EDINET有価証券報告書-第38期(2025/05/01-2026/04/30)-2↓ 下落確信度78%
2026/07/22 13:47

マツモト、3期連続営業赤字で継続企業の疑義 純利益155百万円

開示要約

株式会社マツモトが第38期(2025年5月1日から2026年4月30日まで)の事業報告および計算書類を公表した。売上高は前事業年度比2.0%減の2,126百万円。主力の学校アルバム部門が同0.2%減の1,721百万円、一般商業印刷部門が同9.1%減の404百万円となった。 損益は営業損失159百万円(前事業年度比105百万円の損失減)、経常損失84百万円(同176百万円の損失減)で、営業損失および経常損失は3期連続となった。一方、固定資産売却益100百万円、投資有価証券売却益62百万円などの特別利益246百万円と、保険解約返戻金87百万円を含む営業外収益により、当期純利益は155百万円(前事業年度は653百万円の当期純損失)となった。 4期連続で営業活動によるキャッシュ・フローがマイナスとなり、当事業年度末日後1年内の資金繰りに懸念があるとして、に関する重要な不確実性が注記された。対応策は学校アルバムの販売価格適正化、労務費および人件費の前年比約4%削減と代表取締役報酬の40%減額、拠点の集約・売却である。 第38回定時株主総会には定款一部変更、取締役3名選任、監査役1名選任に加え、EY新日本有限責任監査法人の任期満了に伴う会計監査人選任が付議される。当期および期末後の剰余金の配当はいずれも該当事項がない。今後の焦点は資金繰り施策の進捗である。

影響評価スコア

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業績インパクトスコア -2

売上高は2,126百万円と前事業年度比2.0%減にとどまり、主力の学校アルバム部門1,721百万円、一般商業印刷部門404百万円とも減収となった。営業損失159百万円は前事業年度比105百万円縮小したが3期連続の赤字であり、本業の採算は回復していない。当期純利益155百万円は固定資産売却益100百万円や保険解約返戻金87百万円など一過性要因に依存しており、継続的な収益力を示す水準ではない。

株主還元・ガバナンススコア -2

当事業年度中および末日後の剰余金の配当はいずれも該当事項がなく、無配が続く。一方でその他資本剰余金1,831百万円を取り崩す欠損填補により繰越利益剰余金は155百万円のプラスに転じ、1株当たり純資産は880円19銭となった。経営責任の明確化として代表取締役報酬の40%減額を実施する方針で、還元再開は資金繰り改善が前提となる。

戦略的価値スコア -1

教育分野の知見を活かす「DAT(Digital Asset Treasury)構想」を掲げ、学校ネットワークを活用して人材の能力を可視化し金融と融合する新サービスを検討している。既存事業では学校アルバムの販売価格適正化、一部工場やオフィスの統合、新規設備投資を当面更新投資のみに絞る方針を示した。ただし対応策は実施途上で関係当事者との最終合意に至らないものもあり、成果の確度は限定的である。

市場反応スコア -3

継続企業の前提に重要な疑義を生じさせる状況が事業報告と個別注記表に明記され、監査報告書にも重要な不確実性として追記された点は、スタンダード市場の投資家にとって重い材料となる。当期純利益155百万円の黒字は資産売却など一過性要因によるもので、無配継続と本業赤字を踏まえると株価には下押し圧力がかかりやすい。9.93%を保有するBrand New Retail Initiative Fundの主要株主離脱も需給面の不透明要因である。

ガバナンス・リスクスコア -3

4期連続の営業キャッシュ・フロー赤字により当事業年度末日後1年内の資金繰りに懸念があり、財務基盤のリスクは高い。社債200百万円には自己資本比率が10%未満となった場合に一括償還する可能性がある財務制限条項が付され、担保提供資産は303百万円に及ぶ。会計監査人はEY新日本有限責任監査法人が任期満了で退任し、2025年1月設立の佳生監査法人が候補となっており、監査体制の交代局面にある。

総合考察

総合評価を最も押し下げたのは市場反応とガバナンス・リスクの2軸である。に関する重要な疑義が事業報告と個別注記表の双方に明記され、監査報告書にも重要な不確実性として追記された事実は、損益の数値以上に投資家心理へ効く。当期純利益155百万円への転換は固定資産売却益100百万円、投資有価証券売却益62百万円、保険解約返戻金87百万円といった資産売却・一過性収益の積み上げによるもので、営業損失159百万円が3期連続である構造問題を覆すものではない。EDINET DBの過去実績でも営業黒字は2023年4月期の12百万円が直近で、以降は赤字が続く。欠損填補と株式評価差額の増加で純資産は996百万円へ回復し、社債のが定める自己資本比率10%には距離があるものの、売上が2月・3月に集中し支払が12月・1月に先行する季節偏重の資金構造は変わらない。投資家が確認すべきは、学校アルバム値上げの浸透度、人件費約4%削減と拠点集約の実行時期、そして2026年7月23日開催の第38回定時株主総会における会計監査人選任議案の帰趨である。

出典: EDINET(金融庁)(改変あり)
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