投資家が注視すべきは、現預金1,515,346千円に対し年間約6.5億円の営業キャッシュ流出が続くなかでの導出契約の成否と、2027年3月期に向けた治験進捗・追加資金調達の動向である。導出が実現しない限り増資による希薄化が繰り返される構造的リスクが残る。

出典: EDINET(金融庁)(改変あり)
当サイトでは、EDINETの情報をAI技術により要約・分析して提供しています。
本評価は投資助言ではなく、参考情報として提供されるものです。 AI評価は誤り得るものであり、投資判断の責任は利用者にあります。詳細はこちら