EDINET有価証券報告書-第75期(2025/04/01-2026/03/31)🌤️+1↑ 上昇確信度80%
2026/06/24 15:31

大成温調、純利益42.7%増の35億円 年間配当179円に

開示要約

大成温調は第75期(2025年4月1日~2026年3月31日)の連結業績を開示した。売上高は前期比1.3%減の617億19百万円となる一方、営業利益は27.8%増の39億80百万円、経常利益は32.0%増の45億97百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は42.7%増の35億49百万円となった。受注高は14.0%増の725億20百万円、1株当たり当期純利益は573円67銭である。 セグメント別では、日本が売上高475億26百万円・セグメント利益34億56百万円、米国が売上高123億50百万円・セグメント利益7億49百万円となった一方、中国は売上高17億93百万円で2億46百万円のセグメント損失を計上した。米国の受注高は175億88百万円と前期の83億17百万円から増えた。 株主還元は、DOE(連結純資産配当率)3.8%を目処とする方針のもと、期末配当を1株92円とし、中間配当87円と合わせた年間配当は179円となった。総資産は518億92百万円、純資産は307億31百万円、1株当たり純資産は4,943円44銭。中期経営計画「LIVZON DREAM 2030 1st half!」が最終年度を終え、新計画「2nd half!」では高度エンジニアリング領域の拡大、ストック収益の最大化、生産性の向上を成長戦略に掲げる。今後の焦点は新中期経営計画の初年度における受注と採算の動向となる。

影響評価スコア

🌤️+1i
業績インパクトスコア +3

売上高は617億19百万円と前期比1.3%減となる一方、売上総利益は109億06百万円へ拡大し、営業利益39億80百万円(27.8%増)、経常利益45億97百万円(32.0%増)、当期純利益35億49百万円(42.7%増)と各段階で増益となった。ROEは前期の9.3%から12.2%へ切り上がり、営業キャッシュフローも97億16百万円と前期の5億60百万円から大きく拡大している。受注高が725億20百万円と14.0%増えた点も、翌期以降の売上基盤として効いてくる。

株主還元・ガバナンススコア +2

期末配当は1株92円、中間配当87円と合わせた年間配当は179円で、前期の132円から47円積み増された。DOE(連結純資産配当率)3.8%を目処とする方針は維持され、配当総額は5億77百万円、配当性向は31.2%と余力を残す水準にとどまる。当期は自己株式を43,100株(1億79百万円)取得した半面、取締役会決議に基づき174,498株を売却しており、期末の自己株式数は期首の831,701株から665,823株へ減少した。

戦略的価値スコア +2

中期経営計画「LIVZON DREAM 2030 1st half!」の最終年度として基盤事業の深耕、成長への投資、経営基盤の整備を進め、新計画「LIVZON DREAM 2030 2nd half!」では高度エンジニアリング領域の拡大、ストック収益の最大化、生産性の向上を成長戦略に据える。米国の受注高は175億88百万円と前期の83億17百万円から倍増し、海外の収益源が厚みを増した。一方で中国は受注高が9億29百万円へ縮小し、2億46百万円のセグメント損失を計上している。

市場反応スコア 0

有価証券報告書は3月期決算の内容を追認する性格が強く、増益と増配という事実そのものに新味は乏しい。むしろ注目されるのは招集通知の訂正で、残存履行義務に配分した取引価格、すなわち受注残が766億00百万円から689億31百万円へ76億68百万円減額された点である。うち1年以内に収益認識が見込まれる分も535億84百万円から495億84百万円へ下がっており、翌期売上の前提は切り下がった。

ガバナンス・リスクスコア 0

会計監査人の太陽有限責任監査法人は連結計算書類と計算書類のいずれにも無限定適正意見を表明し、監査等委員会も取締役の職務執行に不正や法令違反は認められないとした。取締役会・監査等委員会はいずれも当期15回開催され、社外取締役は監査等委員である3名を含む4名体制が続く。他方、招集通知の受注残記載に訂正が生じた点は開示実務上の課題であり、損害補償損失引当金5億13百万円の計上も継続している。

総合考察

総合スコアを最も押し上げたのは業績インパクトである。売上高が617億19百万円と1.3%減るなかで営業利益が27.8%増の39億80百万円まで伸びた事実は、増収ではなく採算改善で利益を作った構図を示す。営業キャッシュフローが97億16百万円と前期の17倍超に膨らみ、現金及び預金が189億78百万円まで積み上がった点も、利益に現金の裏付けが伴っていることを示唆する。 株主還元も年間配当179円へ厚みを増したが、配当性向は31.2%と余力を残しており、DOE3.8%方針の下で純資産の増加が次期以降の配当を押し上げる構造にある。一方、市場反応とガバナンスの2軸は中立に置いた。招集通知の訂正で受注残が689億31百万円へ76億68百万円減額されたことは、増益・増配という材料と方向が相反するためである。 投資家が次に確認すべきは、新中期経営計画の初年度となる2027年3月期の受注高が725億20百万円の水準を維持できるか、受注175億88百万円まで拡大した米国事業の採算が続くか、そして2億46百万円のセグメント損失を出した中国事業の扱いをどう定めるかである。

出典: EDINET(金融庁)(改変あり)
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