EDINET有価証券報告書-第109期(2025/04/01-2026/03/31)🌤️+2↑ 上昇確信度75%
2026/06/25 10:34

長谷工、経常益941億円で予想超過 年配当95円へ

開示要約

長谷工コーポレーションが第109期(2025年4月から2026年3月)の内容を開示した。連結売上高は1兆2,731億円(前期比8.1%増)、営業利益は987億円(同16.6%増)、経常利益は941億円(同12.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は548億円(同59.2%増)となった。完成工事総利益率の改善により経常利益は期初予想の900億円を上回り、営業利益率は7.8%(0.6ポイント増)となった。 セグメント別では建設関連事業が売上高9,009億円、営業利益685億円(同21.6%増)。不動産関連事業は売上高2,932億円、営業利益356億円。管理運営事業は売上高1,654億円、営業利益82億円。海外事業は売上高43億円、営業損失61億円だった。単体の受注高は7,266億円、次期繰越高は9,400億円となった。 株主還元では期末配当を1株50円とし、中間配当45円と合わせ年間95円を提案した。2025年5月から11月に自己株式8,314,500株を総額200億円で取得し、12月26日に全株を消却した。定時株主総会には取締役12名の選任と、取締役報酬枠を年額900百万円から1,500百万円へ改定する議案を付議した。 連結子会社の長谷工リフォームは大規模修繕工事の受注に関し2025年3月に公正取引委員会の立入検査を受けている。今後の焦点は同調査の推移と海外事業の動向だ。

影響評価スコア

🌤️+2i
業績インパクトスコア +4

連結売上高1兆2,731億円(前期比8.1%増)、経常利益941億円(同12.8%増)と増収増益で、経常利益は期初予想の900億円を41億円上回った。完成工事総利益率の改善が主因で、営業利益率は7.8%へ0.6ポイント上昇している。親会社株主に帰属する当期純利益は548億円と、前期の344億円から59.2%増加した。単体の受注高は7,266億円、次期繰越高は9,400億円へ積み上がり、手持ち工事量の厚みが増している。

株主還元・ガバナンススコア +3

年間配当は中間45円と期末50円の95円となり、前期の85円から10円増える。配当総額は134億円。中期経営計画では計画期間内の累進配当と6期合計の総還元性向50%程度を掲げる。2025年5月から11月に自己株式8,314,500株を総額200億円で取得し、12月26日に全株を消却した。一方、取締役の金銭報酬枠を年額900百万円から1,500百万円へ引き上げる議案も付議された。

戦略的価値スコア +3

中期経営計画「HASEKO Evolution Plan」(2026年3月期から2031年3月期)の初年度として、2028年3月期に連結経常利益1,000億円以上、2031年3月期に1,300億円以上、ROE13%程度を目標に置く。6か年のネット投資額は4,000億円で、うち新規事業・M&Aに1,000億円を配分する。2025年6月に株式会社ウッドフレンズを子会社化して7月に完全子会社化し、2026年4月には米TRG Holdings,LLC.の持分30%を取得した。

市場反応スコア +2

開示の中心は確定した通期実績と株主総会議案であり、数値面の新規性は限られる。もっとも経常利益941億円は事業報告に示された第106期以降の4期で最も高い水準で、年間配当95円への増配と8,314,500株の消却は需給面の下支えとなる。筆頭株主はいちごトラスト・ピーティーイー・リミテッドで持株比率19.67%、株主数は56,480名。海外事業の営業損失61億円は重しになりやすい。

ガバナンス・リスクスコア -1

連結子会社の株式会社長谷工リフォームが大規模修繕工事の受注に関し独占禁止法違反の疑いで2025年3月に公正取引委員会の立入検査を受け、監査役会は今後の推移と会社の対応を注視するとしている。当期は減損損失4,079百万円、棚卸不動産評価損10,953百万円を計上した。海外事業は営業損失61億円と赤字が続く。社外取締役の逝去に伴う退任を経て、取締役12名(社外5名)と新任監査役2名の体制へ移行する。

総合考察

総合スコアを最も押し上げたのは業績インパクトである。増益の中身が完成工事総利益率の改善という採算面の要因であり、期初予想900億円に対し経常利益941億円を確保した点は、中期経営計画初年度としての実行力を裏付ける。単体の受注高7,266億円、次期繰越高9,400億円という積み上がりは、来期以降の完成工事高の可視性が相応に高いことを意味する。 一方で5視点の方向感は一様ではない。海外事業の営業損失は前期の57億円から61億円へ拡大しており、2031年3月期に経常利益1,300億円という目標に届かせるには収益化が避けて通れない。子会社をめぐる公正取引委員会の調査も、結論次第で費用面と受注機会の双方に波及し得る不確実性として残る。 株主還元は年間95円への増配と200億円の自己株式取得・消却で厚みがあるが、取締役の金銭報酬枠を900百万円から1,500百万円へ拡大する議案は、業績連動の設計が実際に規律として働くかを問う論点になる。投資家が確認すべきは、2028年3月期の連結経常利益1,000億円という中間目標への進捗と、海外事業の損益改善、そして独占禁止法をめぐる調査の帰趨である。

出典: EDINET(金融庁)(改変あり)
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