開示要約
住石ホールディングスが第18期(2025年4月1日-2026年3月31日)の事業報告を開示した。連結売上高は106億58百万円で前期比3.8%増、営業利益は3億29百万円と前期比2億81百万円増(582.1%増)となった。一方、は27億94百万円で前期比40.7%減、親会社株主に帰属する当期純利益は26億38百万円で同37.1%減となり、減益の主因は豪州ワンボ社からのの減少である。\n\nセグメント別では、石炭事業が売上高99億54百万円(前期比4.1%増)、営業利益6億34百万円(同53.5%増)。ダイヤ事業(従前の新素材事業)は売上高2億67百万円(同3.7%減)、営業利益48百万円(同31.7%減)。採石事業は売上高4億36百万円(同1.7%増)、営業利益1億17百万円(同12.6%増)だった。ROEは9.2%で、期初の営業利益計画1億円と計画20億円をいずれも上回った。\n\n配当は2026年5月15日の取締役会決議で期末1株20円(45.3%、総額11億96百万円)とし、2026年度は1株15円(同56.1%)を予想する。では2027年度の営業利益目標5億円を据え置く一方、ワンボ社の坑内掘り生産終了を踏まえ目標を24億円から20億円に見直した。今後の焦点は、ダイヤ事業の増産体制構築とトラストウェルの連結子会社化である。
影響評価スコア
☔-1i連結売上高は106億58百万円と前期比3.8%増、営業利益は3億29百万円と前期比2億81百万円増で期初計画1億円を上回った。一方、経常利益は27億94百万円と40.7%減、当期純利益は26億38百万円と37.1%減で、豪州ワンボ社からの受取配当金の減少が本業の改善分を打ち消した。2027年3月期は営業利益3億円・経常利益18億円が計画されており、利益水準の一段の低下が織り込まれている。
2026年3月期の期末配当は1株20円(総額11億96百万円)で、前期の30円から減額となった。2026年度の配当予想は15円で、配当性向は45.3%から56.1%へ上昇する見通しである。配当性向40%以上を目安とする方針と機動的な自己株式取得の方針は維持されているが、原資となる受取配当金の減少が続くなか、1株当たり配当額は2期連続で縮小する形となる。
多結晶ダイヤの国内工場リニューアルと増産体制の構築を進め、期初に資本業務提携した株式会社トラストウェルを持分法適用関連会社とし、2026年度以降の連結子会社化を掲げる。採石事業は下北半島エリアで受注エリアを拡大し、新規事業では複数のアニメ・実写映画の製作委員会に参画した。3カ年30億円の成長投資枠に対し2025年度の投資決定額は6億円で、石炭依存を薄める取り組みは初期段階にある。
本開示は2026年5月15日の取締役会で決議済みの期末配当と通期実績を株主総会招集に合わせて再提示する内容で、新規性の高い数値は限定的である。ただし中期経営計画最終年度の経常利益目標を24億円から20億円へ引き下げた点と、2026年度の配当予想15円は、利益と配当の絶対額を重視する投資家の見方に影響しうる。株主数は33,070名である。
RSM清和監査法人は連結計算書類と計算書類に無限定適正意見を表明し、監査等委員会も事業報告および内部統制システムに指摘すべき事項はないとした。北海道地区のじん肺訴訟は和解金11百万円(特別損失)の支払いで終結している。取締役会は10回、監査等委員会は12回開催され社外役員は全回出席した一方、親会社の株式会社麻生が議決権の57.01%を保有する構造が続く。
総合考察
総合評価を最も押し下げたのは株主還元である。期末配当は前期の30円から20円へ、2026年度予想は15円へと縮小し、40%以上の方針を守りながらも還元原資そのものが細っている。背景には豪州ワンボ社の坑内掘り生産終了があり、の2027年度目標が24億円から20億円へ引き下げられたことは、この配当減が一時要因ではなく構造的な収益源の縮小に起因することを示唆する。\n\n一方で本業と戦略面は逆向きの評価となる。営業利益3億29百万円は期初計画1億円を3倍超上回り、石炭事業の貯炭スペース活用による追加受注と採石事業の高価格帯シフトが効いた。ROE9.2%は目標の8%を超え、純資産291億50百万円・自己資本比率90.6%と財務余力は厚い。3カ年30億円の成長投資枠、トラストウェルの連結子会社化、映像コンテンツ事業への参画は、受取配当依存からの転換に向けた布石と読める。\n\n注視点は、2027年3月期の営業利益計画3億円の達成度と、ワンボ社配当が細った後のがどの水準で底を打つかである。ダイヤ事業の増産投資が2027年3月期中に売上として顕在化するか、次回の通期決算で確認したい。