有価証券報告書－第56期(2024/10/01－2025/09/30)
AI要約
この発表は、会社の1年間の成績表（決算）と、株主総会で決まったことをまとめたものです。ポイントは「利益は出ているが、最終的なもうけは減った」「それでも配当を始める」の2つです。 売上に近い指標の流通総額は268.7億円で少し増えました。一方で、店舗を増やすより“もうからない店を閉める・店を作り直す”ことを優先し、新規16店に対して閉鎖22店となり、店舗数は182店に減っています。これは短期的には成長が鈍く見えますが、ムダを減らして体質を良くする狙いがあります。 利益面では、営業利益は9.1億円と高い水準を維持しましたが、店舗閉鎖に伴う費用（固定資産除却損1.6億円、店舗閉鎖損失0.4億円など）が出て、最終利益は4.0億円に減りました。 それでも期末配当30円を決めたのは、「今後も安定して利益を出せる」という会社の自信の表れと受け取られやすく、投資家にとっては分かりやすい還元策になります。
専門用語の解説
- 流通総額
- ：店のレジ売上だけでなく、値札シール代や不動産賃貸収入なども足した「取扱高の合計」。会社の勢いを見る指標だが、監査対象外で数字の性格を理解して使うのが重要。
- スクラップ＆ビルド
- ：もうからない店を閉め（スクラップ）、条件の良い場所や新しい形で出し直す（ビルド）こと。短期的に費用が出やすいが、長期の収益力改善を狙う動き。
- 固定資産除却損
- ：店を閉めたり改装したりして、設備や内装を使わなくなったときに出る損失。例えば冷蔵ケース等を捨てると会計上の損が出て、最終利益を押し下げやすい。
- 委託販売（純額計上）
- ：生産者の商品を店が預かって売り、売れた分だけ手数料をもらう形。売上は「レジ金額全部」ではなく、手数料部分だけを売上として計上するため数字の見え方が変わる。
- 剰余金の処分（配当）
- ：会社に残った利益の使い道を決めること。配当はその一部を株主に現金で返す方法で、今回1株30円を決議。投資家は利回りや継続性を重視して見る。
AI影響評価
評価の根拠
この発表は「少し良いニュース」寄りになる可能性があります。 理由は、会社が株主に配当を出すことを決めたからです。1株30円で、配当が始まる日（効力発生日）は2025年12月29日、配当の総額は約1.68億円と具体的に書かれています。一般に、配当が新しく始まることは“株主にお金が戻る”出来事として前向きに見られることがあります。 ただし、会社の最終的な利益は401,999千円で、前の期（第55期の540,484千円）より少なくなっています。また、特別損失として固定資産除却損160,939千円と店舗閉鎖損失44,448千円が計上されていることも、利益の見え方に影響します。 お店の数は、新しく16店出した一方で22店閉めて、期末は182店です。新しいタイプの店は当期に7店出したと書かれていますが、全体の店舗数は増えていません。 株価は「配当が増える（または始まる）」材料と、「利益が減っている」「店舗数が純減している」といった材料を合わせて見られます。そのため、上がる可能性はある一方で、上がり方は大きくならない場合もあります。
出典: EDINET（金融庁）（改変あり）
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