開示要約
SBIグローバルアセットマネジメントが第29期(2025年4月~2026年3月)の事業報告を株主総会招集通知として開示しました。連結売上高は前期の115億円から278億円へと前期比2.41倍に拡大し、14期連続の増収となりました。営業利益は51億円(前期比2.27倍)、経常利益は55億円(同2.18倍)で17期連続の増益かつ15期連続の過去最高益、親会社株主に帰属する当期純利益は30億円(前期比86.7%増、1株当たり28.30円)です。 大幅増収の主因は、当期に実施した組織再編にあります。2025年9月にSBI岡三アセットマネジメントを51%取得して子会社化し7か月分、2025年12月にSBIレオスひふみを吸収合併してレオス・キャピタルワークス等の4か月分を連結したことが寄与しました。グループの資産運用残高は12.1兆円(前期比81.2%増)に達し、足元では13兆円を突破しています。 株主還元では年間配当を前期の22円から22円75銭(中間9円・期末13円75銭)へ引き上げ、17期連続増配となりました。一方で議案は取締役5名(うち独立社外3名)の選任と補欠監査役1名の選任です。会社は早期に運用残高20兆円規模への到達と、オルタナティブ・デジタル領域の拡充を今後の焦点として掲げています。
影響評価スコア
🌤️+2i連結売上高は115億円から278億円へ前期比2.41倍、営業利益は51億円(同2.27倍)、経常利益は55億円(同2.18倍)、純利益は30億円(同86.7%増)と全項目で大幅増益を達成した。ただし拡大の主因はSBI岡三AM7か月分とレオス・キャピタルワークス等4か月分の連結というM&A効果であり、運用残高の有機的拡大と合算した形である点には留意が要る。アセットマネジメント事業の利益は21億円から56億円へ伸長した。
年間配当を前期の22円から22円75銭(中間9円・期末13円75銭)へ75銭(約3.4%)引き上げ、17期連続増配を継続した。増配幅は利益の急拡大に比べて小幅だが、長期の増配実績は還元姿勢の安定を示す。1株当たり当期純利益は28.30円で、配当性向には依然余地がある。株主優待も暗号資産XRPの贈呈やレオスの投資信託進呈など拡充している。
SBI岡三AMの子会社化、SBIレオスひふみの吸収合併によるレオス・キャピタルワークス等の取り込みで、運用残高は12.1兆円(前期比81.2%増)へ拡大し国内有数の資産運用グループへ躍進した。会社はインデックス・アクティブに加えオルタナティブ資産とデジタル領域を新たな成長ドライバーと位置づけ、早期の運用残高20兆円規模到達を目標に掲げており、中長期の成長基盤強化が進展している。
総株主数は10万6,767名と10年で15.3倍に増加しており、個人投資家の支持拡大がうかがえる。もっとも本開示は6月17日の定時株主総会に向けた招集通知であり、決算数値そのものは既に公表済みの内容である。そのため新規の株価インパクトは限定的で、市場の関心は今後の運用残高拡大ペースと収益性の両立に向かう可能性が高い。
取締役5名(うち独立社外3名)と補欠監査役1名の選任を付議し、プライム市場に相応しい体制を維持する方針である。一方、親会社SBIアセットマネジメントグループが43.7%、SBIファイナンシャルサービシーズが12.6%を保有する親子上場構造で、少数株主利益への配慮が継続課題となる。当期は減損損失23,584千円を含む特別損失66,984千円を計上した。
総合考察
総合スコアを最も押し上げたのは業績インパクトと戦略的価値である。売上2.41倍・経常利益2.18倍という伸びは、SBI岡三AM(7か月)とレオス・キャピタルワークス等(4か月)の連結が牽引した点が要であり、運用残高12.1兆円(+81.2%)への急拡大が裏付けとなる。これは純粋な有機成長というより組織再編による規模拡大であり、来期は岡三AM・レオスを通年で連結する反動効果と、各運用商品の資金流入が継続するかが利益の持続性を左右する。EDINET DBで確認できる前期(2025年3月期)実績は売上115億円・経常利益25億円・自己資本比率83.5%・ROE10.6%で、当期の急変化が再編に起因することを補強する。株主還元は17期連続増配を維持したが増配幅は3.4%と小幅で、利益急増に対する還元の追随余地が残る。リスク面では親会社SBIの保有比率が高い親子上場構造と特別損失計上が留意点となる。投資家は、運用残高20兆円目標に向けた進捗、オルタナティブ・デジタル領域の収益化、来期の通年連結後の利益水準を次回決算で注視すべきである。