開示要約
この書類は、ティムスの1年間の成績表です。ただし今回は決算月を2月末から12月末に変えたため、対象期間はいつもの12カ月ではなく10カ月です。そのため、前の年と単純比較しにくい点には注意が必要です。 会社はまだ薬を売って利益を出す段階ではなく、研究開発を進める段階にあります。このため売上はなく、研究や会社運営にお金を使った結果、最終的に7.16億円の赤字になりました。わかりやすく言うと、将来の新薬の種を育てるために先に費用をかけている状態です。 一方で、悪い話だけではありません。いちばん重要な開発品TMS-007は、提携先と進める大きな治験が始まり、患者さんへの投与も始まりました。TMS-008も初期の試験を終え、次の段階へ進む準備に入っています。新しい候補品TMS-010など、開発の幅も広げています。 お金の面では、の発行と行使で約6.5億円を調達し、期末の現金預金は27.8億円ありました。借入金もありません。ただし、資金調達のために株数が増えており、1株あたりの価値が薄まりやすい点は投資家にとって注意点です。つまり今回の開示は、『赤字は続くが、開発は前進し、手元資金も一定程度ある』と受け止めるのが基本です。
影響評価スコア
☁️0iこの視点ではややマイナスです。理由は、会社にまだ売上がなく、1年で7億円を超える赤字だったためです。ただし、この会社は新薬づくりの途中なので、今は利益より研究にお金を使う時期とも言えます。
お金の持ち方はやや良いと見られます。手元の現金が27億円超あり、借金もありません。家計で言えば、ローンは少なく貯金はある状態です。ただし、株を増やしてお金を集めているので、既存株主には薄まりの影響があります。
この視点はプラスです。主力の薬候補が次の大きな試験に進み、別の候補も初期試験を終えました。たとえば、1本だけでなく何本もの新商品候補を育てている状態で、将来の伸びしろは広がっています。
市場の追い風は少しあります。今の治療では十分でない病気を狙っているため、うまくいけば必要とされやすいからです。ただし、まだ試験中なので、本当に勝てるかどうかはこれから確かめる段階です。
株主への直接の見返りは弱めです。配当はなく、むしろ新しい株が増えて1株あたりの取り分は薄くなりやすくなりました。ただ、この会社は今はお金を配るより、将来の薬づくりに回す時期だと考えられます。
総合考察
この発表は良いニュースと悪いニュースが混ざった内容です。悪い面は、まだ商品が売れておらず、今年も大きな赤字だったことです。さらに、研究を続けるために新しい株を増やしてお金を集めているので、今の株主にとっては1株の価値が少し薄まりやすくなります。 でも、良い面もあります。会社がいちばん力を入れている脳梗塞の薬候補は、次の大きな試験に進みました。別の薬候補も最初の安全性確認を終えて、次の段階に向かっています。わかりやすく言うと、まだ売上はないけれど、将来売れるかもしれない商品の準備は前に進んでいる、ということです。 また、手元には27億円を超える現金があり、借金もありません。すぐに資金繰りに困るような印象ではありません。ただし、新薬開発は時間がかかり、途中で失敗することもあります。だから、今回の発表だけで株価が大きく上がる決め手にも、大きく下がる決定打にもなりにくいです。 つまり今回は、『足元の数字は厳しいが、将来への前進は確認できた』という内容です。株価への影響は限定的で、投資家は今後の治験の進み具合や追加の資金調達の有無をより重視すると考えられます。