開示要約
今回の半期報告書が注目される理由は、会社の「もうけの数字」が後から大きく見直されたからです。きっかけは子会社の在庫の処理で、損失を先送りしたり、売上を早めたり遅らせたり、同じ売上を二重に計上したりと、いくつもの不適切な処理が過年度から行われていたと報告されています。 その結果、上期は売上自体は増えたのに、最終的には親会社の取り分で211億円の赤字になりました。わかりやすく言うと「売上は立っているように見えても、実際には価値が下がった資産(買収で発生した等)を減らしたり、投資先の評価を下げたりして、損が一気に表に出た」状態です。 さらに監査法人は、売上を計上した時期が正しいかを確かめるための証拠(書類)が偽造されていたり、記録が残っていなかったりして、十分な確認ができない部分があるとして「限定付結論」を出しました。これは、成績表に“注意書き付き”で合格をもらったようなもので、信頼回復には時間がかかる可能性があります。 一方で会社は、歯科通販の歯愛メディカルを買い増して子会社化し、資金繰りのための借入枠()も用意しています。事業を進める動きはあるものの、まずは調査完了と再発防止、訂正報告書の提出が重要な節目になります。
評価の根拠
⚡-4この発表は、株価にとって悪いニュースになりやすいです。 まず、会社のもうけが上期で「黒字から赤字」に変わりました。売上は増えたのに、営業が5,447百万円の赤字です。家計でたとえると、収入は少し増えたのに、持っていた資産の価値が下がったと判断して大きな損をまとめて出し、結果として赤字になったような状態です。 次に、投資の評価損がはっきり数字として出ました。金融費用の中に、米国のFEF社への投資で「価値が下がった分」(優先株式8,230百万円、貸付金3,843百万円)が入っています。わかりやすく言うと、投資先の状況が悪くなり、将来回収できる見込みを下げた分だけ、今の成績が悪く見える、ということです。 そして一番大きい不安材料は、過去の数字の出し直しと、監査人の限定付結論です。特にAW防災では、売上を計上した日付を確かめる書類が偽造されていたなどで、監査人が十分に確認できないと書いています。さらに会社全体の売上でも、期間の区切りが正しいか確かめる手続が十分にできない点が残りました。 こうした状況では、投資家は「今後また数字が変わるかもしれない」と考えやすく、株価が下がりやすくなります。資金面では借入枠()を確保していますが、調査費用として概算約93億円が今後計上される見込みで、しばらくは警戒が続くと考えられます。