開示要約
INCLUSIVE Holdingsの第19期(2025年4月~2026年3月)連結業績は、売上高45億60百万円(前期比6.9%減)、売上総利益16億99百万円(同10.1%減)と減収減益でした。営業損失は4億17百万円(前期は3億66百万円の損失)、経常損失は4億28百万円(前期は3億54百万円の損失)と損失幅が拡大し、減価償却費等を控除した調整後EBITDAは3億24百万円の赤字(前期は1億6百万円の黒字)に転じました。 一方、親会社株主に帰属する当期純損失は1億74百万円となり、前期の10億73百万円から大幅に縮小しました。前期に計上した多額のが剥落したことに加え、事業譲渡益1億49百万円や受取保険金21百万円などの特別利益が寄与しました。 同社は2025年10月1日付でへ移行し、商号をINCLUSIVE Holdingsへ変更、当期中に初の社長交代も実施しました。報告セグメントを「ブランドコンサルティング」「食関連」「宇宙関連」「投資」の4区分に再編し、食関連はEC伸長で黒字、宇宙関連の自治体向け『圃場DX』は導入が前期比約6倍の130市町村へ拡大しました。期末配当は無配です。今後の焦点はコスト構造の適正化による営業損益の改善ペースです。
影響評価スコア
☔-1i売上高は45億60百万円と前期比6.9%減で、メディア領域の低迷が響き当初計画を大幅に下回りました。営業損失は4億17百万円、経常損失は4億28百万円へ損失幅が拡大し、調整後EBITDAも前期の黒字から3億24百万円の赤字へ転落しました。純損失縮小は減損剥落と特別利益による一過性要因が大きく、本業の収益力回復は道半ばで、業績面はマイナス材料が優勢と判断されます。
当期末の配当は無配で、成長段階として内部留保の充実を優先する方針が継続されています。配当実施の可能性や時期は未定とされ、株主への直接的な利益還元は当面期待しにくい状況です。一方で持株会社体制移行に伴いグループ経営管理機能の集約や資本効率重視の管理体制構築を掲げており、ガバナンス面の整備姿勢は示されています。還元面では引き続き慎重なスタンスです。
2025年10月の持株会社体制移行を機に、メディアから地域創生へ事業主軸をシフトし、ブランドコンサル・食関連・宇宙関連へ多角化を進めています。宇宙関連の自治体向け『圃場DX』は導入が前期比約6倍の130市町村へ拡大し、宮崎県実証では現地調査の農地数を最大8割削減する成果を確認しました。食関連もEC伸長でセグメント黒字となり、成長領域の芽は確認できる点が前向きです。
発行済株式総数1,005万株規模の小型株で、営業損益の悪化と無配継続は短期的に重荷となりやすい一方、純損失が10億73百万円から1億74百万円へ縮小した点は安心材料です。藤田誠氏が41.28%を保有し堀江貴文氏やインターステラテクノロジズも名を連ねる株主構成です。材料は強弱混在で、株価反応は限定的にとどまる可能性があります。
監査法人トーマツは連結・個別計算書類に無限定適正意見を表明し、継続企業の前提に関する注記もなく、開示上の重大なリスクは確認されません。当期中に初の社長交代を行い、社外取締役を含む取締役会の刷新も進みました。ただし連結利益剰余金はマイナス、親会社単体でも繰越利益剰余金が2億92百万円の赤字で、財務基盤の再構築は引き続き課題として残ります。
総合考察
総合評価を最も押し下げたのは業績インパクトです。売上高は前期比6.9%減の45億60百万円、営業損失は4億17百万円へ拡大し、調整後EBITDAが前期の黒字から3億24百万円の赤字へ転落するなど、本業の収益力低下が明確に表れています。純損失が前期の10億73百万円から1億74百万円へ縮小した点は表面上ポジティブですが、これは前期に計上したの剥落と、事業譲渡益1億49百万円などの一過性特別利益によるもので、構造的な黒字転換とは区別して捉える必要があります。戦略面では移行と地域創生・宇宙関連へのシフト、『圃場DX』の130市町村への拡大が前向きで、戦略的価値と業績インパクトで方向性が相反しています。配当は無配が続き株主還元は当面期待しにくい一方、自己資本比率は約54%を維持し財務の健全性は保たれています。今後はFY2027にかけてコスト構造適正化が調整後EBITDAの黒字回帰につながるか、圃場DXと食関連ECの成長が営業損益を改善できるかが注視点です。