EDINET有価証券報告書-第77期(2025/04/01-2026/03/31)☁️0→ 中立確信度75%
2026/06/25 09:21

フマキラー第77期、増収も営業益17.2%減 期末配当24円へ

開示要約

フマキラーが第77期(2025年4月1日から2026年3月31日)の連結業績と定時株主総会の議案を開示した。連結売上高は前年同期比4.8%増の773億66百万円で、為替変動の影響を除くと1.8%増だった。国内売上は266億33百万円、海外売上は507億33百万円(為替変動の影響を除くと5.1%増)となった。 利益面では、売上原価が534億34百万円へ21億31百万円増え、販促経費や人件費の増加で販管費も前年同期比9.2%増の217億41百万円に膨らんだ。営業利益は21億90百万円(前年同期比17.2%減)、経常利益は22億62百万円(同10.2%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は12億6百万円(同17.5%減)となった。 部門別では殺虫剤が631億89百万円(5.0%増)となり、海外が504億46百万円(10.1%増)と伸びた一方、国内は天候不順と価格改定に伴う数量減で127億43百万円(11.1%減)と落ち込んだ。家庭用品は22億81百万円(15.6%増)、園芸用品は41億62百万円(2.2%減)だった。 第1号議案の剰余金処分では期末配当を1株24円、配当総額395,499,528円とし、効力発生日を2026年6月29日とする。第2号議案では取締役を17名から1名減員して16名を選任する。今後の焦点は国内殺虫剤の数量回復と販管費の抑制になる。

影響評価スコア

☁️0i
業績インパクトスコア -2

連結売上高は773億66百万円と4.8%増だが、為替変動の影響を除くと1.8%増にとどまる。営業利益は21億90百万円で17.2%減、経常利益は22億62百万円で10.2%減、親会社株主に帰属する当期純利益は12億6百万円で17.5%減と、減益幅が増収率を上回る。売上原価率は69.1%へ0.4ポイント低下した半面、販促経費と人件費の増加で販管費が9.2%増の217億41百万円に膨らみ、増収分を吸収した。国内殺虫剤の11.1%減も重い。

株主還元・ガバナンススコア +2

第1号議案で期末配当を1株24円とし、配当総額は395,499,528円になる。前期の1株22円から増額され、減益局面でも還元水準を引き上げる形となる。剰余金処分では別途積立金4億5千万円の積み増しも併せて諮る。第2号議案では取締役を17名から16名へ1名減員し、機動的な意思決定を図る。一方で自己株式の増加は単元未満株式の買取のみで、大規模な株主還元策は示されていない。

戦略的価値スコア +1

海外売上507億33百万円は国内の266億33百万円を大きく上回り、東南アジア主要国に加えイタリア・メキシコが現地通貨ベースで前年を上回った。欧州ではZAPI INDUSTRIE CHIMICHE社とFUMAKILLA EUROPEが事業基盤を担う。国内では広島工場内に研究開発棟と生産設備からなるブレーンズ・パーク広島の建設・拡充を進めており、当期の設備投資30億円は自己資金で充当した。

市場反応スコア 0

本開示は定時株主総会の招集に係る事項が中心で、増収・減益・増配が同時に示されるため方向感は分かれやすい。経常利益は第75期の27億98百万円から第76期25億20百万円、当期22億62百万円と2期連続で縮小した一方、期末配当は22円から24円へ増額される。売上規模の拡大と利益水準の低下が併存しており、短期の株価材料としては限定的とみられる。

ガバナンス・リスクスコア -1

有限責任あずさ監査法人は連結計算書類と計算書類に適正意見を表明し、監査役会も取締役の職務執行に指摘すべき事項はないとした。重要な後発事象の記載もない。取締役16名の候補のうち社外は7名で、うち6名を独立役員に指定する。他方、議決権割合20%以上を対象とする大規模買付行為への対応方針を2027年6月開催予定の総会終結時まで継続し、女性取締役は1名にとどまる。

総合考察

総合スコアを最も押し下げたのは業績インパクトである。増収の主因は円安による海外売上の押し上げで、為替変動の影響を除いた伸びは1.8%にとどまり、売上原価率が69.1%へ0.4ポイント低下したにもかかわらず販管費の9.2%増が利益を削った。EDINET DBのXBRLでもROEは前期6.0%から4.6%へ低下しており、規模拡大が利益成長に結びついていない構図が数値で裏付けられる。 一方で株主還元は逆方向を向く。期末配当を22円から24円へ引き上げた結果、は24.8%から32.8%へ上昇し、減益下でも還元を優先する姿勢が読み取れる。自己資本比率39.1%と財務基盤は安定しており、PBR0.68倍の水準では還元強化の余地が意識されやすい。 注視点は三つある。第一に国内殺虫剤の11.1%減が価格改定に伴う数量減である以上、翌期に数量が戻るかが利益回復の前提になる。第二に設備投資30億円と短期借入金160億84百万円という資金構成が、ブレーンズ・パーク広島の投資回収局面でどう変化するか。第三に欧州ZAPIグループののれん338百万円を含む資産グループは当期に減損の兆候なしと判断されたが、欧州事業の採算次第で翌期以降の減損リスクが残る点である。

出典: EDINET(金融庁)(改変あり)
当サイトでは、EDINETの情報をAI技術により要約・分析して提供しています。
本評価は投資助言ではなく、参考情報として提供されるものです。 AI評価は誤り得るものであり、投資判断の責任は利用者にあります。詳細はこちら