半期報告書－第36期(2025/04/01－2026/03/31)
AI要約
この発表は、TX（つくばエクスプレス）を運営する会社の「半年分の成績表」です。ポイントは、利用者が増えたことで売上が伸び、利益も増えたことです。上期の利用者は前年より約5%増え、売上は約250億円になりました。 費用も増えています。例えば線路の修理などの支出が増えたためです。ただし、昔に買った車両の「会計上の費用（減価償却）」が減ったこともあり、最終的に営業利益は約63億円まで伸びました。 さらに、税金の計算の影響（将来の税金を見込んで調整する部分）が大きく効いて、最終利益は約58億円と大幅増になりました。わかりやすく言うと、「本業の改善＋税金の見え方の変化」で、利益の伸びがより大きく見えています。 一方で、現金は約54億円減っています。借入や未払金の返済、投資有価証券の購入などでお金が出ていったためで、利益が出ていても手元資金が減る局面がある点は確認が必要です。
専門用語の解説
- 輸送人員
- ：一定期間に鉄道を利用した人数の合計です。売上の土台になる数字で、定期（通勤通学）と定期外（お出かけ等）の増減を見ると需要の強さが分かります。
- 減価償却
- ：車両や線路など高額な設備の費用を、買った年に一括で計上せず、何年かに分けて計上する仕組みです。償却が終わると会計上の費用が減り、利益が出やすくなります。
- 法人税等調整額
- ：今年払う税金だけでなく、将来の税金の増減見込みも反映して利益を調整する項目です。今回はマイナス（△）で、税金負担が軽く見え、中間純利益を押し上げています。
- 営業キャッシュ・フロー
- ：本業でどれだけ現金が増えたかを示す数字です。利益と違い、実際のお金の出入りに近いのが特徴で、借金返済や設備投資を続けられる体力の目安になります。
- 長期未払金（機構長期未払金）
- ：鉄道・運輸機構から鉄道施設を長期の分割払いで譲り受けた際の“残りの支払い”です。返済条件（据置・長期償還）が資金繰りに影響し、鉄道会社の負債の大きさを左右します。
AI影響評価
評価の根拠
この発表は、内容としては「やや良いニュース」です。ただし、この会社の株は市場で売買される上場株ではないため、ふつうの意味での「株価が上がる・下がる」は起きにくく、影響は限定的（neutral）と整理します。 良い点は、電車に乗る人が増えたことで売上が増え、本業のもうけも増えたことです。たとえるなら、お店で来店客が増えて売上が伸び、家賃や人件費が多少増えても利益が残った、という状態に近いです。 注意点は、最後の利益が大きく増えた理由に「税金の計算上の調整」が含まれることです。これは毎回同じように起きるとは限らないため、会社の強さを見るときは売上や本業の利益の伸びも一緒に確認するのが安全です。 また、手元のお金は減っています。理由は、借入金や長期未払金（分割払いの返済）でお金が出たこと（財務CF△14,407百万円）と、有価証券の買い増しなどでお金が出たこと（投資CF△2,241百万円）です。家計で言えば、給料が増えてもローン返済と貯金（資産の買い増し）で現金が減ることがあるのと同じで、資金の動きは引き続き要チェックです。
出典: EDINET（金融庁）（改変あり）
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