EDINET有価証券報告書-第68期(2025/04/01-2026/03/31)-1↓ 下落確信度80%
2026/06/25 14:06

京写、最終益87%減の78百万円 期末配当は11円から5円へ

開示要約

株式会社京写が第68期(2025年4月1日から2026年3月31日まで)の事業報告と計算書類を開示した。連結売上高は24,697百万円で前年同期比5.8%減、営業利益は825百万円で35.4%減、経常利益は547百万円で44.9%減、親会社株主に帰属する当期純利益は78百万円で87.3%減となった。1株当たり当期純利益は5円37銭(前期42円37銭)。 品目別では両面プリント配線板が9,661百万円と11.1%減、片面板は11,860百万円と0.5%減。地域別セグメントでは日本が売上10,672百万円(5.1%増)で営業損失を218百万円から39百万円へ縮小した一方、中国は12,634百万円(12.0%減)・営業利益862百万円(26.9%減)、インドネシアは増産に向けた稼働調整で162百万円の営業損失、ベトナムは営業利益118百万円(57.7%減)となった。 期末配当は1株5円(総額72,917,065円)を株主総会の議案とし、前期の1株11円(総額159百万円)から引き下げる。取得期間を2026年3月16日から9月30日までとする上限30万株・1億2,000万円の自己株式取得も進行中。 2026年4月からは中期経営計画2029を開始し、最終年度の2029年3月期に売上高280億円、営業利益20億円、ROE10%を目標に掲げた。両面板は国内量産2工場を新潟工場へ集約する。

影響評価スコア

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業績インパクトスコア -3

連結売上高は24,697百万円と5.8%減、営業利益825百万円(35.4%減)、経常利益547百万円(44.9%減)にとどまり、最終利益は78百万円と87.3%減まで沈んだ。利益段階が下がるほど減益率が拡大しており、支払利息311百万円の金融費用と過年度法人税等109百万円の計上が最終段階を強く圧迫した構図である。国内は営業損失を39百万円まで縮小したが、稼ぎ頭の中国が317百万円の減益となり全体を押し下げた。

株主還元・ガバナンススコア -2

期末配当は1株5円・総額72,917,065円と、前期の1株11円・総額159百万円から半減以下に引き下げられる。当期の1株当たり当期純利益5円37銭に対して配当性向は9割を超える計算で、減益に還元水準を合わせた形といえる。上限30万株・1億2,000万円の自己株式取得は進行中だが、取得株は譲渡制限付株式報酬制度に基づく役員・従業員への付与に充当される予定で、純粋な還元強化としては読みにくい。

戦略的価値スコア +2

2026年4月から中期経営計画2029を開始し、2029年3月期に売上高280億円・営業利益20億円・営業利益率7%・ROE10%を掲げた。当期の営業利益825百万円から2.4倍超を狙う計画で、両面板の国内量産2工場を新潟へ集約し京都工場を試作・治工具生産へ移す構造改革が骨格となる。九州工場の金属基板専用ラインと京都工場の厚銅基板ラインでAIサーバーやEV向けの放熱需要を取りにいく方向性は明確である。

市場反応スコア -1

最終利益87.3%減と期末配当の1株11円から5円への引き下げは、短期の株価需給にはマイナスに働きやすい材料である。一方で本開示は第68回定時株主総会の招集通知に伴う事業報告・計算書類であり、決算期末から時間を置いた事後的な確定情報という性格が強い。2026年9月30日までを取得期間とする上限30万株の自己株式取得が需給の下支えになるかが当面の観察点となる。

ガバナンス・リスクスコア -2

インドネシア子会社の税務係争が続いており、2018年3月期など3期分の判決確定を受けて過年度法人税等109百万円を計上、会社は最高裁判所への司法審査を要求している。2023年3月期以降に仮納付した960千ドル(153百万円)も偶発債務として残る。加えて株式会社京写単体の資産グループは継続的な営業損失から減損の兆候ありと判定され、メキシコ子会社株式には38百万円の評価損を計上した。

総合考察

総合スコアを最も押し下げたのは業績インパクトである。営業利益35.4%減に対し最終利益は87.3%減と落差が大きく、支払利息311百万円という重い金融費用と、インドネシア子会社の税務判決確定に伴う過年度法人税等109百万円が、最終利益を78百万円まで削り取った。投資有価証券売却益243百万円という一時的な益がなければ着地はさらに厳しかった点は留意しておきたい。 5視点のうちプラスに振れたのは戦略的価値のみである。中期経営計画2029が掲げる営業利益20億円は当期実績の2.4倍超で、両面板の新潟集約と金属基板・厚銅基板への集中投資という改革の輪郭自体は明確だ。ただし国内は依然として営業赤字であり、収益の柱である中国が26.9%減益、インドネシアが前期の黒字から162百万円の営業損失へ転落しているため、計画初年度から改革コストと減益が同居するリスクを抱える。 株主還元は期末配当5円への引き下げで縮小し、自己株式取得も譲渡制限付株式報酬への充当が前提のため実質的な強化とは読みにくい。投資家にとっては次期2027年3月期の業績動向に加え、九州工場の金属基板専用ラインと京都工場の厚銅基板ラインの立ち上がり、そしてインドネシア税務係争の最高裁判断が主要な確認材料となる。

出典: EDINET(金融庁)(改変あり)
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