EDINET有価証券報告書-第19期(2025/06/01-2026/05/31)🌤️+2↑ 上昇確信度80%
2026/08/19 15:33

Sansan、売上24.4%増・経常益197.8%増で初配当

開示要約

Sansan株式会社は第19期(2025年6月1日〜2026年5月31日)の事業報告および計算書類を開示した。連結売上高は53,761百万円で前期比24.4%増、売上総利益率は88.0%となった。調整後営業利益は8,427百万円で同137.0%増、経常利益は8,170百万円で同197.8%増、親会社株主に帰属する当期純利益は前期の424百万円から6,778百万円に拡大した。 セグメント別では、Sansan/Bill One事業の売上高が46,847百万円で前期比24.0%増。「Sansan」は契約件数12,199件(同14.0%増)、「Bill One」は有料契約件数5,188件(同31.9%増)で売上高13,679百万円(同39.7%増)となった。Eight事業は売上高6,720百万円で同33.0%増だった。 株主還元では、当事業年度において初めて配当を実施し、期末配当は1株当たり2円50銭、配当金総額315百万円とした。2026年5月19日の取締役会決議に基づく自己株式取得は、累計1,331,600株・1,999,926,495円で終了している。 特別損失には株式会社言語理解研究所ののれん等に係る減損損失231百万円を計上した。中期財務方針として第20期から第22期の売上高年平均成長率16〜20%、第22期の調整後営業利益率25〜30%を掲げており、今後の焦点となる。

影響評価スコア

🌤️+2i
業績インパクトスコア +4

連結売上高53,761百万円(前期比24.4%増)に対し、経常利益は8,170百万円と同197.8%増、親会社株主に帰属する当期純利益は424百万円から6,778百万円へ拡大した。増益幅が増収幅を大きく上回った背景には、売上総利益率88.0%への改善と人件費率の低下がある。加えて関係会社株式売却益1,436百万円を特別利益に計上しており、最終利益の一部は一過性要因を含む。1株当たり当期純利益は53円58銭となった。

株主還元・ガバナンススコア +3

当事業年度において初めて配当を実施し、期末配当は1株当たり2円50銭、配当金総額315百万円とした。あわせて2026年5月19日の取締役会決議に基づく自己株式取得を実施し、累計1,331,600株・1,999,926,495円で終了している。会社は当面、自己株式の取得を株主還元の中心的な手段としつつ配当との最適な組み合わせを検討する方針を示した。会計監査人はあずさ監査法人からEY新日本有限責任監査法人へ交代する議案が付議された。

戦略的価値スコア +3

中期財務方針として第20期(2027年5月期)から第22期(2029年5月期)の売上高年平均成長率16〜20%、第22期の調整後営業利益率25〜30%を掲げる。成長の牽引役は「Bill One」で、売上高13,679百万円(前期比39.7%増)、MRR1,231百万円(同34.9%増)と高い伸びが続く。M&Aも活用し、株式会社イードアを取得してEightキャリア株式会社へ商号変更する一方、ログミー株式会社の全株式を譲渡した。定款には新たにスポーツ事業を追加する議案が付議された。

市場反応スコア +1

本開示は第19回定時株主総会(2026年8月20日開催)の招集通知に伴う事業報告および計算書類で、確定した通期実績と株主還元策が同時に示された。市場が材料視しやすいのは、初配当1株2円50銭と、2026年6月18日までに累計1,331,600株・1,999,926,495円で完了した自己株式取得である。第17回・第18回・第20回新株予約権の行使条件が終値3,987円超に設定されている点も、株価水準を測る目安となる。

ガバナンス・リスクスコア 0

連結子会社である株式会社言語理解研究所の事業用資産およびのれんについて、当初予定していた収益が見込めなくなったとして減損損失231百万円(うちのれん226百万円)を特別損失に計上した。非上場株式2銘柄でも50百万円の評価損を計上しており、投資案件の一部で想定を下回る状況が生じている。「Sansan」の直近12か月平均月次解約率は0.55%と前期比0.06ポイント上昇した。一方、内部統制は有効と確認され、監査等委員会は指摘すべき事項を認めていない。

総合考察

総合スコアを最も押し上げたのは業績インパクトである。売上高24.4%増に対し経常利益が197.8%増と利益レバレッジが明確に効いており、売上総利益率88.0%という高採算構造と人件費率の低下が同時に働いた結果といえる。前受金が期首17,469百万円から期末21,489百万円へ積み上がっている点は、翌期に売上計上される原資が先行して確保されていることを意味し、増収トレンドの持続性を補強する。 一方で最終利益6,778百万円には関係会社株式売却益1,436百万円という一過性要因が含まれ、実力ベースの収益力は調整後営業利益8,427百万円で捉える必要がある。ガバナンス面では言語理解研究所ののれん減損226百万円が示す通りM&Aの成果には濃淡があり、成長戦略にM&Aを掲げる以上、買収先の収益化は継続的な検証対象となる。 投資家が次に確認すべき点は、第20期(2027年5月期)の売上高成長率が中期方針の16〜20%レンジに収まるか、そして「Sansan」の月次解約率0.55%への上昇が一時的か構造的かである。初配当2円50銭と1,999,926,495円の自己株式取得完了は還元姿勢の転換点にあたるが、配当総額315百万円という絶対水準はなお小さく、利益成長に応じた還元額の増加が実際に伴うかが焦点となる。

出典: EDINET(金融庁)(改変あり)
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