EDINET有価証券報告書-第85期(2025/04/01-2026/03/31)🌤️+1→ 中立確信度70%
2026/06/25 13:00

SCREEN第85期、減収減益も年間配当293円・総還元42.3%

開示要約

SCREENホールディングスの第85期(2025年4月〜2026年3月)連結業績は、売上高6,057億48百万円(前期比3.1%減)、営業利益1,225億22百万円(同9.7%減)、経常利益1,243億23百万円(同10.1%減)、親会社株主に帰属する当期純利益920億3百万円(同7.5%減)となり、減収減益となりました。主力の半導体製造装置事業(SPE)はDRAM向けやポストセールスが伸びた一方、ファウンドリー向けや中国・米国向けが減少し、売上高4,859億82百万円(同6.5%減)にとどまりました。 株主還元では、年間配当を1株293円(中間123円・期末170円)とし、連結配当性向は30.1%。第85期は自己株式1,242,500株(110億73百万円)を取得し、6,209,746株(343億83百万円)を消却した結果、連結総還元性向は42.3%となりました。2026年4月1日付で1株を2株に分割しています。 戦略面では、2025年9月にニコンのウエハー接合技術に関する研究開発事業を譲受し、12月に米ニューヨーク州へ研究開発拠点ATCAを設立。自己資本比率は67.4%、JCRの長期発行体格付はA+(安定的)を維持しました。今後の焦点は、最終年度を迎える中計「Value Up Further 2026」の目標完遂と、2033年3月期の売上高1兆円に向けた次期中計の策定です。

影響評価スコア

🌤️+1i
業績インパクトスコア -1

売上高6,057億48百万円(前期比3.1%減)、営業利益1,225億22百万円(同9.7%減)、純利益920億3百万円(同7.5%減)と全段階で減益。主力SPEがファウンドリー向け・中国米国向けの落ち込みで6.5%減収となったのが主因で、固定費増も利益を圧迫した。一方でFTがOLED向けで営業利益181.8%増と急回復しており、絶対水準では高収益を維持している点を踏まえ、業績インパクトはやや弱含みと整理できる。

株主還元・ガバナンススコア +2

年間配当293円で連結配当性向30.1%を維持しつつ、110億73百万円の自己株式取得と343億83百万円の消却を実施し、連結総還元性向は42.3%に達した。基本方針の配当性向30%以上を上回る積極還元で、株式数の減少を伴う消却はEPSの下支えに働く。2026年4月の1対2株式分割も投資単位を引き下げ流動性向上に資する点で、株主にとって相対的にポジティブな材料となる。

戦略的価値スコア +2

ニコンのウエハー接合技術に関する研究開発事業の譲受、米ニューヨーク州への研究開発拠点ATCA設立、滋賀県野洲市での用地取得など、生成AIを支える先端パッケージ・微細化需要を見据えた成長投資を相次いで実行。中期経営計画は最終年度を迎え、2033年3月期の売上高1兆円という長期目標も掲げており、減益局面でも投資フェーズを継続する姿勢が中長期の成長余地を広げる戦略的意義を持つ。

市場反応スコア 0

本開示は事業報告・連結計算書類を含む株主総会関連資料であり、業績や還元策の多くは既に決算で開示済みの内容を整理したもの。減収減益という事実と42.3%の総還元性向・株式分割という還元強化が相反するため、市場の方向感は限定的とみられる。今後の株価は中計最終年度の進捗やWFE市場の成長見通しに左右されると考えられ、本資料単体での新規の株価材料は乏しい。

ガバナンス・リスクスコア +1

取締役8名・監査役の選任議案を付議し、社外取締役4名で独立性基準を明示するなどガバナンス体制は整備されている。自己資本比率67.4%と財務基盤は厚く、JCR格付A+(安定的)を維持。リスク面では、ファウンドリー向け売上の減少や中国・米国向けの落ち込み、米国通商政策・中東情勢の地政学リスクが挙げられるが、コミットメントライン600億円を確保するなど備えも講じられている。

総合考察

総合スコアを最も左右したのは株主還元と戦略的価値で、いずれもプラス寄与となった。業績は減収減益(売上6,057億・営業益1,225億・純利益920億)と弱含みだが、絶対水準では営業利益率20.2%・ROIC20.0%と高収益を維持し、「Value Up Further 2026」の目標(営業利益率19%以上・ROIC15%以上)を上回って進捗している点が下押しを和らげている。業績のマイナスと、総還元性向42.3%・株式分割という株主還元のプラスが方向として相反するため、direction はneutralと整理した。 ニコンのウエハー接合技術譲受や米ATCA設立は、生成AIを支える先端パッケージ・微細化需要を取り込む布石であり、投資フェーズを継続する姿勢は中長期の成長期待につながる。投資家が今後注視すべきは、最終年度(2027年3月期)を迎える中計の目標完遂度と、CY2025比15〜20%成長が見込まれるWFE市場でファウンドリー向け売上が回復に転じるかである。加えて、米国通商政策や地政学リスクが装置需要・関税に与える影響、2033年3月期の売上高1兆円に向けた次期中計の具体策が中期的な評価の分岐点となる。

出典: EDINET(金融庁)(改変あり)
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