EDINET有価証券報告書-第122期(2025/04/01-2026/03/31)☁️0→ 中立確信度70%
2026/06/25 10:28

日和産業、減収も営業益60.7%増 畜産資産に6億33百万円の減損

開示要約

日和産業は第122期(2025年4月1日〜2026年3月31日)の連結業績を開示した。売上高は455億79百万円で前年同期比6.2%減となった一方、営業利益は14億56百万円(同60.7%増)、経常利益は14億40百万円(同26.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は3億78百万円(同22.1%増)となった。同社は2025年4月・7月・10月の3度にわたり配合飼料価格を値下げし、2026年1月には値上げを行っている。 セグメント別では、飼料事業の売上高が436億69百万円(同6.5%減)、セグメント利益が14億85百万円(同36.6%増)。畜産事業は売上高19億10百万円(同1.7%増)、セグメント利益5百万円で、前年同期のセグメント損失1億27百万円から損益が改善した。 特別損失には、長崎県雲仙市他の農場に係る畜産事業用資産の6億33百万円を計上した。回収可能価額は資本コスト8.0%で割り引いた使用価値により測定した。単体では子会社東和畜産に対する関係会社貸倒引当金繰入額7億21百万円を特別損失に計上し、同引当金残高は16億04百万円となった。 総資産は308億16百万円、純資産は190億39百万円。設備投資は1億06百万円で自己資金を充当した。期末配当は1株6円(総額1億08百万円)。今後の焦点は、生産コスト削減と家畜疾病の予防への取り組みとなる。

影響評価スコア

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業績インパクトスコア +2

売上高は455億79百万円と前年同期比6.2%減となったが、営業利益は14億56百万円で同60.7%増と大きく改善した。売上総利益は41億31百万円、売上総利益率は9.1%となり、EDINET DBの前期実績から算出した7.3%を上回る。配合飼料価格の3度の値下げが売上を押し下げた一方、原材料価格の影響で採算は好転した。減損損失6億33百万円を吸収しても純利益は3億78百万円と同22.1%増を確保している。ただしEDINET DBベースのROEは2.0%にとどまる。

株主還元・ガバナンススコア 0

期末配当は1株当たり6円で、2026年5月12日の取締役会が決議した。配当総額は1億08百万円、効力発生日は2026年6月29日で、前期の1株6円から横ばいとなる。増益局面でも還元水準は据え置かれ、EDINET DBベースの配当性向は28.7%である。自己株式の取得はなく、期末の自己株式は2,719,032株で期首から変動していない。ガバナンス面では2025年6月27日付で監査等委員会設置会社へ移行済みである。

戦略的価値スコア -1

畜産事業はセグメント利益5百万円と、前年同期のセグメント損失1億27百万円から損益が改善した。一方で長崎県雲仙市他の農場について収益性の低下を理由に6億33百万円を減損し、子会社東和畜産向け債権にも7億21百万円を引き当てており、畜産部門の収益基盤には課題が残る。設備投資は1億06百万円で、EDINET DBが示す前期の8億63百万円から大きく縮小した。対処すべき課題は生産コスト削減、人材確保・育成、家畜疾病の予防で、新規の成長投資は示されていない。

市場反応スコア 0

本開示は第122回定時株主総会の招集通知を含む法定開示で、業績数値が中心であり、新規の業績予想や資本政策の発表は含まれていない。株主数は2,942名、発行済株式20,830,825株のうち自己株式が2,719,032株を占める。十文字チキンカンパニー8.70%、豊田通商7.52%、東北グレーンターミナル6.37%など事業会社が上位株主に並ぶ構成で、EDINET DBベースのPBRは0.37倍にとどまる。

ガバナンス・リスクスコア -1

2025年6月27日付で監査等委員会設置会社へ移行し、監査等委員3名のうち2名を独立役員として届け出ている。会計監査人EY新日本有限責任監査法人は無限定適正意見を表明し、監査等委員会も指摘すべき事項はないとした。一方、当事業年度の取締役会開催は5回にとどまり、常勤の監査等委員は選定していない。関係会社貸倒引当金16億04百万円、破産更生債権等12億43百万円と信用リスク関連の残高が大きい点は留意を要する。

総合考察

総合スコアを最も押し上げたのは業績インパクトで、減収下でも営業利益が60.7%増となった点が効いている。売上減は配合飼料価格の3度の値下げによるもので、売上総利益率が9.1%まで改善した事実は原料コストと販売価格のスプレッドが好転したことを示す。ただしこの改善は減損6億33百万円と子会社向け引当7億21百万円という畜産関連の損失処理に相殺され、純利益は3億78百万円、ROEは2.0%と資本効率は低位にとどまる。戦略的価値とガバナンス・リスクをマイナスに置いたのは、設備投資が8億63百万円から1億06百万円へ縮小して成長投資が後退した点と、東和畜産向け債権の回収懸念が引当16億04百万円まで積み上がった点による。EDINET DBによれば前期も6億44百万円の減損を計上しており、減損は2期連続となる。株主還元は1株6円据え置きで、増益を還元に振り向ける動きは見られない。今後は2026年1月に実施した飼料価格の値上げが2027年3月期に通期寄与するか、畜産事業が減損後に黒字を維持できるか、関係会社貸倒引当金の追加計上が生じないかが注視点となる。

出典: EDINET(金融庁)(改変あり)
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