EDINET訂正四半期報告書-第58期第3四半期(2023/10/01-2023/12/31)-1↓ 下落確信度55%
2026/06/26 14:56

ニチリョク、差入保証金の貸倒引当金追加計上で四半期報告を訂正

開示要約

株式会社ニチリョクは2026年6月26日、2024年2月9日に提出した第58期第3四半期(2023年10月〜12月)四半期報告書の訂正報告書を提出した。主たる訂正内容は、差入保証金について回収期間の長期化を踏まえた会計上の見積もりの変更に基づき評価方法を見直し、を追加計上したことである。訂正後の第3四半期累計(2023年4月〜12月)の売上高は21億8千万円(前年同四半期比4.4%減)、営業利益は2億3千5百万円(同336.8%増)、経常利益は1億8千1百万円、四半期純利益は3億2千2百万円となった。営業利益は売上原価および販売費・一般管理費の抜本的な見直しが寄与し、10期来の高い水準となった。固定資産の2023年6月譲渡に伴う固定資産売却益1億3千4百万円は特別利益に計上している。自己資本比率は50.9%(前事業年度末は41.2%)。監査法人ハイビスカスは訂正後の四半期財務諸表について、適正に表示していないと信じさせる事項は認められないとする四半期レビュー報告書を提出した。あわせてに関する重要事象等が存在する旨が記載されている。

影響評価スコア

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業績インパクトスコア -1

訂正は差入保証金に対する貸倒引当金の追加計上を主因とし、2023年10〜12月期を含む過去の会計処理を見直すものである。訂正後の第3四半期累計の四半期純利益は3億2千2百万円と黒字を確保しているが、引当金の追加は利益を押し下げる方向の修正であり、約2年半前の期を対象とする点で足元の業績や通期見通しへの直接的な影響は限定的とみられる。

株主還元・ガバナンススコア -1

1株当たり配当額は無配であり、本訂正で株主還元方針の変更を示す記載はない。一方、提出済みの四半期財務諸表を事後的に訂正する事象は、決算作成体制や内部統制の運用状況に対する投資家の見方に影響し得る。差入保証金の見積もりという会計判断の修正が生じた点は、株主にとってガバナンス面での重要な留意材料となり得る。

戦略的価値スコア 0

本開示は差入保証金の会計上の見積もりの変更に伴う財務諸表の訂正であり、事業内容・経営方針・経営戦略等に重要な変更はないと明記されている。お墓事業(屋外墓地・納骨堂)および葬祭事業の各セグメント構成や、樹木葬・納骨堂の販売強化といった施策の方向性に本訂正が直接与える影響は乏しく、中長期の成長戦略を左右する材料とはなりにくい。

市場反応スコア 0

訂正対象は2023年10〜12月期という約2年半前の期であり、既に後続の通期決算が複数開示されていることから、本訂正が株価に与える直接的な材料性は限定的とみられる。ただし、財務諸表の訂正という事象自体は開示品質への関心を高め得るため、後続の開示内容や株価動向とあわせて市場の受け止めを確認する必要がある。

ガバナンス・リスクスコア -2

提出済みの四半期財務諸表を、差入保証金の回収期間長期化を理由に事後訂正し貸倒引当金を追加計上した点は、見積もりの妥当性や過去の会計処理に関する留意材料である。訂正後の財務諸表には監査法人ハイビスカスの四半期レビューが付され適正表示を否定する事項は認められないとされたが、継続企業の前提に関する重要事象等が存在する旨も併記されており、財務・資金繰り面の不確実性への注視が必要である。

総合考察

総合評価を最も左右したのはガバナンス・リスクの視点である。提出済みの四半期財務諸表を、差入保証金の回収期間長期化に伴う見積もりの変更で事後訂正しを追加計上した点は、会計処理や内部統制の運用に対する留意材料となる。訂正後も当該四半期(2023年10〜12月期)累計の純利益は3億2千2百万円と黒字であり、対象が約2年半前の期であることから足元業績や市場反応への直接的インパクトは限定的で、業績・市場反応の視点は小幅なマイナスにとどめた。一方、EDINET DBの通期実績では2025年3月期に純損失4億1千8百万円、2026年3月期に営業損失4億2千万円・純損失1億3千3百万円と赤字が続き、利益剰余金はマイナスに転じている。直近では第三者割当による資本調達も実施されており、本訂正はこうした財務・資金繰りの緊張が続く局面で生じた会計判断の修正といえる。今後はに関する重要事象等の解消状況、差入保証金の回収・引当水準、次期以降の損益改善の可否が主要な注視点となる。

出典: EDINET(金融庁)(改変あり)
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