開示要約
株式会社WIZE(旧会社名 株式会社モブキャストホールディングス)が第23期中間連結会計期間(2026年1月1日〜6月30日)の半期報告書を提出した。売上高は1,381,056千円で前年同期の1,437,348千円から減少し、営業損失は141,634千円と前年同期の164,748千円から縮小した。 営業外費用に暗号資産評価損148,697千円、新株予約権発行費9,080千円を計上したことで、経常損失は301,521千円(前年同期は167,684千円)、親会社株主に帰属する中間純損失は314,722千円(同185,559千円)となった。1株当たり中間純損失は3円66銭。 セグメント別では、ライフスタイルIP事業が売上高1,365,671千円・営業利益38,173千円(前年同期は営業利益57,515千円)、IP投資育成事業が売上高8,744千円・営業損失45,781千円、デジタルIP事業が売上高6,640千円・営業損失2,065千円となり、競馬ゲーミングSNS「オシウマ・ダービー・ブラッド」は当中間期にサービスを終了した。 中間期末までに暗号資産ソラナ50,812SOL(取得価額800,026千円)を取得し、ステーキング報酬658SOL(9,031千円)を獲得した。2015年12月期から11期連続の営業損失を背景に、が引き続き認められている。
影響評価スコア
☔-2i売上高は1,381,056千円と前年同期の1,437,348千円から減少した一方、販管費が979,716千円へ圧縮され営業損失は164,748千円から141,634千円へ縮小した。しかし営業外費用に暗号資産評価損148,697千円を計上したことで経常損失は301,521千円へ拡大し、親会社株主に帰属する中間純損失も314,722千円と前年同期の185,559千円から膨らんだ。本業の赤字幅は縮んだが、暗号資産の時価変動が最終損益を左右する構造が鮮明になっている。
配当に関する記載はなく、株主還元よりも希薄化の影響が前面に出ている。第39回新株予約権は目的株式60,000,000株で発行済株式総数の64.45%に相当し、中間期中に8,463,000株が平均行使価額24.0円で交付され203,112千円を調達した。発行済株式数は6月30日の93,101,408株から8月14日には101,563,408株へ増えた。加えて2026年3月24日の定時株主総会決議で資本金を844,641千円減少させ、1,315,570千円の欠損填補を実施している。
暗号資産ソラナを軸とする「ソラナ・トレジャリー事業」を始動し、中間期末までに50,812SOLを取得、2026年7月14日時点では66,458SOLへ積み増した。SBI VCトレードとの提携、CSOへの南雲悠太郎氏の招聘、Solana財団のSFDP採択によるバリデータ事業も進める。一方で主力のライフスタイルIP事業は減収となり、デジタルIP事業では「オシウマ・ダービー・ブラッド」を終了した。成長投資の軸足が既存IPから暗号資産へ移る過渡期にある。
第39回新株予約権の行使価額は5取引日ごとに修正され下限が17円に設定されているため、株価下落時ほど交付株式数が増える設計となっている。中間期の平均行使価額24.0円は当初行使価額33円を下回った。保有ソラナの時価変動が評価損益として業績に直結する点に加え、グロース市場の上場維持基準(時価総額)への適合に向けた改善期間中である点も、需給と株価形成に影響しうる。
2015年12月期から11期連続で営業損失・経常損失・親会社株主に帰属する当期純損失を計上し、当中間期も同様の損失を計上したことから、継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められている。監査法人アリアの期中レビュー報告書でも同事項が強調されている。また代表取締役CEOの藪考樹氏が、上限4,070,800株の株券貸借契約をEVO FUNDと締結している点も需給面の留意事項として残る。
総合考察
総合スコアを最も押し下げたのは株主還元・ガバナンスとガバナンス・リスクの2軸である。第39回新株予約権は発行済株式総数の64.45%に当たる潜在株式を抱え、行使価額が5取引日ごとに下方修正される設計のため、株価が下がるほど交付株式数が膨らむ。11期連続の営業損失とが併存する状況では、資金調達の持続性そのものが投資判断の前提となる。 一方で業績面は一様に悪いわけではない。営業損失は23,114千円縮小し、デジタルIP事業の営業損失も36,753千円から2,065千円へ改善した。最終損益を押し下げたのは営業外の暗号資産評価損148,697千円であり、保有ソラナの時価変動に起因する。EDINET DBの通期実績でも売上高は2020年度の66.6億円から2025年度28.1億円へ縮小が続いており、本業の収益源再構築は課題として残る。 注視点は、2026年12月期通期でのソラナ評価損益の振れ、第39回新株予約権の行使進捗と見込み調達額1,966百万円の達成度、そしてグロース市場の時価総額基準への適合状況である。