開示要約
株式会社ヤプリは2026年8月14日、第14期中間連結会計期間(2026年1月1日〜6月30日)の半期報告書を提出した。売上高は33.76億円、営業利益は6.50億円、経常利益は6.37億円、親会社株主に帰属する中間純利益は6.36億円となった。売上の内訳は月額利用料が27.05億円、その他が6.71億円である。前期の第13期通期は売上高60.56億円、当期純利益9.21億円だった。 同社はノーコードのアプリ基盤「Yappli」、AI活用のウェブ構築システム「Yappli WebX」、2026年2月リリースのLINEミニアプリ基盤「Yappli MiniApp」を展開する。2025年11月に子会社化した株式会社ヤプリフードコネクトの「Yappli MobileOrder」も加わり、セグメント名称は「アプリ運営プラットフォーム事業」から「デジタルプラットフォーム事業」へ変更された。 総資産は52.29億円、純資産は35.65億円へ増加し、は59.5%から65.7%へ上昇した。営業活動によるキャッシュ・フローは4.08億円の収入である。 2026年8月13日の取締役会は1株7円50銭・総額96,518千円の中間配当を決議した。前中間連結会計期間の中間連結財務諸表は作成されておらず、前年同期比は開示されていない。今後の焦点は下期の売上寄与と通期業績の着地である。
影響評価スコア
🌤️+2i中間期は売上高33.76億円に対し営業利益6.50億円で、営業利益率は19.2%に達した。売上の8割にあたる27.05億円が月額利用料のストック収入であり、売上総利益23.06億円から販管費16.56億円を差し引く構造が定着している。親会社株主に帰属する中間純利益6.36億円は前期通期9.21億円の約7割に相当し、法人税等合計が8,349千円にとどまったことも純利益を押し上げた。
2026年8月13日の取締役会で1株7円50銭・総額96,518千円の中間配当を決議し、支払開始日は2026年9月14日となる。第13期期末配当は1株7円00銭・総額89,430千円であり、中間配当はこれを上回る水準に設定された。加えて2026年4月16日決議の譲渡制限付株式報酬に基づき5月8日に自己株式90,632株を処分し、自己株式比率は発行済株式の0.91%まで低下している。
アプリ基盤「Yappli」に加え、AIを活用した「Yappli WebX」、2026年2月リリースの「Yappli MiniApp」、2025年11月に子会社化したヤプリフードコネクトの「Yappli MobileOrder」を揃え、アプリ・ウェブ・LINEミニアプリを統合する「ワンプラットフォーム」への進化を掲げる。セグメント名称の「デジタルプラットフォーム事業」への変更もこの流れに沿う。研究開発活動には当中間期に196,952千円を投じた。
本書は金融商品取引法第24条の5第1項に基づく法定開示であり、記載内容は制度上の開示義務に沿う。営業利益6.50億円や自己資本比率65.7%は業績の裏付けとなる一方、前中間連結会計期間の中間連結財務諸表を作成していないため前年同期比の成長率が示されず、伸び率を手掛かりとする判断材料は限られる。通期見通しの記載もなく、単独で株価を大きく動かす新規情報は乏しい。
有限責任あずさ監査法人の期中レビューでは、中間連結財務諸表が適正に表示していないと信じさせる事項は認められなかった。事業等のリスクに新規発生や重要な変更はなく、重要な契約等も該当なしとされる。長期借入金は1年内返済予定分を含め116,302千円減少し、自己資本比率は59.5%から65.7%へ改善した。他方、地代家賃等10,337千円を販管費から売上原価へ振り替える表示変更があり、原価率の連続性には留意が要る。
総合考察
総合スコアを最も押し上げたのは業績インパクトである。中間期だけで営業利益6.50億円・純利益6.36億円を確保し、後者は前期通期9.21億円の約7割に達した。売上の8割が月額利用料というストック構造が利益の再現性を支えており、上場ソフトウェア企業として収益基盤が固まりつつある局面といえる。 対照的に市場反応は限定的にとどまる。前中間連結会計期間の中間連結財務諸表がなく前年同期比が示されないため、株価に最も効く成長率が確認できない。通期見通しの記載もなく、本書単独では材料性が弱い点で業績評価と方向が食い違う。 株主還元は中間配当7円50銭の決議で一歩進んだ。第13期期末の7円00銭を上回る水準で、配当とを組み合わせた設計が続く。投資家が今後見るべきは、2026年12月期通期で前期実績60.56億円をどれだけ上回るか、Yappli MiniAppとMobileOrderのLINEミニアプリ領域が下期にどれだけ売上へ寄与するか、そして前払費用が342,833千円増えて650,061千円へ積み上がった資金拘束が営業キャッシュ・フロー4.08億円の伸びを抑え続けないかである。