EDINET有価証券報告書-第80期(2025/04/01-2026/03/31)🌤️+2↑ 上昇確信度80%
2026/06/25 15:00

大末建設、第80期営業利益78%増 年配当183円に

開示要約

大末建設は第80期(2025年4月〜2026年3月)の連結業績を明らかにした。受注高は154,357百万円で前連結会計年度比34.5%増、売上高は105,554百万円で同18.6%増。営業利益は6,579百万円(同78.0%増)、経常利益は6,609百万円(同78.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は3,800百万円(同84.4%増)。1株当たり当期純利益は365円60銭となった。 特別損失には、連結子会社である株式会社神島組の技術関連資産などに係る1,412百万円を、単体では関係会社株式評価損2,819百万円を計上した。次連結会計年度への繰越工事高は179,939百万円と同38.1%増に積み上がった。 株主還元方針は総還元性向50%以上かつDOE4.0%以上で、当期配当は1株当たり年183円(中間87円、期末96円)、次期は年186円(中間93円、期末93円)を予定する。中長期経営計画で2030年度に想定した主要指標を2025年度に前倒し達成し、2025年度末にPBR1.5倍となったことを受け、ROE目標を10.0%以上から12.0%以上へ引き上げた。 次期連結業績は売上高98,400百万円(当連結会計年度比6.8%減)、親会社株主に帰属する当期純利益3,860百万円(同1.6%増)を見込む。今後の焦点は、減収見通しの下で工事採算をどこまで維持できるかである。

影響評価スコア

🌤️+2i
業績インパクトスコア +3

売上高105,554百万円(前連結会計年度比18.6%増)に対し営業利益は6,579百万円(同78.0%増)と、増益率が増収率を大きく上回った。完成工事総利益は11,742百万円を確保し、受注高154,357百万円(同34.5%増)と繰越工事高179,939百万円(同38.1%増)が翌期以降の売上原資として積み上がる。ただし次期予想は売上高98,400百万円(6.8%減)、純利益3,860百万円(1.6%増)にとどまり、増益ペースの鈍化を会社自身が織り込んでいる。

株主還元・ガバナンススコア +4

当期配当は1株当たり年183円(中間87円、期末96円)、次期は年186円を予定し増配が続く。方針は総還元性向50%以上かつDOE4.0%以上で、当期は744百万円の自己株式取得も実施した。資本効率目標はROE10.0%以上から12.0%以上へ引き上げられ、2025年度末にPBR1.5倍を達成している。還元水準と資本効率目標が同時に切り上がった点は株主にとって明確な前進といえる。

戦略的価値スコア +2

中長期経営計画「Road to 100th anniversary〜飛躍への挑戦〜」(2024年度〜2030年度)で2030年度に想定した主要指標を2025年度に前倒し達成し、計画を見直して新目標を設定した。一般建築事業の強化、事業拡大に向けたM&A、人材基盤の強化、DXの活用を柱に据える。一方、買収済みの連結子会社神島組では事業計画見直しにより1,412百万円の減損を計上しており、M&Aの収益化は積み残しの課題である。

市場反応スコア +1

2030年度にPBR1.0倍超としていた当初目標に対し、2025年度末でPBR1.5倍を達成したと開示された。受注高154,357百万円・繰越工事高179,939百万円の積み上がりは中期の業績可視性を高める材料になる。もっとも本書類は6月26日開催の定時株主総会に向けた確定決算の追認であり、次期売上高98,400百万円という6.8%の減収見通しが併記されている以上、短期の株価材料としての新規性は限られる。

ガバナンス・リスクスコア +1

定時株主総会には取締役を1名増員して8名とする選任議案と、監査等委員である取締役3名(うち新任2名はいずれも独立社外)の選任議案が付議される。社外取締役5名はいずれも当事業年度の取締役会18回すべてに出席した。他方、神島組に係る連結の減損損失1,412百万円と単体の関係会社株式評価損2,819百万円は、買収後のモニタリング精度に課題を残す事象である。

総合考察

総合スコアを最も押し上げたのは株主還元・ガバナンスである。総還元性向50%以上かつDOE4.0%以上の方針下で当期183円・次期186円の配当と744百万円の自己株式取得を組み合わせ、ROE目標を10.0%以上から12.0%以上へ引き上げた。EDINET DBの第80期実績はROE15.8%・DOE7.6%で、引き上げ後の目標を実績が既に上回る構図であり、目標改定は追認的な性格が強い。業績面も営業利益率6.2%と直近6期で最高であり、方向感は還元と一致する。 視点間の相反は市場反応に表れる。会社自身が次期を売上高98,400百万円の減収・純利益3,860百万円の実質横ばいに置いており、繰越工事高179,939百万円という手持ちの厚みと減収見通しの組み合わせは、採算重視の選別受注とも読めるが成長の連続性は確認を要する。神島組の減損1,412百万円と単体の株式評価損2,819百万円も、M&Aを成長の柱に据える戦略の実行力を問う材料だ。 注視点は三つある。第一に第2四半期以降の四半期開示で完成工事総利益率が今期水準を維持できるか、第二に予定される1株93円の中間配当が方針どおり決議されるか、第三に見直し後の中長期経営計画で示される新たな数値目標がROE12%以上の達成経路を伴うかである。

出典: EDINET(金融庁)(改変あり)
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