開示要約
HENNGE株式会社は2026年5月7日、第30期中間連結会計期間(2025年10月1日~2026年3月31日)の半期報告書を提出した。SaaS型クラウドセキュリティ「HENNGE One」を主力とする事業構造の下、売上・利益ともに前年同期比で増加した。 中間連結ベースの売上高は6,128,859千円(前年同期比+17.7%)、営業利益1,267,909千円、経常利益1,267,682千円(同+8.7%)、親会社株主に帰属する中間純利益884,226千円(同+11.7%)。売上総利益率は86.8%と高水準を維持している。 主力のHENNGE One事業の売上高は5,792百万円(同+19.2%)で、当中間期末時点の契約企業数は3,731社、契約ユーザ数2,964,065人、直近12ヶ月平均月次解約率0.26%と非常に低い解約率水準が示された。プロフェッショナル・サービス及びその他事業は337百万円(同−2.8%)。 資本政策面では、2025年11月の取締役会決議に基づき2025年12月19日までに自己株式700,000株(913百万円)を取得し、2025年12月の取締役会決議に基づき譲渡制限付株式報酬として17,700株を処分。第30期は1株当たり3円(総額94百万円、効力発生日2026年6月12日)を取締役会で決議。 後発事象として2026年5月1日付で第8回新株予約権3,232個(普通株式323,200株、行使価額1株964円、行使期間2029年3月20日~2032年12月31日)の割当が完了している。
影響評価スコア
🌤️+2i主力のクラウドセキュリティ事業を中心に売上が前年同期比17.7%増、最終利益も11.7%増と二桁成長を達成しています。月次解約率0.26%という低水準もSaaS事業の質の高さを示しており、業績は明確に上向きの方向です。
前年同期は中間配当がなかった中で、今回は1株3円の中間配当を実施することが決まりました。さらに約9.13億円の自己株式取得も行っており、配当と自社株買いを合わせた株主還元の取り組みが充実してきています。
米国Passpackとの提携、オンライン学習機能やセキュリティパッケージの新規提供、広島オフィス開設など、本業のサービス強化と販売網拡充の両面で施策が動いています。中長期の成長基盤を着実に積み上げる方向性が確認できます。
売上の二桁成長と中間配当の開始は前向きな材料ですが、営業活動でのキャッシュフローが今期は流出超過となった点は短期的に意識される論点です。なお税金支払いや契約負債の減少が主な要因で、本業の質的な悪化を示すわけではありません。
創業者3名で議決権の約半分を持つ集中型のガバナンス構造で、意思決定は速い反面、外部からのチェック機能の強化余地は残ります。前期末まで主要株主だった永留氏が2025年11月に主要株主から外れた点も、株主構成の変化として留意点となります。
総合考察
本半期報告書はHENNGEの主力事業であるクラウドセキュリティ「HENNGE One」を中心に、売上・利益ともに前年同期比二桁成長を達成したことを示している。月次解約率0.26%はSaaS企業として極めて低い水準で、契約企業数3,731社・契約ユーザ数2,964,065人と既存顧客基盤の安定的な拡大が確認できる。 株主還元面では、前年同期はがなかった中で1株3円のを取締役会で決議し、加えて自己株式700,000株を913百万円で取得済とすることで、配当と自社株買いの両面で還元方針を強化している。事業面では2025年11月の米Passpack社との戦略的業務提携、2026年2月の「HENNGE One Tadrill」オンライン学習機能、2026年3月の「HENNGE Endpoint & Managed Security」提供開始など、サービスポートフォリオ拡充の動きが続いている。 短期的な留意点は営業活動キャッシュフローが前年同期+349,509千円から当期−36,386千円へ転じている点で、法人税等支払額444,386千円、契約負債減少351,546千円、前払費用増加229,070千円が主因となっている。本業の質的劣化を示すものではないが、短期需給面で意識される可能性がある。後発事象として割当完了した第8回新株予約権323,200株(行使期間2029年3月以降)の中長期的な希薄化規模も、評価に織り込む論点となる。