EDINET有価証券報告書-第93期(2025/04/01-2026/03/31)🌤️+1↑ 上昇確信度70%
2026/06/25 11:21

森組、減収も営業利益23.5%増 受注高は15.5%増

開示要約

株式会社森組が第93期(2025年4月1日から2026年3月31日まで)の事業報告および計算書類を開示した。売上高は28,040百万円で前年同期比4.8%減、一方で営業利益は1,335百万円(同23.5%増)、経常利益は1,314百万円(同25.6%増)、当期純利益は926百万円(同0.6%増)となった。 工事受注高は29,488百万円と前年同期比15.5%増加した。工種別は土木46.8%・建築53.2%、発注者別は官公庁56.7%・民間43.3%で、次期繰越高は44,105百万円と前期繰越高42,324百万円から増加した。会社は残存履行義務44,105百万円のうち46.6%が1年以内に収益認識される見込みとしている。 2025年10月1日付で生瀬砕石所の砕石・砕砂等の製造・販売事業を南海砂利株式会社へ譲渡し、事業譲渡益42百万円を特別利益に計上した。期末配当は1株14円(総額458,495,772円、効力発生日2026年6月29日)、1株当たり純資産は472円39銭。2026年4月1日付で代表取締役社長は吉田裕司氏から内山浩二氏に交代した。今後の焦点は資材価格の上昇と担い手不足への対応となる。

影響評価スコア

🌤️+1i
業績インパクトスコア +2

売上高は28,040百万円と前年同期比4.8%減ながら、営業利益は1,335百万円(23.5%増)、経常利益は1,314百万円(25.6%増)と採算が改善した。選別受注の徹底と原価管理の強化が寄与し、完成工事総利益は2,997百万円を確保している。受注高は29,488百万円と15.5%増え、次期繰越高44,105百万円が翌期以降の売上を下支えする。当期純利益は926百万円で0.6%増にとどまった。

株主還元・ガバナンススコア +1

期末配当は1株14円、総額458,495,772円で前期と同水準を維持し、効力発生日は2026年6月29日。配当性向35%以上を基準とする方針に対し、1株当たり当期純利益28円29銭に照らした実績は49.5%となる。純資産は15,470百万円、1株当たり純資産は472円39銭まで積み上がった一方、自己株式の取得はなく、還元は配当中心にとどまる。

戦略的価値スコア +2

2025年10月1日付で生瀬砕石所の砕石・砕砂等の製造・販売事業を南海砂利へ譲渡し、譲渡益42百万円を計上した。譲渡事業は当期売上263百万円に対し営業損失103百万円で、収益性の低い事業を外し建設本業への集中が進む。建築では非住宅分野(工場・倉庫・店舗・事務所)と官公庁・大型案件の取り込み、土木では事業エリア集約とICT活用による生産性向上を課題に掲げる。

市場反応スコア 0

開示の中心は第93期の事業報告・計算書類で、2026年6月26日開催の定時株主総会に付議済みの内容にとどまる。減収増益と受注高15.5%増という数字は示されたが、翌期の業績予想や新たな資本政策の記載はない。株価材料としては、次期繰越高44,105百万円の消化ペースと利益率改善の持続性が確認される次回決算まで手掛かりが限られる。

ガバナンス・リスクスコア 0

筆頭株主は旭化成ホームズで持株比率30.26%、同社取締役が社外監査役を兼務し、当期の同社向け工事売上高は1,874百万円に上る。社外取締役2名は取締役会13回全てに出席し、監査役会は内部統制システムに指摘すべき事項はないとした。会計監査人あずさ監査法人は計算書類等が適正に表示していると認める意見を表明している。事業リスクは資材価格上昇と担い手不足。

総合考察

総合評価を最も押し上げたのは業績インパクトと戦略的価値である。売上が4.8%減る中で営業利益が23.5%伸びた事実は、選別受注と原価管理の強化が実際の採算改善に結び付いたことを示し、営業利益率は前期3.7%から4.8%へ切り上がった。営業キャッシュフローも前期の△4,229百万円から2,636百万円へ転じ、運転資本の重さが解消している。赤字だった砕石事業の切り離しも、規模より採算を優先する姿勢の裏付けとなる。 他方で市場反応とガバナンス・リスクは中立に置いた。内容は6月の株主総会に付議済みで新規性が薄く、翌期予想も示されない。旭化成ホームズが30.26%を握る資本構成は受注の安定に効く半面、資本効率への外圧は働きにくく、ROE6.1%・PBR0.68倍は配当14円据え置きのままでは切り上がりにくい。 注視点は、次回決算で繰越高のうち1年以内に認識予定の46.6%が想定した利益率で消化されるか、資材価格上昇を工事採算に転嫁できるか、そして新社長体制下で還元方針が配当性向35%基準から踏み込むかである。

出典: EDINET(金融庁)(改変あり)
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