開示要約
フィンテックグローバルは、企業の事業承継を投資で支援するプライベートエクイティ(PE)や、トラックを長期で貸し出すリース事業、北欧をテーマにしたテーマパーク「メッツァ」運営を手がける投資銀行系の会社です。 今回の中間決算は、本業のもうけが大きく伸びた強い内容です。売上は前年同期比約2割増、本業のもうけは約4.5割増となりました。一番効いたのは、過去に投資した事業承継先からの投資回収が順調に進んだことと、トラックを長期で貸し出すリースの組成・販売が2倍以上に拡大したことです。 さらに、3月にテーマパーク「ムーミンバレーパーク」を運営するムーミン物語の株式の一部を譲渡し、子会社から外しました。これに伴い、過去の不動産取引を会計上整理した結果、約15.6億円の特別利益が出ました。最終のもうけは1年前の約2.5倍の31.9億円になっています。 戦略面では、1月に運用型信託会社のエイブル信託を買って、信託機能で扱える金融商品の幅を広げています。一方で、再エネや公共サービスを担うパブリックサポートサービスは先行投資で赤字拡大しています。
影響評価スコア
☀️+3i中間期のもうけは大きく伸びました。売上は約2割増、本業の利益は約4.5割増、最終的なもうけは1年前の約2.5倍です。前期1年分のもうけを中間期だけで超えており、通期では業績の大幅上方修正の可能性が高い水準です。
前期末に1株3円・総額約5.8億円の配当を実施しました。今回の業績好調で、株主への還元余力は拡大しています。役員と従業員に向けた新株予約権も準備済みで、株主と社員の利害を揃える仕組みも整っています。
事業の幅を広げる戦略的な動きが続いています。1月に信託会社を買って金融商品の幅を広げ、3月にはテーマパーク事業を整理しました。事業承継支援のPE投資、トラックを長期で貸し出すリース、再生可能エネルギーの開発など、複数の柱で稼ぐ体制を整えています。
市場の反応はポジティブが見込まれます。本業の収益力が明確に上がっていること、財務体質も大きく改善したこと、複数の事業が同時に伸びていることが好感されやすい内容です。ただし特別利益の話は3月の臨時報告書で先に発表されているため、半期報告書だけで株価が大きく動くというよりは、追加情報の確認材料となる見方もあります。
会計処理の見直しが大きく、過去2017年に行ったムーミンパーク不動産の取引を「金融取引」として処理していたものを、子会社外しに合わせて「売却」として整理し直しています。手続き的には問題ありませんが、9年越しの判断変更を伴うため、会計判断の独立性については投資家が注視するポイントとなります。
総合考察
フィンテックグローバルの中間決算は、複数の事業が同時に伸びる強い内容で、株価にも前向きに働きやすい結果と読めます。 まず数字の強さです。半期で本業のもうけが約4.5割増、最終的なもうけは前年同期の約2.5倍に膨らみました。前期1年分の本業利益を中間期だけで上回るペースで、通期では大幅な上方修正の可能性があります。 中身を見ると、投資銀行セグメントの伸びが目立ちます。事業承継支援のPE投資の回収が予定通り進み、トラックの長期リース(オペレーティングリース)では新規組成案件が2倍以上に拡大しました。テーマパーク「メッツァ」も来園者数が約6.8%増えています。 戦略面でも動きが目立ちます。1月にエイブル信託を買って運用型信託会社にしたことで、信託を使った金融商品の幅が広がります。3月にはムーミン物語の株式の一部を譲渡して連結から外し、約15.6億円の特別利益を計上しました。これに伴い、報告セグメントも投資銀行・航空機部門・パブリックサービスなどに分けて、事業の見え方を改善しています。 一方で、注意点としては、9年前の不動産取引を金融取引から売却処理に変更している会計判断、再エネ開発の先行投資で赤字が拡大しているパブリックサポートサービス、航空機部門の利益が67%減と急減した点があります。総合すると、投資銀行という本業の好調が他の弱含み要素を圧倒する強い決算です。