EDINET有価証券報告書-第137期(2025/03/01-2026/02/28)🌤️+2↑ 上昇確信度78%
2026/05/25 16:00

東宝、純利益517億円で過去最高、年配当110円・1対5分割

開示要約

東宝の第137期(2025年3月〜2026年2月)は、営業収入3,606億63百万円(前期比+15.2%)、営業利益678億89百万円(同+5.0%)、親会社株主に帰属する当期純利益517億68百万円(同+19.4%)となり、営業利益で3期連続の最高益更新、純利益では過去最高を記録した。 映画事業は『劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来』が興収400億円超、『国宝』が邦画実写の興収記録を更新し、営業収入1,826億17百万円(同+30.6%)、営業利益373億02百万円(同+30.3%)と大幅増収増益。一方、IP・アニメ事業は営業収入752億65百万円(同+8.5%)に対し営業利益は172億96百万円(同-22.2%)と先行投資の影響が表面化した。不動産事業は営業収入791億79百万円(同-0.6%)ながら営業利益190億30百万円(同+13.1%)と堅調を維持。 株主還元は年間配当110円(前期85円)、2026年3月1日付で1株を5株に分割。子会社スバル興業は独占禁止法違反で課徴金納付命令を受け、特別損失に独占禁止法関連損失13億17百万円を計上した。今後の焦点はワーナー・ブラザース作品の国内配給開始と新会員プログラム「TOHO-ONE」の立ち上がりとなる。

影響評価スコア

🌤️+2i
業績インパクトスコア +4

営業収入3,606億63百万円(前期比+15.2%)、営業利益678億89百万円(同+5.0%)で3期連続の最高益更新、親会社株主に帰属する当期純利益517億68百万円(同+19.4%)は過去最高。映画事業の営業利益は373億02百万円(同+30.3%)と全社収益を牽引する一方、IP・アニメ事業の営業利益は172億96百万円(同-22.2%)と先行投資費用が顕在化しており、セグメント別のばらつきには注視が必要となる。

株主還元・ガバナンススコア +3

期末配当は1株67.5円、年間配当は110円(前期85円)へ大幅増額。中期経営計画2028で年間85円を下限・配当性向35%以上・機動的な自社株取得を方針とし、当期も自己株式取得149億46百万円、消却10,490,633株を実施した。2026年3月1日付で1株を5株に分割し投資単位の引下げで個人投資家層拡大を狙う。業績連動型株式報酬の業績指標である連結ROEは10.4%と高水準であった。

戦略的価値スコア +3

中期経営計画2028の初年度として「企画&IP」「アニメーション」「デジタル」「海外」を成長軸に据え、2025年9月にワーナー・ブラザース作品の国内配給で合意し2026年から東和ピクチャーズが配給を開始。欧州統括会社TOHO EUROPE Ltd.を設立し英国Anime Ltd.を子会社化、2026年3月には会員サービスを統合した新プログラム「TOHO-ONE」を始動。創業100周年の2032年に向け会員1,000万人体制を目指す。

市場反応スコア +3

2025年の国内年間興行収入は2,744億52百万円(前年比+32.6%)と歴代最高を更新し、当社配給の『劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来』が興収400億円超、『国宝』が邦画実写歴代記録を更新。期末株主数は48,012名(前期末比+15,249名)に大幅増加し、株式分割と相まって個人投資家の関心拡大が見込まれる。コンテンツヒットと株主基盤拡大の双方が株価サポート要因となる。

ガバナンス・リスクスコア -1

連結子会社のスバル興業株式会社が首都高速道路発注の道路清掃業務入札に関して独占禁止法違反の疑いで2025年9月に公正取引委員会の立入検査を受け、2026年4月に排除措置命令と課徴金納付命令が出された。特別損失に独占禁止法関連損失13億17百万円を計上済みで、親会社として再発防止策のモニタリング強化を表明している。FIFTH SEASON持分(投資価値29,532百万円)の評価も先行き不透明要因。

総合考察

総合スコアを最も押し上げたのは業績インパクト(+4)と複合的な株主還元(+3)で、純利益517億68百万円という過去最高水準と年間配当110円への増配・1対5が同時に示された点が中核である。一方、IP・アニメ事業の営業利益が前期比-22.2%と先行投資負担で減益となり、ガバナンス面ではスバル興業の独占禁止法違反による課徴金納付命令という相反要因が総合スコアを2に押し下げている。 中期経営計画2028の数値目標(配当性向35%以上・年85円下限)を初年度から大きく上回るペースで配当方針が前進し、ワーナー・ブラザース提携やAnime Ltd.子会社化など海外IP展開の布石も整いつつある。投資家が次に注視すべきは、第138期(2027年2月期)におけるIP・アニメ事業の収益化進捗、TOHO-ONE会員基盤の立ち上がり、ワーナー作品配給による洋画売上の拡大度合いの三点である。リスク面では子会社の法令遵守体制の実効性と、独占禁止法関連損失の追加計上の有無に留意したい。

出典: EDINET(金融庁)(改変あり)
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