開示要約
ダブルエーは「ORiental TRaffic」「卑弥呼」などの婦人靴ブランドを展開する企業で、2023年から「MISCH MASCH」、2025年4月から「31 Sons de mode」とアパレル事業も拡大しています。今回2025年2月から2026年1月の通期業績を発表しました。 売上高は233億円で前年比2.3%増えましたが、営業利益は10.6億円と前年から36.2%大きく減りました。最終利益も6.8億円と前年比31.0%減です。賃上げによる人件費上昇、円安や原材料費の値上がり、香港子会社の不調、店舗改装による休業の影響などが利益を圧迫しました。 婦人服事業では4月にヒロタ株式会社から「31 Sons de mode」ブランドを買い取り、売上は27.5%伸びましたが、譲受の費用や不採算店舗の閉鎖費用がかさみ、9千万円の損失となりました。期末配当は1株8.5円で前年の11円から2.5円下がり、年間配当も17円となりました。会計監査をする監査法人もあずさから太陽へ変わっています。
影響評価スコア
☔-2i売上はわずかに伸びましたが、もうけにあたる営業利益は36%も減り、最終利益も31%下がりました。人件費アップ、円安や原材料の値上がり、香港の子会社の不調、店舗改装中の売上減などが響いています。会社の本業の稼ぐ力が落ちている点で、業績への影響は明確にマイナスです。
1株あたりの期末配当は前年の11円から8.5円に下がりました。中間配当と合わせた年間配当は17円で、前年の19.5円から減りました。利益が大きく減ったので配当も下げざるを得なかった形です。会社は安定した配当を続けることを基本としていますが、今期は株主への直接の還元は前年より少なくなりました。
4月にヒロタ株式会社から「31 Sons de mode」ブランドを譲り受け、アパレル事業を強化しました。スニーカーブランド「ORTR」のテレビCMやSNS活用によるブランド作り、デジタル化、海外調達網の改善などを今後の課題に挙げています。長期の事業拡大を目指す方向性は示されましたが、足元では譲受費用が利益の重しになっており、効果が出るのはこれからです。
利益が大きく減ったうえ配当も下がったので、株式市場では悪材料として受け止められやすい内容です。1株あたりの利益は52円から36円へと31%減り、株価の評価が下がりやすい状況です。来期も人件費アップや海外子会社の不調が続く可能性があり、株価の動きは慎重になりそうです。
今期から会計監査をする監査法人があずさから太陽に変わりました。また店舗の収益性悪化により約5千万円の減損損失と約1億円の棚卸資産評価損も出ています。経営をチェックする社外取締役の体制は維持されていますが、監査法人の交代と複数年にわたる減損計上は、中長期的に注意が必要なポイントです。
総合考察
今回の決算は、売上は少し伸びたものの利益が大きく落ち込み、配当も減らしたという厳しい内容です。賃上げや円安、海外子会社の不調が利益を圧迫し、4月に買い取った「31 Sons de mode」ブランドも譲受に伴う費用が先行して足を引っ張りました。中長期では靴とアパレルの両輪で会社を大きくする戦略は分かりますが、その効果が数字に出るには時間がかかりそうです。監査法人もあずさから太陽に変わったので、来年度の監査結果や、賃上げ・為替の影響が和らぐかどうかが投資家の注目点です。