業界別に評価のばらつき(分散)を見ると、最も温度差が大きかったのは自動車・輸送機で、企業間の明暗が際立った。象徴的なのが日産自動車の有価証券報告書だ。特別損失5,768億円により当期純損失5,331億円と2期連続の最終赤字に陥り、期末配当も見送られた。一方で「Re:Nissan」によるコスト削減は実績として表れ始めており、再建期待と業績悪化が同居している。
次いで分散が大きい機械、そして電機・精密でも、AI関連の好決算と不振企業が混在した。開示数では情報通信・サービスその他が197件と突出しており、3月期企業の有価証券報告書の提出が集中したことを映している。
評価のばらつきという点で注目されるのが医薬品だ。代表例のロート製薬には、アクティビスト2社から自己株取得や配当への関与を求める株主提案8件が出された。取締役会は全議案に反対したが、こうした緊張感が還元・ガバナンス改善の触媒となり得る。業界全体が一律に動くのではなく、企業ごとに評価が割れる局面が続いている。
6/29 21:22 更新