開示要約
しまむらは2026年5月12日付で第73期(2025年2月21日〜2026年2月20日)の有価証券報告書を提出した。連結売上高は7,000億34百万円(前期比+5.2%)、営業利益614億83百万円(+3.8%)、経常利益636億72百万円(+5.1%)、純利益444億60百万円(+6.1%)で4指標とも過去最高を更新した。 国内ではしまむら事業5,196億58百万円(+4.4%)・バースデイ事業813億94百万円(+6.4%)・アベイル事業703億52百万円(+6.6%)・シャンブル事業172億54百万円(+11.7%)、台湾の思夢樂事業は103億32百万円(+10.3%)で、PB「CLOSSHI」・JBの一点単価上昇とASEAN生産比率拡大が増益を支えた。設備投資額は213億80百万円、国内店舗数1,423店舗。 剰余金処分案は1株115円の期末配当(配当総額7,958百万円、効力発生日2026年5月18日)を提案。2026年1月26日決議の自己株式4,300,000株取得、2026年2月21日付の1:3と還元施策が並行。第73期定時株主総会(2026年5月15日)では株主提案(第3号議案剰余金処分)も上程され取締役会は反対している。次期は中期経営計画2027の最終年度で連結売上7,291億円・営業利益率9.2%が目標。
影響評価スコア
🌤️+2i第73期連結業績は売上7,000億34百万円(+5.2%)・営業益614億83百万円(+3.8%)・経常益636億72百万円(+5.1%)・純利益444億60百万円(+6.1%)と4指標すべてで増収増益・過去最高更新となった。直前4期で売上は6,161→7,000億円と年率約4-5%で継続拡大しており、PB「CLOSSHI」やJBの一点単価上昇が増益を牽引した構造である。
1株115円(株式分割後)の期末配当(配当総額7,958百万円、効力発生日2026年5月18日)・自己株式4,300,000株取得・1:3株式分割と株主還元施策が並行進行している。EDINET DB上のFY2026の連結配当総額15,308百万円・自己株式-47,084百万円で総還元性向が上昇する一方、株主提案による追加還元要求(第3号議案)があり取締役会は反対している。
中期経営計画2027の2年目として順調に進捗し、最終年度目標(売上7,291億円・営業利益率9.2%)は射程圏内にある。長期経営計画2030では事業ポートフォリオ再構築・新規海外展開・物流網再構築を骨子としており、台湾思夢樂事業の売上103億円(+10.3%)と二桁成長やASEAN生産比率拡大、都市部出店強化・ファッションモール化など中長期戦略軸が並行進行している。
EDINET DB上のFY2026のPBR1.50倍・PER17.48倍・配当利回り6.08%・TSR1.968倍(前期1.645倍から上昇)はディフェンシブ衣料小売銘柄として比較的良好な評価水準。営業益+3.8%・純利益+6.1%の増益と1:3株式分割・自己株式4,300,000株取得という株主還元策の並行で市場には複合的ポジティブ材料となる。
第73期定時株主総会(2026年5月15日)で株主提案(第3号議案剰余金処分)が上程され取締役会は反対の意向を示している点は、株主との対話・配当政策に関するガバナンス上の論点として注目される。社外取締役3名を含む8名体制で女性取締役比率約12.5%、防衛特別法人税課税の影響は軽微と明示されており税制リスクの開示透明性は確保されている。
総合考察
しまむら第73期は連結売上高7,000億34百万円(+5.2%)・営業利益614億83百万円(+3.8%)・経常利益636億72百万円(+5.1%)・親会社株主に帰属する当期純利益444億60百万円(+6.1%)と4指標すべてで増収増益・過去最高を更新した。インバウンド消費と賃上げによる消費環境の改善と、生活必需品の値上げによる節約志向という相反するトレンドの中で、PB「CLOSSHI」・「CLOSSHI PREMIUM」やJBの一点単価上昇、ASEAN生産比率拡大による仕入原価抑制が増益を支えた構造である。中期経営計画2027の最終年度目標(売上7,291億円・営業利益率9.2%)に対し第73期実績は売上7,000億円・営業利益率8.78%で射程圏内、長期経営計画2030の事業ポートフォリオ再構築・新規海外展開・物流網再構築という戦略軸も並行進行する。株主還元では1株115円(後)の期末配当(配当総額7,958百万円)、2026年1月26日決議の自己株式4,300,000株取得、2026年2月21日付の1:3と積極策が連続。一方、2026年5月15日開催の定時株主総会では株主提案(第3号議案剰余金処分)が上程され取締役会は反対しており、株主との対話・追加還元要求への姿勢が次の論点となる。