EDINET有価証券報告書-第12期(2025/04/01-2026/03/31)🌤️+2↑ 上昇確信度72%
2026/06/15 16:00

きらぼしFG最終益423億円、170円へ10円増配と優先株全消却

開示要約

東京きらぼしフィナンシャルグループが第12期(2025年4月~2026年3月)のを提出した。連結経常利益は前期比188億円増の604億円、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比109億円増の423億円となった。主力子会社きらぼし銀行(単体)はコア業務純益が463億円(前期399億円)、当期純利益396億円で、貸出金利息の増加や有価証券関係損益の改善が寄与した。貸出金の期末残高は前期末比615億円増の5兆145億円、預金は618億円減の5兆4,060億円となった。配当は中間85円・期末85円の年170円で、前期から10円の増配となる。資本政策では、三井住友信託銀行が保有する第1回第一種優先株式750,000株の全部を普通株式5,498,532株へ転換・消却し、東京都が保有する第二種優先株式2,000,000株の全部を総額400億円で取得・消却することを決議した。あわせて2026年7月1日を効力発生日として普通株式1株を8株に分割し、後の発行済株式総数は289,189,176株となる。第3次中期経営計画(2024~2026年度)は2026年度が最終年度となる。

影響評価スコア

🌤️+2i
業績インパクトスコア +3

連結経常利益は前期比188億円増の604億円、当期純利益は109億円増の423億円と大幅な増益で着地した。きらぼし銀行単体のコア業務純益も399億円から463億円へ拡大しており、政策金利引き上げを背景とした貸出金利息の増加やファンド収益を含む有価証券利息配当金の増加が収益を押し上げた。本業の資金利益と関連収益がそろって伸び、利益水準が前期を明確に上回った点で業績面のインパクトは大きい。

株主還元・ガバナンススコア +3

期末85円・中間85円の年170円配当は前期比10円の増配で、継続的かつ安定的な配当方針のもと利益水準に応じた還元拡大が示された。加えて第1回第一種優先株式の普通株式転換・消却と第二種優先株式400億円の取得・消却により優先株式残高が消滅し、普通株主に先立つ優先配当の負担が解消する。優先株を全廃して普通株中心の資本構成へ移行する点は株主還元・資本政策上の前進である。

戦略的価値スコア +2

第3次中期経営計画(2024~2026年度)は2026年度が最終年度を迎え、フィービジネス拡大や支社体制への移行による効率化が進む。デジタルバンクUI銀行での在留外国人向け『KYODAI Bank』や関西電力と連携した『CQ BANK』など金融・非金融融合の新サービスを展開し、海外でも韓国・ベトナムの提携を進める。優先株償還後は柔軟な資本政策を選択肢に最適なポートフォリオ構築を目指す方針で、中長期の成長基盤づくりが進む。

市場反応スコア +2

10円増配と優先株式の全消却に加え、2026年7月1日効力の普通株式1対8の株式分割を決議した。分割は投資単位当たり金額を引き下げ、株式の流動性向上と投資家層の拡大を狙うもので、株式分割後の発行済株式総数は289,189,176株となる。増益・増配・分割・優先株消却が同時に示されたことは、需給・投資家層の両面で市場の関心を集めうる材料といえる。

ガバナンス・リスクスコア +1

第二種優先株式400億円の取得により自己資本は一旦減少するが、安定的な自己資本比率の目安とする8.3%の水準を償還後も上回る見込みと説明されている。マネー・ローンダリング対策として金融犯罪対策室を新設し、リスク管理・コンプライアンス態勢の強化も進めている。一方で金利上昇局面における資金調達費用の増加や与信費用の動向は、地域金融機関として引き続き注視すべきリスク要因となる。

総合考察

総合スコアを最も押し上げたのは業績と株主還元・ガバナンスの2軸である。連結経常利益604億円(前期比+188億円)、当期純利益423億円(同+109億円)という大幅増益に、年170円への10円増配が重なり、利益成長を還元拡大へ結び付けた姿勢が明確に表れた。さらに第二種優先株式400億円の取得・消却と第1回第一種優先株式の普通株式転換・消却によって優先株式残高が消滅し、長年の懸案だった優先株の整理が前倒しで完了する点は資本構成の正常化として評価できる。優先株取得で自己資本は一旦減るものの、安定水準とする8.3%を償還後も上回る見込みであり、健全性を保ちながらの資本政策である点が安心材料となる。2026年7月1日効力の1対8は流動性と投資家層の拡大に資する一方、優先株の普通株転換に伴う希薄化(潜在株式調整後EPSは分割考慮後128円25銭)は需給面で意識される。投資家は、中期経営計画最終年度(2026年度)の達成度、金利上昇下での貸出金利息と資金調達費用・与信費用のバランス、分割後の流動性変化を注視したい。

出典: EDINET(金融庁)(改変あり)
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