EDINET有価証券報告書-第60期(2025/04/01-2026/03/31)☁️0→ 中立確信度72%
2026/06/25 11:47

テーオーシー、営業益73.6%増 入居率81.7%に回復

開示要約

株式会社テーオーシーが第60期(2025年4月1日〜2026年3月31日)の有価証券報告書を提出した。連結売上高は15,155百万円(前連結会計年度比15.2%増)、営業利益2,462百万円(同73.6%増)、経常利益3,204百万円(同67.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益2,321百万円(同29.9%増)となった。 主力の不動産事業は売上高11,308百万円(同19.6%増)、営業利益2,388百万円(同73.9%増)。2024年3月に一旦閉館し同年9月より順次営業を再開したTOCビルを含む既存ビルでテナント獲得が進み、期末入居率は81.7%(前期末68.2%)となった。TOCビルの入居率は臨時使用を含め65.9%。設備投資額は2,520百万円。 総資産は122,226百万円、純資産は104,719百万円。賃貸等不動産の連結貸借対照表計上額59,130百万円に対し、期末時価は189,082百万円。期末配当は1株5円(年間10円)、総額441百万円で、効力発生日は2026年6月29日。 TOCビル等は営業損益及び営業キャッシュ・フローの赤字継続により減損の兆候が認められたが、減損損失は計上していない。新TOCビル計画の着工時期は2036年以降を想定。2025年12月4日にサイバー攻撃を受けたことを受け、情報セキュリティリスクへの対策強化を今後の焦点として挙げている。

影響評価スコア

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業績インパクトスコア +2

TOCビル営業再開の通期寄与により、連結売上高15,155百万円(前期比15.2%増)、営業利益2,462百万円(同73.6%増)と収益が明確に回復した。もっとも経常利益3,204百万円は第57期の4,643百万円に届かず、閉館前水準への復元途上にとどまる。利益の大半は不動産事業の営業利益2,388百万円が占め、リネンサプライ及びランドリー事業52百万円、その他13百万円の寄与は小さい。

株主還元・ガバナンススコア 0

期末配当は1株5円、中間を含む年間配当は10円で前期から据え置かれ、配当総額は441百万円。EDINET DB上の配当性向は38.0%で、前期の51.8%から低下した。自己株式は単元未満株740株の取得と譲渡制限付株式報酬としての19,100株の処分にとどまり、新たな取得枠は示されていない。1株当たり純資産は1,179円94銭である。

戦略的価値スコア +1

2024年3月に閉館したTOCビルは2024年9月から順次営業を再開し、期末入居率は81.7%(前期末68.2%)まで戻った。一方で新TOCビル計画は建築費上昇に対応した計画策定を続け、着工時期を2036年以降と想定する。余剰資金による収益物件取得や不動産投資ファンド等への出資も検討課題に挙げており、事業ポートフォリオ最適化の実行は緒に就いた段階である。

市場反応スコア 0

本報告書の事業報告・計算書類は2026年6月の定時株主総会招集通知で開示済みの内容と重なり、株価を動かす新規情報は限定的とみられる。賃貸等不動産は簿価59,130百万円に対し期末時価189,082百万円と含み益が大きい一方、EDINET DBの株主総利回りは1.09倍で比較指数の2.053倍を下回り、資産価値が株価に反映されにくい状況が続く。

ガバナンス・リスクスコア -1

2025年12月4日にサイバー攻撃を受け、情報セキュリティリスクへの対策強化を喫緊の課題とし、情報セキュリティ委員会を設置した。TOCビル等(有形固定資産のうち9,179百万円)は営業損益と営業キャッシュ・フローの赤字継続で減損の兆候が認められ、減損損失は計上していないものの翌期以降の判定に影響しうる。大株主は株式会社ニュー・オータニ24.08%、有限会社大谷興産16.56%と集中している。

総合考察

総合スコアを最も押し上げたのは業績インパクトで、TOCビル営業再開の通期寄与により営業利益は73.6%増の2,462百万円まで戻った。ただし中身は閉館前水準への復元に近く、経常利益3,204百万円は第57期の4,643百万円に届かない。純資産104,719百万円・現預金31,148百万円という厚い財務基盤に対しROEは2.3%、EDINET DB上のPBRは0.68倍にとどまり、資本効率の低さが評価の重しとなる。株主還元は年間10円の据え置きで、余剰資金を配当や自己株式取得に振り向ける動きは本開示からは確認できず、業績回復と株主への分配が連動していない点が業績インパクトと株主還元の方向差として表れている。ガバナンス面ではサイバー攻撃とTOCビル等に残る減損の兆候が下押し要因となる。注視点は、2027年3月期に入居率81.7%からTOCビル単体の65.9%がどこまで上向くか、減損の兆候が解消するか、そして2036年以降とされる新TOCビル着工までの間に現預金31,148百万円をどう使うかである。

出典: EDINET(金融庁)(改変あり)
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