開示要約
デジタル人材支援を手がけるメンバーズが第31期(2026年3月期)の事業報告を開示しました。当期より連結決算()へ移行し、売上収益は24,424百万円(前期比9.4%増)、営業利益は1,600百万円(前期比224.6%増)、当期利益は1,213百万円(前期比246.9%増)となりました。重要指標とする付加価値売上高も23,507百万円(前期比10.5%増)で、売上・付加価値ともに過去最高を更新しています。 収益性の改善が際立ち、売上総利益率は26.4%(前期比5.5ポイント増)に上昇しました。DX領域への事業転換が進み、DX売上比率は54.2%(前期比8.7ポイント増)へ拡大、全体も83.1%(前期比6.6ポイント増)へ改善したことが背景です。当期は株式会社アジケの全株式を取得し連結子会社化しました。 株主還元では、第31期期末配当を1株33円(配当総額422,995,419円)とする剰余金処分が付議され、前期の32円から増額となります。次期(2027年3月期)は営業利益2,500百万円(前期比56.2%増)を見込みます。一方、離職率は12.1%(前期比1.0ポイント増)へ上昇しました。創業者の剣持忠氏は2026年4月1日付で代表取締役兼会長執行役員を辞任し非常勤取締役となっており、今後の焦点は来期の増益見通しの達成と人材定着の改善です。
影響評価スコア
🌤️+2i営業利益1,600百万円(前期比224.6%増)、当期利益1,213百万円(同246.9%増)と利益が大幅に伸長しました。EDINET DBで遡ると単体営業利益は2024年3月期の約42百万円から2025年3月期493百万円、当期1,600百万円とV字回復が鮮明です。売上総利益率も26.4%へ5.5ポイント改善し、DX領域転換と稼働率改善が利益率を押し上げました。次期も営業利益2,500百万円(同56.2%増)を見込み、増益基調の継続が示されています。
第31期期末配当を1株33円(配当総額422,995,419円)とする剰余金処分が付議され、前期の32円から増配となります。中期的に資本配当率(DOE)5%程度を目標とし、利益成長に見合った配当の継続的増額を基本方針に掲げています。利益回復を背景に還元姿勢は前向きですが、自己株式取得などの追加施策には言及がなく、増配幅は1円にとどまります。
UIUXデザイン会社である株式会社アジケを全株式取得し連結子会社化しました。DX領域の付加価値売上高は前期比32.6%増、専門カンパニーの付加価値売上高も10,959百万円(同54.7%増)と高成長です。2035年を見据えた長期ビジョン「FUTURE VISION」を策定し、2027年3月期にDX人材比率90%・付加価値売上高成長率15%・営業利益率10%を目標に掲げ、高付加価値モデルへの転換戦略が具体化しています。
過去最高の売上・付加価値売上高、営業利益の大幅増、来期のさらなる増益見通しは株価の支援材料となり得ます。一方、本開示は株主総会招集通知であり、決算内容は既に短信等で市場へ伝わっている可能性が高く、新規のサプライズは限定的です。離職率の上昇とNPS低下が示す事業基盤面の懸念が、ポジティブ材料を一部相殺する可能性があります。
創業者の剣持忠氏が2026年4月1日付で代表取締役兼会長執行役員を辞任し非常勤取締役となり、髙野明彦氏が代表取締役兼社長執行役員として経営を統括します。取締役選任議案では両氏が再任候補です。監査等委員5名は全員独立社外取締役で監督体制は厚い一方、離職率12.1%(前期比1.0ポイント増)は人的資本リスクとして継続的な注視が必要です。
総合考察
総合スコアを最も押し上げたのは業績インパクトです。営業利益は前期比224.6%増の1,600百万円、当期利益は246.9%増の1,213百万円と急回復し、売上収益・付加価値売上高はともに過去最高を更新しました。EDINET DBで単体ベースの推移を確認すると、営業利益は2024年3月期の約42百万円という低水準から2025年3月期493百万円、当期1,600百万円へとV字回復しており、改善(83.1%、6.6ポイント増)と高採算なDX領域への転換(DX売上比率54.2%、8.7ポイント増)が利益率を底上げした構図が読み取れます。戦略面でもアジケの子会社化と専門カンパニーの高成長(付加価値売上高54.7%増)が中長期の成長基盤を補強しています。 他方、株主還元は増配ながら幅は1円と小さく、市場反応は招集通知という性質上サプライズに乏しい点が上値を抑えます。注意すべき相反要因は人的資本面で、離職率12.1%への上昇とNPSの4.8ポイント低下は、人材依存度の高い事業モデルにとって先行きの・単価に影響しうるリスクです。投資家が注視すべきは、2027年3月期の営業利益2,500百万円・営業利益率10%・付加価値売上高成長率15%という目標の達成度、DX人材比率90%への進捗、そして離職率改善の実現可否です。