EDINET有価証券報告書-第106期(2025/04/01-2026/03/31)🌤️+2↑ 上昇確信度70%
2026/06/16 09:27

丸三証券、経常益59億円44%増・ROE10.1%に到達

開示要約

丸三証券の第106期(2025年4月〜2026年3月)は、株式委託手数料と投資信託の信託報酬が伸びて増収増益となった。営業収益は217億25百万円(前期比15.3%増)、経常利益は59億23百万円(同44.0%増)、当期純利益は50億10百万円(同10.8%増)で、1株当たり当期純利益は75円66銭。 部門別では株式受入手数料が72億98百万円(前期比36.3%増)、投資信託の信託報酬が84億25百万円(同10.6%増)と牽引した一方、債券受入手数料は93百万円(同8.8%減)、投資信託の募集手数料は52億38百万円(同1.0%減)と振るわなかった。3月末の株式投資信託残高は1兆2,104億円(同19.6%増、ファンドラップ含む)に拡大。(2024年度開始)の24カ月進捗は投信純増1,462億円(達成率121.9%)、日本株純増523億円(同130.8%)と目標を超過し、ROEは10.1%と目標8%を上回った。 2025年4月1日付で連結子会社の丸三ファイナンスを吸収合併し当期より単独決算へ移行。当期の剰余金の配当は41億4百万円で、中計では特別配当を2028年3月期まで継続し年間配当を30円(2026年3月期)→20円→10円と段階逓減する方針。今後の焦点はファンドラップ等の残高連動報酬への収益構造転換の進捗となる。

影響評価スコア

🌤️+2i
業績インパクトスコア +4

営業収益217億25百万円(前期比15.3%増)、経常利益59億23百万円(同44.0%増)と大幅増益を達成した。株式受入手数料が72億98百万円(同36.3%増)と急伸し、相場上昇局面での委託売買の活況が収益を押し上げた。信託報酬も84億25百万円(同10.6%増)と残高拡大を背景に積み上がり、ストック収益の底上げが鮮明である。経常利益は第103期の8億円台から4期で約7倍に拡大しており、収益力の改善トレンドは明確で業績面のインパクトは大きい。

株主還元・ガバナンススコア +1

当期の剰余金の配当は41億4百万円を計上した。中期経営計画では普通配当に特別配当を上乗せし、年間配当を2026年3月期30円、2027年3月期20円、2028年3月期10円と段階的に減らす方針が明示されている。特別配当の逓減は中期的な還元水準の低下を示唆する一方、当期はROE10.1%と資本効率目標を上回っており、自己資本の積み上がりと還元のバランスが今後の論点となる。

戦略的価値スコア +3

2025年7月に独自のゴールベース資産管理型「丸三ファンドラップサービス」を開始し、売買手数料依存から残高連動報酬ベースへの収益構造転換を進めている。中期経営計画の投信純増は1,462億円(達成率121.9%)、日本株純増は523億円(同130.8%)と目標を上回り、ストック収益基盤の構築が着実に進む。信託報酬による販管費カバー率51.7%を目標55%へ引き上げる戦略の進捗が中長期の安定性を左右する。

市場反応スコア +2

本書類は株主総会招集通知添付の事業報告・計算書類であり、業績数値は決算発表で先行開示済みの可能性が高く、サプライズは限定的とみられる。ただし経常利益44.0%増、ROE10.1%という好実績と、株式投資信託残高1兆2,104億円(前期比19.6%増)への拡大は、相場環境次第で証券セクターへの選好を後押しする材料となり得る。一方で特別配当の段階的逓減方針は還元期待の重しになる可能性がある。

ガバナンス・リスクスコア 0

社外取締役4名・社外監査役2名を独立役員として選任し、指名委員会・取締役報酬委員会・執行役員報酬委員会の任意委員会を設置するなど監督体制を整備している。2026年2月には指名委員会の機能を社長後継者計画等に強化した。一方で2023年更新の買収防衛策(大規模買付行為への対応方針)を継続しており、リスク要因として証券市況産業ゆえの相場変動感応度の高さが残る点が留意される。

総合考察

総合スコアを最も押し上げたのは業績インパクト(+4)で、経常利益59億23百万円(前期比44.0%増)、ROE10.1%という資本コスト(6〜7%)を上回る資本効率が増益基調を裏付ける。経常利益は第103期8億43百万円から第106期59億23百万円へ4期で約7倍に拡大しており、相場上昇に伴う株式受入手数料の急伸(36.3%増)が直近のドライバーだが、信託報酬84億25百万円(10.6%増)というストック収益の積み上がりが収益の質を底上げしている点が重要である。戦略的価値(+3)では、ファンドラップ開始による残高連動報酬への転換と、投信・日本株純増の中計目標超過進捗が中長期の安定性に寄与する。一方で相反要因として、株主還元は特別配当を2028年3月期にかけ年30円→20円→10円と逓減する方針が示されており、足元の好業績と将来の還元縮小が方向感の重しとなる。証券業ゆえ相場変動への感応度が高く、株式手数料の伸びは市況依存の側面が強い。今後の注視点は、2027年3月期に向けたファンドラップ残高の拡大ペースと販管費カバー率55%目標への接近度、および相場調整局面での委託手数料の反落耐性である。

出典: EDINET(金融庁)(改変あり)
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